第六十八花「小さなアップデート会議!」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 放課後・ゲーム開発部部室
「うーーーん……」
私は机に突っ伏していた。
「どうしたの?」
芽草ちゃんが隣に座る。
「なんかね」
私は顔だけ上げる。
「もっとこう……“あとちょっと!”って感じがするんだよね」
◆
「あとちょっと、ですか」
睡蓮さんがモニターから目を離す。
「えっとね!」
私は勢いよく立ち上がった。
「面白い!は面白いんだけど、“忘れられない!”って感じが欲しい!」
◆
「なるほど」
芽草ちゃんが腕を組む。
「つまり、“印象に残る要素”ね」
「それ!」
◆
「……演出?」
翔ちゃんが小さく呟く。
「おぉ!」
私は翔ちゃんを見る。
「たとえば?」
◆
翔ちゃんはスケッチブックをめくる。
そこには、
夜空みたいな背景。
そして、
花びらが光になって舞う演出案。
◆
「わぁぁ……!」
私は目を輝かせる。
「すごい綺麗!」
「エンディング、用」
翔ちゃんが少し照れながら言う。
◆
「いいですね」
菫ちゃんが頷く。
「なら、音も静かな感じにしたい」
「最後だけ、少し余韻を長めに」
◆
「……」
私は想像する。
ゲームをクリアして、
光の花びらが舞って、
静かな音楽が流れる。
◆
「……絶対いい」
私は確信した。
「それだよ!」
◆
「実装は可能です」
睡蓮さんが冷静に言う。
「ただし、少し処理が重くなります」
「あぅ」
◆
「なら」
リリィちゃんがおずおずと手を挙げる。
「普段は軽くして、エンディングだけ特別演出にすれば……」
部室が静かになる。
◆
「……天才?」
私は思わず言った。
「ひゃっ!?」
リリィちゃんがびくっとする。
◆
「確かに、それなら負荷も抑えられますね」
睡蓮さんも納得していた。
「リリィさん、いい案です」
「ぁ……えへへ……」
◆
「よし!」
私はホワイトボードの前に立つ。
「小さなアップデート会議を始めます!」
◆
『改善案』
・エンディング演出強化
・音楽の余韻調整
・一部テンポ改善
・UIの視認性向上
・演出追加
「おぉ……」
芽草ちゃんが少し笑う。
「ちゃんと会議っぽいわね」
「ゲーム開発部だからね!」
◆
「UIってなんです?」
リリィちゃんが首を傾げる。
「画面の見やすさとかボタンとか!」
私は説明する。
「なるほど……!」
◆
「なら、ボタンの色も変える?」
菫ちゃん。
「今は少し背景と似てるかも」
「確かに」
芽草ちゃんが頷く。
◆
「……だったら」
翔ちゃんが新しいラフを描き始める。
「花びら、入れる」
「ボタンに?」
「うん」
◆
「かわいい……!」
私は感動する。
「しかもゲームの雰囲気に合ってる!」
◆
「皆さん、本当に成長しましたね」
いつの間にか、
風信子 桃花先生が後ろに立っていた。
「先生!」
◆
「最初は“ゲームを作りたい”だけだったのに」
先生は静かに笑う。
「今はちゃんと、“どうすればもっと良くなるか”を考えられてる」
◆
「……えへへ」
私は少し照れる。
「でも、まだまだだよ!」
◆
「その気持ちが大事なのよ」
先生は優しく言った。
「作って終わりじゃない」
「もっと良くしたいと思える作品は、ちゃんと愛されてる作品だから」
◆
その言葉に、
部室が少しだけ静かになる。
◆
「……よし」
私は気合を入れ直す。
「もっとすごいゲームにしよう!」
「えぇ」
「はい」
「……うん」
「が、頑張ります……!」
◆
夕暮れの部室。
今日もまた、
ゲーム開発部の小さな進化が始まる。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




