↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/3

FILE 03 悪党たちの晩餐

熟年夫婦ハードボイルドアクション

AIロボットケロ助も活躍


今回は一通の封筒からおやっさんの過去が?

招待状


その日の夕方、理容室に一通の封筒が届いた。


差出人の名前はない。


中には一枚のカード。


『午後九時。旧ホテル・オリエントにてお待ちしております』


おやっさんはカードを裏返した。


そこには、黒い円に銀色の線が入った紋章。


「黒曜会か……」


ケロ助が頭をひょこっと出す。


「また、ろくでもない招待状ですな」


「行くん?」


ねーさんがコーヒーを飲みながら尋ねた。


「せっかく呼んでくれとるんや。顔くらい出さんとな」


「ほな、バイク出しとくわ!」


### 夜のホテル


午後九時。


山あいに建つ旧ホテル・オリエントは、何年も前に閉鎖された廃墟だった。


黒いバイクのヘッドライトが、錆びた門を照らす。


「歓迎されとるようには見えんなあ」


ねーさんがサングラスを直した。


「歓迎会やないからな」


おやっさんはエンジンを切った。


ケロ助がねーさんの頭の上で周囲を見回す。


「赤外線反応、多数。しかも武装しとりますわ」


「そら、楽しみやな!」


「楽しみちゃいますって!」


ホテルの入口が開いた。


中には黒いスーツの男たちが並んでいた。


その奥、壊れたシャンデリアの下に、一人の男が座っている。


「来たか。おやっさん」


黒崎だった。


「呼ばれたんでな」


「ずいぶんと余裕だな」


黒崎が指を鳴らす。


次の瞬間、周囲の男たちが一斉に銃を構えた。


「おいおい。晩餐会に銃は似合わんで」


おやっさんは、ゆっくりと上着を脱いだ。


「ねーさん」


「はいはい。任しとき!」


ねーさんが笑った。


### 晩餐会の始まり


銃声がホテルの廊下に響いた。


ねーさんは柱の陰から飛び出し、男の腕を蹴り上げる。


「食事の前に運動や! 健康的やろ!」


「健康的なのは、ねーさんだけです!」


ケロ助が叫ぶ。


おやっさんは、正面から迫る男をかわし、肘を入れ、足を払う。


倒れた男の銃を蹴り飛ばし、次の男の攻撃を受け流した。


動きに無駄がない。


まるで、相手が何をするか最初からわかっているかのようだった。


やがて、広間に立っているのは黒崎だけになった。


「……やはり、お前か」


黒崎は苦笑した。


「何度見ても信じられん。お前は一体、何者なんだ?」


おやっさんは、床に落ちた上着を拾い上げた。


「ただの理容師ですよ」


黒崎の表情が変わった。


「その言葉……」


「もうええか。明日は朝から予約が入っとるんや」


ねーさんが横から口を挟む。


「帰ろ帰ろ。こんなとこおったら、服まで臭なるわ」


ケロ助が小さく頷いた。


「同感です。埃だらけですわ」


三人は何事もなかったかのようにホテルを後にした。


### 黒曜会の恐怖


ホテルの地下。


黒崎は、奥の部屋にいる男へ報告していた。


「申し訳ありません。計画は失敗しました」


男は古い写真を見つめていた。


写真には、数人の男が並んでいる。


そのうち一人の顔だけが、黒く塗りつぶされていた。


「……あいつに手を出したのか」


「はい」


男はゆっくりと顔を上げた。


「黒崎。今後、あの男には一切手を出すな」


「しかし……」


「これは命令だ」


黒崎は黙って頭を下げた。


### 翌朝


理容室は、いつもどおり営業していた。


「おやっさん、今日の予約、三人やで」


ねーさんが帳簿を確認する。


「そうか」


ケロ助が頭の上から声をかけた。


「ところで、次の依頼が来てますわ」


「何や?」


「猫が一匹、行方不明らしいです」


おやっさんはハサミを置いた。


「……今度こそ、平和な仕事やとええな」


ねーさんが笑った。


「それ、毎回言うとるやん!」


店の外では、黒い猫が一匹、日向ぼっこをしていた。


首輪には、黒い円に銀色の線。


その小さな紋章が、静かに光っていた。


謎が深まるおやっさんの過去

どんな過去を持っているのか


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。