第四十八花「形になる世界と、見えてきたゴール」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 夏休み・部室
「……できた」
睡蓮さんが静かにそう言った。
「え?」
私は顔を上げる。
「一通り、通してプレイできる状態です」
「えええええ!?」
思わず立ち上がる。
「ついに!?」
「はい。まだ仮の部分も多いですが」
「すごい……!」
◆
「やってみよう」
翔ちゃんがぽつりと言う。
「うん!」
みんなで画面を囲む。
タイトル画面。
シンプルだけど、
どこか夏を感じる色合い。
「これ……私たちのゲームだ……」
◆ プレイ開始
画面が切り替わる。
海辺の風景。
主人公の少女が立っている。
「……いい」
翔ちゃんが小さく言う。
「背景、きれい……」
「音も、ちゃんと合ってます」
リリィちゃんが嬉しそうに言う。
やさしい波の音。
菫ちゃんの音楽が重なる。
「シナリオも入ってる……」
私は画面の文章を見つめる。
自分たちが書いた言葉が、
ちゃんと“物語”になっている。
◆
「ここ、分岐です」
睡蓮さんが説明する。
「おお……!」
選択肢を選ぶ。
ストーリーが変わる。
「すごい……ちゃんとゲームだ……!」
◆
「……ここ」
リリィちゃんが画面を指さす。
「少しだけ違和感が……」
「確認します」
「文章、少し直すね」
「音、タイミングずらす」
すぐに修正が入る。
「完成じゃないけど」
芽草ちゃんが静かに言う。
「かなり近づいてるわね」
「うん……!」
◆
一通りプレイが終わる。
「……どうだった?」
私は少しだけ不安になりながら聞く。
「面白い」
翔ちゃんが即答する。
「はい……!」
リリィちゃんも強く頷く。
「世界観、好き」
「音も、ちゃんと活きてる」
「構造も問題ありません」
そして――
「いい作品よ」
芽草ちゃんがそう言った。
「……よかったぁ……!」
私はその場に座り込む。
◆
「ねぇ」
私は顔を上げる。
「これさ」
「うん?」
「完成、見えてきたね」
少しの沈黙。
「……ええ」
「もう少し」
「はい……!」
「……やる」
「最後まで仕上げましょう」
みんなの声が揃う。
◆
窓の外は、まだ夏の光。
でも、
その時間も少しずつ減っている。
だからこそ――
「ラストスパート、いこう!」
「ええ」
「……うん」
「はい!」
「頑張る」
「効率よく進めます」
私たちのゲームは、
もうすぐ完成する。
――ゴールは、すぐそこに。
第四十九花 資料→「タイトル考えてください。」「私は染井 芳乃! 城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています」「続きお願いします。」
第四十九花「最後の仕上げと、終わらない夏」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 夏休み・部室(夕方)
「……ここ、もう少し調整したい」
睡蓮さんが画面を見ながら言う。
「どの部分?」
「分岐後の処理です。少しだけ遅延があります」
「直せそう?」
「はい、問題ありません」
キーボードの音が静かに響く。
◆
「イラストも、あと少し」
翔ちゃんがペンを動かす。
「表情、微調整」
「ほんと細かいね……!」
「……大事」
◆
「音、最後の調整します」
菫ちゃんがイヤホンをつける。
「ここ、少し余韻足す」
「余韻……」
「感情、残るように」
小さく流れる音が、
さっきより少しだけ深くなる。
◆
「バグチェック、続けます……!」
リリィちゃんが真剣な表情で画面を見る。
「同じルート三回目です……!」
「すごい執念……!」
「……大事」
翔ちゃんがぽつり。
◆
「シナリオ、最終確認しよう」
芽草ちゃんが私に言う。
「うん!」
二人で文章を見直す。
「ここ、少しだけ言い回し変えたい」
「どんな感じ?」
「もっと自然にしたいの」
「なるほど……じゃあこうかな?」
言葉を選ぶ。
削る。
足す。
「……いいわね」
「ほんと?」
「ええ。ちゃんと伝わる」
胸の奥が少しだけ温かくなる。
◆
「……」
ふと、手が止まる。
「どうしたの?」
「なんかさ」
私は小さく笑う。
「もうすぐ終わるんだなーって思って」
少しだけ、静かになる。
◆
「……そうね」
芽草ちゃんがゆっくり頷く。
「長かったけど」
「……短かった」
翔ちゃんがぽつり。
「楽しかったです……」
「うん」
「いい時間だった」
「ですが、まだ終わっていません」
睡蓮さんがはっきりと言う。
「完成させるまでが、制作です」
◆
「……だね!」
私は立ち上がる。
「最後までやりきろう!」
「ええ」
「……やる」
「はい!」
「うん」
「進めます」
みんなが再び動き出す。
◆ 夜
部室の明かりだけがついている。
外はもう暗い。
でも、
ここだけはまだ終わらない。
「……できた」
静かに、睡蓮さんが言った。
「最終ビルド、完了です」
一瞬、誰も言葉を発さない。
「……え?」
「……本当に?」
「はい」
その一言で――
「やったぁぁぁぁ!!」
私は思いっきり叫んだ。
◆
「完成……」
「ついに、ね」
「……うん」
「やりました……!」
「完成、だね」
「これで一区切りです」
みんなの顔に、達成感が広がる。
◆
「ねぇ」
私は小さく言う。
「終わっちゃったね」
少しだけ寂しい気持ち。
「……終わりじゃないわ」
芽草ちゃんが言う。
「これは“完成”であって」
「“終わり”じゃない」
「……そっか」
ゲームは完成した。
でも――
これから、誰かに遊んでもらう。
それで初めて、
本当の意味で“作品”になる。
◆
「次は?」
「……公開」
「楽しみです……!」
「反応、気になる」
「改善点も見つかるでしょう」
「もっと良くできる」
未来の話が、自然と出てくる。
◆
私は窓の外を見る。
夏の夜。
まだ、終わらない。
「ねぇ、みんな」
「ん?」
「次も、作ろうね」
少しの沈黙のあと――
「……当然」
「ええ」
「はい!」
「うん」
「やりましょう」
笑顔が重なる。
◆
ひとつのゲームが完成した。
でも、
私たちの“物語”は――
まだ続いていく。
――夏は終わらない
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




