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※ 君と僕との出会いのキセキ 第十六話 ~ 新年あけましておめでとうございます ~ ※

霧島祐也きりしまゆうや趣味は小説のWEB投稿。レオさんこと文月玲央奈ふづきれおなと出会い、彼の人生は変わった。約束を破った祐也は改めて玲央奈の家に行き、彼女と対面、仲直りをした……はずだったのだが、それ以降の記憶がなく、祐也は彼女との距離を測りかねていたが、大晦日に仲直りをした。そして……

※ 君と僕との出会いのキセキ ~ 新年あけましておめでとうございます ~ ※



「「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」」


隼人はやとと僕は玲央奈邸の玄関にて彼女たちに挨拶をした。今日は正月、前日の大晦日で黎苑れおんさんと玲央奈に会っていた。しかし、その後またお参りするということで、今回は珍しく隼人が車を運転して玲央奈邸に来たのだ。


「あ、いらっしゃ……」「おぅ~今来たかっ」


玲央奈の言葉に被せて黎苑さんが大声で言った。玲央奈の目がかなりジト目になってる。そして、玲央奈は静々と挨拶を……


「あけまして……」「あけましておめでとぅ~今年もよろしく! 」


またしても黎苑さんの声で玲央奈は沈黙を強いられた。更に目が座っている。正直怖い……


「それでは、そろそろ……」「そろそろ行くぞぉ~! 」


” お黙りなさい!! ”


玲央奈の怒鳴り声と共に黎苑の後頭部に強烈なエルボーがヒットした。その瞬間糸の切れた人形のように彼は沈黙した。マジ怖いんですけど……


「さぁ、黎苑も沈黙したことだし、初詣行くか」

「ええ、祐也、コイツを運びなさい」

「え、うん……」


気絶した黎苑さんを気にしない隼人の声と共に、玲央奈の命令が聞こえた。僕は自分と黎苑さんの立場が逆転したことに同情の念を抱きつつ、彼を立ち上げようとする。でも、かなり重いぞ。そう思っていると、隼人もヤレヤレという感じで彼を担ぎ上げた。


「ふぅ、相変わらず新年は酒に溺れているなあ」


珍しく普通に隼人と玲央奈が話をしている。僕の見てる前ではからかう隼人、噛み付く玲央奈って感じだったけど。僕よりも結構古い付き合いなんだよね。僕だけ全く知らなかったわけだし。

 そう思っていると、玲央奈が僕の顔を見て話しかけた。


「どうしたの? 何か元気ないけど」

「いや、何でもないよ」


僕はそう言うが、玲央奈は少し眉を潜めてしばらく僕を見ていた。何か、この視線がとても僕に突き刺さる。隠し事をしてるわけじゃないけど、何だろうこの罪悪感。玲央奈の家を後にして、僕たちは車に乗った。羽織袴姿の僕たち、黎苑さんも袴を着ているが、目を回したままで、いまいち決まっていない。玲央奈は昨日の振袖ではなく、新しい振袖みたい。前回はエメラルド色のブレスレットに合わせていたけど、今回はとても赤くて派手だった。でも、派手でも玲央奈は似合うんだよなぁ。髪をアップにしてカンザシとかとても華やかさを演出してるし、何より、う、うなじがとても、綺麗……


「ん? どうしたの祐也? 」


僕の視線に気がついた玲央奈は首をかしげるように見つめる。き、昨日より色っぽい。そう思うと、無意識に顔を赤くして俯いてしまう。玲央奈は更に眉を潜めて僕を見る。段々とこの視線に耐えられなくなっていく。そんな中、運良く目的地の寺についた。

昨日の夜中とは違って、周りがよく見える。この寺は山の上にあり、荘厳な佇まいで鎮座している。そして、その境内の裏側には御神木が立っていた。とても雄大で、この山の標高を一層高くしている。そして、境内に向かう階段までの道はこの寺を祝うかのように所狭しに屋台が立ち並んでいた。この屋台が花だったら完全にヴァージンロードだね。


「祐也? 行かないの? 」


玲央奈はまた破壊力満点な笑顔で振り向く。思わず、視線と一緒に思考も止まり、そして目をそらした。その姿に玲央奈はジト目と共に、若干頬が膨らんでるようだ。段々怒りの表情に見えてきて、ちょっと怖い。


「何よっ全く……人が色々してるのに、目を背けて……」


僕に聞こえない言葉で玲央奈は何かブチブチ言っている。そして、目線は明らかに僕を睨んでいる。良く分からないけど、ごめんなさい……。覚醒した黎苑さんは朝のハイテンションとは打って変わり普段の姿になっていた。一体何が……


「さて、今年初めのお祈りをしましょう」


静かにそう言うと、黎苑さんは列に並ぶ、僕と玲央奈も並んだ。いつもよりも綺麗で、色っぽさが増した玲央奈を見ないように見ないように、注意しながら僕は彼女の隣にいる。前の兄貴達がお祈りが終わったので、僕は鈴のついたしめ縄をそっと触る。それと同時に玲央奈が強引に僕の手ごとしめ縄を掴んで強引に鳴らす。若干やけくそのように見えるんだけど。玲央奈は力いっぱい” パンパン ”と叩くと真剣にお願いをしている。何か必死だね……取り敢えず僕は前回と同じく


” 今年も僕と家族、そして玲央奈、みんなが元気で暮らせますように ”


