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FILE 01 消えた古時計

あらぎ島ソーリュージャーの日常番外編

スタート

1 いつもの理容室


有田川町の片隅に、昔ながらの理容室がある。

店の看板には「理容 おやっさん」。

入口の横には色あせたサインポール。店内には古い振り子時計が掛かり、ラジオからは懐かしい歌謡曲が流れていた。


「おやっさん、ちょっと相談があるんやけど」

椅子に座った常連客が、鏡越しに話しかけた。

「なんや、髪型の話か?」

「いや、実はな……」

男は少し声を落とした。


亡くなった祖父の形見である懐中時計が、数日前から行方不明になっているという。

古い銀色の時計で、裏蓋には見慣れない紋章が刻まれている。

「警察には届けたんやけど、手がかりがないらしい。どうしても見つけたいんや」

おやっさんはハサミを止めた。

「いつ、なくなったんです?」

「先週の金曜日や」

「最後に見た場所は?」

「自宅の書斎やな」

おやっさんは鏡越しに男を見た。

「わかりました。少し調べてみましょう」


男が帰ったあと、店の奥からねーさんが顔を出した。

「また探偵の仕事?」

「時計探しや」

「ふーん。簡単そうやん」

「そうやとええんやけどな」

ねーさんは写真を覗き込んだ。

「なんや、このマーク。ちょっと怪しいな」

その頭の上でケロ助が目を光らせた。

「画像解析するケロ!」

小さな画面に紋章が映し出される。

「該当する組織名、黒曜会。犯罪組織との関連情報ありケロ」

おやっさんの手が止まった。

「……黒曜会か」

ねーさんが顔を上げる。

「知っとるん?」

「いや。名前を聞いたことがあるだけや」



2 夜の倉庫


その夜。

町外れの倉庫街に、一台の黒いバイクが現れた。

エンジン音が静かに響き、ヘッドライトが倉庫の壁を照らす。

運転しているのはおやっさん。

後部座席にはサングラスをかけたねーさん。そして頭にはケロ助。


「おやっさん、あそこや」

「見えとる」

倉庫の窓から明かりが漏れていた。

中には男が三人。テーブルの上には、依頼人が探していた懐中時計が置かれている。

「見つかったな」

「ほな、取り返そか」


そのとき、倉庫の扉が開いた。

「誰だ!」

男が拳銃を構える。

乾いた銃声が夜に響いた。

おやっさんは身をかわし、倉庫脇の工具箱を足で蹴り上げた。

男の手元に工具箱が直撃し、拳銃が床に転がる。

「物騒やな。話くらい聞いたらどうや」

別の男が背後から襲いかかる。

おやっさんは振り向きもせず、男の腕を取って投げ飛ばした。


ねーさんはその隙に倉庫へ飛び込む。

「こっちは任せとき!」

「ねーさん、無理するなよ!」

「誰に言うてんの!」

ケロ助が頭の上で叫ぶ。

「右側から二名接近ケロ!」

「わかっとる!」

ねーさんは男たちの攻撃をかわし、次々と武器を床に落とさせた。


数分後。

倉庫は静まり返っていた。

ねーさんは男たちの攻撃をかわし、次々と武器を床に落とさせた。

男たちは全員取り押さえられ、懐中時計も無事だった。

しかし、テーブルの上には別の書類が残されていた。

そこにも黒曜会の紋章。

おやっさんは書類を手に取った。

「……どうやら、時計だけの話やなさそうやな」



3 依頼完了



翌日の午後。

理容室に、依頼人の男がやってきた。

「おやっさん! 見つかったんですか?」

おやっさんは奥から小さな箱を持ってきた。

「これです」

蓋を開けると、銀色の懐中時計が収まっていた。

男の顔がぱっと明るくなる。

「間違いない! これです!」

「倉庫に保管されていました。警察にも場所と関係者の情報を伝えてあります」

「本当にありがとうございます。祖父の形見だったんです」

男は時計を大切そうに握りしめた。

「本当にありがとうございます。祖父の形見だったんです」

男は時計を大切そうに握りしめた。

「よかったですね」

おやっさんは穏やかに笑った。


男が帰ったあと、ねーさんがコーヒーを持ってくる。

「無事に解決やな」

「ああ」

「でも、黒曜会って何者なん?」

おやっさんは窓の外を見た。

「さあな」

ケロ助が小さくつぶやく。

「黒曜会の活動記録に、過去の未解決事件が多数あるケロ」

おやっさんはコーヒーを飲んだ。

「……少し調べといてくれ」

ねーさんは笑った。

「また面倒なことになりそうやなぁ」



まさかの理髪店店長おやっさんとマシンガントークねーさんのペアが活躍するさまを楽しんでくださいましたか?

何話か続く予定です(笑)

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