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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
一学期編

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1/66

第一花「入学!そして廃部寸前!?」

この世界には、“緑人”と呼ばれる種族が暮らしている。


彼女たちは、空に輝く光る星――太陽からエネルギーを受け取り、生きている。

髪は葉や花のように揺れ、感情に応じて色づき、咲き、時にはしおれる。


そんな世界で――私は、今日から新しい一歩を踏み出す。


 


「わぁ〜!ここが、太陽女学院!!」


 


思わず声が弾んだ。


目の前に広がるのは、陽光をたっぷり受けて輝く大きな校舎。

ガラス張りの壁の向こうには、緑があふれていて、まるで森の中に学校があるみたいだった。


胸の奥が、ぽかぽかと温かくなる。

それは太陽の光のせいだけじゃない。


これから始まる、学園生活への期待――そして。


 


(ここに、ゲーム開発部があるって聞いたんだよね……!)


 


ぎゅっと拳を握る。

私の名前は、染井 芳乃(ソメイ ヨシノ)。ゲームが大好きな、新入生だ。


 


「こらそこ!早く入りなさい!遅れるわよ!」


 


突然、背後から鋭い声が飛んできた。


「えっ、あ、はい!」


 


慌てて振り返ると、腕を組んだ女性教師がこちらを見ていた。

つい見とれていたらしい。私は慌てて校舎の中へと駆け込んだ。


 


 


体育館には、すでにたくさんの生徒たちが集まっていた。


天井から差し込む光が、まるで森の木漏れ日のように揺れている。

周りを見渡せば、色とりどりの葉や花を髪に宿した同級生たち。


その光景に、また少し胸が高鳴った。


 


やがて、壇上に校長が立つ。


「えぇ〜、今日から新たな学び舎として――」


 


少しのんびりとした口調の挨拶が始まる。

けれど正直、内容はあまり頭に入ってこなかった。


 


(ゲーム開発部……どこにあるんだろう)


 


そればかりが気になって仕方ない。


入学前に見た資料。

そこには確かに、“ゲーム開発部”の名前があった。


ゲームを作るなんて、ずっと憧れていたことだ。

遊ぶだけじゃなくて、自分で作るなんて――きっと、すごく楽しい。


 


(うん、絶対入る!)


 


心の中で強く決意した瞬間。

髪に咲いた小さな桜が、ふわりと揺れた。


 


 


式が終わると、私はすぐに動き出した。


校内の案内図を頼りに、目指すは――職員室。


 


扉の前で一度深呼吸をしてから、ノックをする。


「し、失礼します!」


 


中から返事があり、そっと扉を開けた。


 


「どうしたの?」


 


優しそうな先生が顔を上げる。


 


「あの、ゲーム開発部について聞きたくて……!」


 


その言葉を聞いた瞬間。

先生の表情が、ほんの少しだけ曇った気がした。


 


「ゲーム開発部……ねぇ」


 


嫌な予感が、胸をよぎる。


 


「えぇー!?は、廃部寸前!?」


 


思わず声が裏返った。


 


「えぇ、部員がいなくてね」


 


あっさりと告げられる現実。


頭の中が、真っ白になる。


 


(そんなぁ〜……)


 


せっかく見つけた、やりたいこと。

楽しみにしていた場所。


それが、始まる前から終わりかけているなんて――


 


「う〜ん……あ!」


 


先生が、何か思いついたように手を打った。


 


「あなたが入部して、部員を集めたら、部活として申請していいわよ」


 


「え!いいんですか!?」


 


一気に顔を上げる。


 


「えぇ。今はまだ同好会扱いだけど、規定人数が集まれば正式な部にできるから」


 


その言葉は、まるで光みたいだった。


 


(……まだ、終わってない)


 


胸の奥で、何かが灯る。


 


「そうと決まれば、部員集め。頑張ってね」


 


「はい!」


 


気づけば、力強く返事をしていた。


 


 


職員室を出たあと。

私は、誰もいない廊下に立ち尽くしていた。


 


静かな空間。

でも、不思議と寂しくはない。


 


(ゼロから……か)


 


ゆっくりと、息を吐く。


 


不安がないわけじゃない。

むしろ、いっぱいある。


でも――


 


「……やってみよう」


 


小さく、呟いた。


 


その瞬間。

私の髪に咲いた桜が、ふわりと開いた。


 


満開には、まだ遠い。


けれど確かに――


 


一輪の“はじまり”が、咲いた。


 


 


こうして、私の学園生活が始まった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

初めてのジャンルの新作ですが、応援してくれたら嬉しいです!!

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