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国軍・聖教会連合軍/彼の秘密の家

【国軍が】


 私の開拓村。

 どんどん人が集まってくる。

 今、千人ぐらいいそうだ。


 だけど、ちょっとやりすぎたようだ。

 大賢者派なる教会。

 免罪符も聖札も寄進も不要とした。

 しかも祈りだけで神のもとに召される。


 そりゃ、旧教会が怒るに決まっている。


 飲酒も妻帯も許している。

 禁酒とか独身とかを守っている教会はないんだけど、

 実に汚らしいと非難されている。



「よし、みんな配置についたな」


 教会軍がこっそりと開拓村の四方に展開する。

 魔法師軍を中核とする1万人の軍勢。


 対して開拓村は村人千人。

 まともにぶつかってもオーバーキル気味になるが、

 教会軍は大賢者ほんとはエミリの攻撃力を警戒していた。


 そこで取った作戦。

 遠方から彼女たちを無力化する。


「はっ」


「では、邪教徒に神の鉄槌を下すぞ!」


 旧教会が私達の村に攻めてきた。

 でも、直接攻めてこなかった。


 セイクリッドクロス。

 村の周囲四方に拠点を作り、

 魔法を発動する。



「教会軍が攻めてきた!」


「ああ、体が……」


 痺れてしまって、何もできない。


「(やりたい放題してきた罰かしら?)」


 私の意識が遠のいていく。



 そんなとき。


「おい、大変なことになっているぞ」


「これはセイクリッドクロス。聖魔法の大技だ」


「四方の拠点を同時に潰さないと、開拓村も消滅してしまう」


「念話通信、大丈夫か?」


「せーの、で同時に攻撃するぞ。各自、最大出力で敵を殲滅せよ」


「おお!」


 イケメン軍団だ。

 セイクリッドクロスの外側にいた彼らが駆けつけてくれたのだ。


「いいか、3,2,1、GO!」


「ドガーン!!」


 一瞬のことであった。

 拠点に展開していた魔法師軍団はあっという間に消滅した。


 同時にセイクリッドクロスも消えてなくなった。



「いいか、各自、自由に攻撃せよ」


 魔族たちは攻撃力も高いが、

 飛行魔法を心得ているため、

 空から一方的に敵を殲滅できる。


 対して教会軍は虎の子の魔法師軍団を殲滅させられてしまった。

 教会軍は空からの攻撃に対して無力だ。

 一方的に攻撃され、ほうほうの体で逃げ帰るしかなかった。



「エミリ、大丈夫か!」

 

 私が目を覚ますと、目の前にイケメンが。


「あれ、どうなったの?」


「もう、大丈夫だ!敵は去ったぞ」


 ああ、イケメンたちが私達を救ってくれたの?


「ありがとう……」


「いいんだ。ただ、ここは安全な場所じゃない。僕たちが外側にいたから助けることができた。でも、村にいたとしたら、君たちと命運を共にするところだった」


「え」


「とにかく、拠点を変えなきゃいけない。よければ、僕の候補地まで案内させてくれ」


 私はそのまま、イケメンに抱かれ、その場を飛び去った。



【彼の秘密の家】


 バーナが飛びながら、私にささやいた。


 バーナの理想の家。

 草原の中の一軒家。


 バーナは犬やネコなどのペットが大好きだった。

 彼らがストレスを貯めずに済むような環境。

 その答えが草原だった。


 草原には魔物も野獣もいない。

 奴らは森に生息する。


 うっとうしいことを言ってくる人間もいない。

 一番近い村落からは100km以上離れている。


 将来的にはそこに孤児を連れてこようかと。

 そこでのんびりと暮らしていきたい。



「私の夢と同じ」

  

 私はいつの間にかそう呟いていた。


「私も連れてって」


「今、連れて行く最中さ」


「家は白く塗ってほしい」


「白い家だよ」


「暖炉も」


「ああ、問題ないな」


「開拓村の人たちも」


「一緒さ」


 ワンちゃんも猫ちゃんも子供たちも多すぎるけど、

 私にも全く問題がないわ。


 朝4時には犬とネコが君の布団にのっかって、

 私を一心不乱に眺めている。

 彼らの朝ごはんを用意すると、

 庭では鳥の大合唱だ。


 周囲は私を慕ってくれる開拓村の人々の家が。

 広い草原だから、密集せずにゆったりと暮らしていける。


 私の考えていた未来よりも騒々しい。

 でも、それはきっと幸せな光景ね。


 あとは編み物。

 そう言えば、私編み物をしたことがない。

 どうやるのかしら。



 私は感無量だった。


 あの神様ハゲ

 私の希望なんてまるっきり無視で、

 随分とハードな場所に転生させられた。


 孤児院はいい記憶しかないけど、

 その後は随分と孤独を味わったりした。


 決して平穏じゃなかった。

 なんだか随分と荒っぽい真似をした気がする。


 でも、この地にたどり着いた。



「僕と一緒に住まないか?」


 真剣な瞳でそうみつめられた。

 

 あら。どうしましょう。


 でも、心は決まっていた。

 私の住む場所はここ。


 ◇


 今回で終了させて頂きます。

 長らくおつきあいいただきありがとうございました。



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