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キロとの再会、ローマの実状

クラッススと会って少しして今度は親友キロとあって話をするカエサル。

ローマの現状を理解しようとしていた。

「面白い男にあった。金持ちクラッススだ。」

「おお、よく知り合えたな。どうだった?」

「人の噂に聞いていたけど、もっとずるい感じの商人然としているかと思ったが、身長も私と同じくらいかさらに大きく身体は私よりもおおきかった。ガリアの戦士と言う感じだろうか。そして粗雑な一面を持ちつつも物事の真理を見る目を持っているように見えた。」

「ほう、カエサルにそこまでいわせるのはすごいな、クラッスス。俺も会って話をしたいな。」

そう言って笑いあったのはキルティウス・エルバミウス。

カエサルとともに育った解放奴隷の息子だった。


カエサルとキロは昔からの隠れ家にしていた3階建てのインスラの上に昔の大家が粗雑に作った部屋にいた。

直接あがる階段がなくて上から垂らしてあるロープだけであがる秘密の基地だ。上に上がってそのロープをひきあげると誰も入れなくなってしまうものだった。

「そうか、それは貴重な出会いだったな。」


酒を飲み始める前まで、3年ぶりの再会を祝っていた2名は抱き合ったりつつきあったりしていたが、今は以前よりも大人になって、ガルムをかけ薄め似切った焼き鳥、蒸し牡蠣、羊のチーズなど運びやすい幾つかのつまみを持ってきて口にしながら葡萄酒を飲んでいた。

つまみも葡萄酒も水もジジとダインがもってきてくれたもので今日は2人だけで飲むため階下にいるのだ。


「そういえば、別れた時に、ジグルドっていただろ。商人の家系だった大人しいやつ。あいつはエフェソスの新興の商会としてがんばっているよ。」

「まじか?それはすごいな。そんな才能があったんだ。」と驚くキロ。

「ああ、もちろん私の力添えもあったのは言うまでもないがね。」

「覚えておこう。他には?」

「ペノっていう官僚然とした真面目なやつもいただろ。あいつは属州総督の武官の一人になった。」

「えええ?まじか、みんなすごいな。確かに悪い奴らではなかったが・・・。」

「もちろん、私の力添えがあったからだがね。」と笑う。

「あはは、分かった。ビルクス、俺と一緒にローマに戻った農民の子はコルネリウス組に戻って時々連絡はよこしてくれているが、やはり最初の小隊が酷かったが今はましみたいだぜ、この3年で小隊長代理になったと言っていた。俺は相変わらずコッタ様の使いだが、カエサルの力添えを期待しているよ。」

「ふふ、お前が本気だったなら私の力添えなんていらないだろう。しかし仲間が成長していくのを見ているのは楽しいな。」

「ああ、そうだろうな。他には?」

「イレイアという昔の小国の美しい姫にあって、付き合ってふられた。」

「何だそれ?一番おもしろそうな話じゃないか、もっと詳しく教えろよ。」

「いや、話せば長いんだよ。」

「いいじゃねえか、なんで手紙で書かないんだよ。さては傷心で書けなかったのかな。」と笑う。

それからカエサルの話をずっと聞き、笑い、キロも自分の近況を話した。

別れてからの2人の経験を互いに話すことでお互いの知識や経験を共有しあった2人はそのうち未来に

ついて話をするようになってきた。


「元老院は正直、進む先を決めきれない感じだな。」

「せっかくスッラが人数を増やしたのに?」

「ああ、スッラが命じるままに動くことで元老院も楽だったんだろう。スッラの目的は明確だった。元老院を立て直し、民衆派を腰砕けにすることだった。その改革自体は明確だったな。さすがだと思うよ。ただ、立て直した元老院がスッラの意図のとおり機能するか、ってのが最大の問題だよな。もちろん、元老院の良識派を中心に失業者が増えていたり、自作農がどんどん減っていたりする問題なんかを協議してはいるがどうしても旧来の考え方にまとまっているから進まないんだよな。」