と願いをした。お願いが終わった瞬間玲央奈は僕の腕を掴んで列から離れる。


「後ろがつかえてるんだから早くしなさいよっ! 」


ん……何かご機嫌斜めみたい。そう思っていると、ニヤニヤした兄貴達が立っている場所へと玲央奈は向かい、近くに来ると、毎度のように隼人に突っかかった。黎苑さんは目が会った瞬間白旗上げてるし。今日の玲央奈何か変だな。

 お参りが終わると、車は早々に玲央奈の家へと向かった。そして、家に着くと、黎苑さんが僕に耳打ちをしてくる。


「何かさ、うちのお袋が祐也を見たいって言ってたんだよなぁ」

「え? 何でさ」

「ん~玲央奈が話したみたいだぞ……おっと、俺が言ったって言うなよ」


黎苑さんはそう言うと、そそくさと隼人の方に歩いて何食わぬ顔で歩いていた。

玲央奈は小走りに玄関に向かっている。玲央奈は一体どんな事を母親に言ったんだろう……正直怖いね……あまり会いたくなくなっちゃったよ。


そう思っていると、扉を開けた玲央奈が一足先に家に入っていった。後に続いて兄貴達、そして最後は僕だ。僕が家に入ると、残念そうな玲央奈と微妙な顔をした黎苑がいた。取り敢えず客間に通されたのだが、その時黎苑さんが僕に耳打ちをした。


「今日お袋は急な用事で家を出ちゃったらしい。玲央奈がしょんぼりしてたよ」


黎苑さんの話を聞いて、玲央奈を見ると確かにしょんぼりしている。ん~僕としては色々お母様に詮索されるネタがなくなるのでいいんだけど、玲央奈としては、正月にお母さんがいないのはやっぱりさみしいんだろうな。


「お母さんいないのかぁ……折角……じゃあおせちあるから頂きましょう」


玲央奈は自分のしょんぼりした気分を変えようと軽く柏手を打ち、そそくさとおせちのあるところへと向かった。兄貴達は顔を見合わせて苦笑いしている。……僕だけ良く分からない。ちょっと疎外感。しばらくすると、玲央奈は振袖なのにも関わらずテキパキと物を持ってくる。ん~玲央奈結構いい奥さんになるかもね。そう思っていると、玲央奈は僕に食器と正月用の割り箸をそっと置く。その時、彼女の綺麗な横顔と共に、至近距離で色っぽいうなじが見えた。


” ドキイィ!! ”


飛び跳ねそうなぐらいの衝撃を僕は受け、姿勢を一気に後ろに向けて、倒れてしまった。その姿を見て、隼人は声を荒げた。


「何やってんだよ」


黎苑さんは笑っている。当の玲央奈は倒れている僕を睨みつけた。まるで” 何なのよっ! ”と文句があるような表情だ。何か、綺麗な化粧をした” 鬼 ”がそこにいるみたいで怖い思いと共に複雑な気分となった。

 その後、僕たちはとても豪華で美味しいおせちをご馳走になる。兄貴達はとても話が弾んでおり、黎苑さんはお酒が入っている。兄貴は車だから飲めないので、烏龍茶を飲んでる。僕も烏龍茶だ。玲央奈は……何飲んでるんだろう。僕と目が合うと玲央奈は” キッ ”と睨んでくる。アレ何かすごいご機嫌斜め。僕たちは何か関係が更にぎこちなくなってるような……

 僕と玲央奈だけ無言の、他の人たちは会話がある……


” ザ・蚊帳の外 ”


を体験した僕は、おせちを食べるだけで精一杯だった。何か悲しい……

 夕方までどんちゃん騒ぎをしていたが、結局玲央奈の母親は戻らなかった。なので、僕たちは玲央奈の家を後にすることとなった。相変わらず玲央奈はツンツンしている。この姿に兄貴達は少し気まずそうにしていた。あの、酔っ払って変なテンションだった黎苑さんまでが心配するぐらいだから相当なものだ。

 僕たちは微妙な雰囲気で挨拶もそこそこに玲央奈の家を後にした。家に帰ると、僕たちは各々の部屋に戻り、服を着替える。僕は相変わらずのジャージ姿にちゃんちゃんこでPCを開ける。すると、レオさんからのメールがあった。開いてみると彼女からの今日の事についての内容だった。


 タイトル:今日はごめんなさい 


 今日はずっと不機嫌でごめんなさい。何か祐也の態度が私を避けてるみたいで、頭に来てました。ろくに理由を聞かずに、私だけ怒ってるみたいで……。色々あって謝りたいこととか、感謝してることとか、あったけど。全く言えなかった。でも――


” 私を避けてる祐也も悪いんだからねっ! だから謝ったりなんかしないんだからっ! ”


とあった。あー何か僕は彼女を” 意識 ”しすぎて” 無意識 ”に彼女を避けていたみたいだ。僕自身イッパイイッパイだったから全く理解できてなかった。

今回の玲央奈の不機嫌の謎が解けた僕は慌てて彼女に謝罪のメールを送った。結構長い文章になったけど、簡潔に言えば、玲央奈の振袖姿がとても可愛くてドキドキしちゃって目を背けていたという内容だ。しばらくすると、彼女からチャットのお誘いが来た。


『……何だそういうわけか』


ん? レオさんの感想はあっけないぞ。まぁ、機嫌は治ったぽいからいいか。という事で、改めて謝罪をしておく。すると、レオさんはしばらく反応がなかった。首をかしげていると、やっとレオさんから返信が来た。


『べ、別にそんなこと言ったって何も出ないですよーだっ! 』


アレ、いつものレオさんとキャラが違う。でも、自分の正直な気持ちを伝えたからいいか。

 僕たちは、その後、しばらくチャットをして夜を過ごした。



新年あけましておめでとうございますEND


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