「あれだけの人数で何をやっているんだか・・・。」

とカエサルは渋い顔をする。

「難しいんだよ。政治ってのは。」とキロが笑って言う。

「コッタ様は頑張っているが、やはり保守派勢力が強いからな。スッラの改革で大きな課題は解決したと思っているおじいちゃんたちも多い。マリウス爺が元老院派を虐殺して恨みが募り、今度はスッラが民衆派を虐殺して恨みや疑心暗鬼があちらこちら広まっているしね。」

「そうだな、私もあやうくそこにはいりかけたしな。」

2人が笑う。

「だから改革をしようとしている人たちはいいが、改革よりも自分の利益を考えているやつらが多いのが問題だ。それに問題を複雑にしているのが都市国家だったローマを懐かしむ回顧主義者なんだけどな。

欲まみれと回顧主義者が多いんだ。」

「なるほど。回顧主義者か。ポエニ戦争のころの古き良きローマが良いってやつだろう。確かに都市国家だった頃までは理想だと思うが、同盟市戦争を経てきた今、ローマだけで考える時代ではないからな。」

「ああ、ローマと同じ都市国家群が盟主ローマに従っていたというポエニ戦争時代はローマ市民になりたがるやつは少なかったが、今や地中海の主となったローマ市民になりたがる奴らだらけだからな。同盟市戦争も都市国家の市民をローマ市民と同じ権利をあたえることになったじゃないか。」

「そうだな。ローマの主権が広がり過ぎてきたからな。属州では統治が上手く行っているところはそこまでローマ市民に憧れている人はいなかったけどな。」

「おまえ、それはアシア属州だからだと思うぞ。アシアは豊かな地方だ。もっと厳しい環境の属州はローマ市民になりたいんじゃないのか?」

「そうだな、それも統治方法によってかわるんじゃないかな。」

「結局そうだろうな。属州総督を命じられた人次第なんだよな。ところでカエサルはこれからどうするんだ?」

「実はまだよくわからないからお前に相談にきた。」

2人は顔をあわせて笑いあう。

「そうだな、戻ってきて今すぐ何かってのはさすがにむつかしいだろうな。」とキロが言う。

「俺のかわりにコッタ様の元にきて元老院を学ぶってのも手だが、スッラの法によってお前は公職につけなくなっているからな。それに今コッタ様もお前を連れて歩くこと自体がマイナスになるだろう。」

「ああ、そうだな。」

「そこは時間が解決するとして、やはりローマ市内で名をあげる方法を考えるべきだな。」

「私もそう思う。」

「カエサル家の家長が商人をやるわけにもいかないな。弁護士か、お前のクリエンテスの支援をするか、

じゃないかな。」


それからも2人はさまざまなローマでできる仕事の話をしつづけた。

ひと段落してもまったくまとまらないので、キロがカエサルに言った。


「お前はどうやって権力の中枢にいけるかを考える。俺はコッタ様のもとで仕事に励み、権力を学ぶ。」

「ユリウス氏族とアウレリウス氏族が親しいことはみな知っているだろう。お互いに繋がりを増やして、たとえばお前が元老院議員になったら、俺は護民官を目指してもいい。そこでお前の意にそった法案をだしていき採択を進めるなんていうことをするんだ。」

「なるほど、それはよいな。しかしスッラの法案で私は公職に付けないことになっている。」

「お前が元老院議員の資格の30歳になるのはまだ8年も先の話だろ。それまでに法案を廃案にもっていくんだよ。そこまではお前も下働きだ。もしかしたら一時的に俺が偉そうな感じにみえても嫉妬しないでくれよな。」

「もちろん、キロを疑うことはないさ。とりあえず状況もわかった。会う時はここだな。私は当面楽しく

やっていくよ。何か仕事を考えるさ。」

「ああ、じゃあまた時期を見て会おう。」

「ああ」

と言って2人は別れた。

キロは帰り際にダインやジジとも話をして笑いあった。


キロと話をすることで現状を再確認したカエサルはローマでどのようなことをしていくのだろうか?

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