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死体回収業務は真似っこさん  作者: ⻆谷春那
CaseK.1 真似で救われる人生
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事後報告 Part.2

死体回収業務は真似っこさん

⻆谷 春那

CASEK.1

真似で救われる人生

事後報告 PART.2


「…果たして、本当に知りたい事なの?」

「えぇ。教えなさい。

…貴方の事は、『死体から記憶を回収する【怪人】』と、聞いているわ。

知ってるんでしょう?」

「…知って後悔するなら、知らないまま其の生涯を終わらせた方が、俺は良いと思うけど?」

「薄々勘付いてしまっている事。

もう、遅いのよ。」

「…ねぇ。俺は、ソルタントの真似をするために来たんだ。

お前を、慰めてやるために。

なのに、これは一体、どういう状況なんだ?

お前は、【外小国】の見た目を、嫌っているんじゃないのか?」

「別に?私は、【内強国】とか【外小国】とか、無意味だと思うわ。

…と言うか、貴方、気にしてるの?」

「一応は。」

「私は、貴方と話をしたいわ。

ソルタントの事は残念だけど、私は、本人から問いただす事は、したくない。

逆に、ソルタントとの会話―生前の、本物の彼との会話を、記憶を。

変に、塗り替えたくないのよね。

だから、貴方が。

客観的に、彼の最期を伝えて。

いや、伝えなさい。」

「…レディ・ワーガーネス。

お前は、本当に、傑物だ。

量産型の、他の貴族や反戦派とは、訳が違う。

お前は、本当に強い恒星だ。

他の者共は、惑星、いや、衛星なのにな。

…だからこそ、お前がこの時代に生まれた事が、残念。」

「…何が、言いたいのかしら?」

「お前は、影響力が有り過ぎたんだ。

少なくとも、目立ち過ぎた。

有力者が複数も居ると、何方の言葉が一番か、序列を付けざるを得ないだろう?」

「ワーガーネス家は、ただの男爵家よ。

何の権力も、持ってないわ。」

「関係ない。

理想を抱く者は多いが、それを口にする者は少数。

ましてや、実行に動く者など、妄想家を抜けば、どれ程残るか。

…お前の理想は、酷く現実味を持ち過ぎたんだ。

しかも、甘く、凛々しい。

…お前は、殺さざるを得ない存在へとなった。」

「…酷い話よね。

獣でさえ、複数のリーダーが仲良くやっている種も、居ると言うのに。」

「それはそれ。

これはこれだ。

…考えてもみろ。

徳を失った、為政者の側に、立ってさ。」

「…姉様も、

『立場を変えて考えろ』

って、口酸っぱく言うのよねー。」

「ミス(・・)・ワーガーネス、ね…。

あれも、中々の逸材。

…創世記か、終末なら、そのまま受け入れられたのだろうがな。

お前も、姉も。

…もう既に、体制が確立してしまった時代に生まれてしまった事が、本当に残念でならない。」

「どうして?」

「お前達は、既存のものを脅かす光だからだ。

徳を失った為政者。

その末路は、大体一つ。

『死』だ。権力を手に入れられ

なくても、新しい方は、

『残念でしたね。』

で終われる。

が、古い方はそうとはいかない。

先祖からのも含めた皺寄せ。

もし守って、勝ち抜いて、相手が先に死んだとしても。

『脅かされた』と言う事実は、子供達の未来を脅かす。

…分かるだろう、レディ・ワーガーネス。」

「…姉様も、褒めてくれちゃうの?

嫉妬しちゃうわ。」

「姉に?」

「何で?」

「え。じゃあ、誰に。」

「貴方によ。」

「…え?」

「姉様の良さを分かってくれてる人は、私とソルタントくらいだけだったのに。

酷いわ。」

「意外だな。

仲が良いんだな。」

「そうよ。私達は、仲良し姉妹なの。

姉様は、いつも変わった視点をくれる。

本当に、突拍子もないところを、付いてくる。

皆が気づかない事よ。

姉様の想像力は、素晴らしいの。

…ねぇ、いつまで話題を、逸らし続けるつもり?」

「…お前達姉妹は、両方とも、逸材だ。

ただ、太陽は二つも要らない。

どれだけ腐敗した、末期の恒星も。

自分の命を持たせる為に、お前達が一刻も早く、土に還る事を望んでいる。」

「それは、聞いたわ。」

「…だが、お前達は有名に、なり過ぎた。

お前達が居て困る存在も居る。

が、無くてはならない存在に、なってしまった。

一部の人間からね。

…お前は、理想家だ。

だが、あまりにも、理想にひたむき過ぎる。

姉は、心配りをしすぎてしまっている。

とても、手が足りない。

不要な事とは言わないが、ぱっと見、必要とは思えない。

人を、動かせない。」

「回りくどいわ。

本当に、何が言いたいのかしら?」

「レディ・ワーガーネス。

お前達姉妹には、社交力が足りていなかった。

それを補っていたのが。」

「分かっているわ。

…ソルタント、ああ見えて気が利くのよね。

あの禿デブ糞男の機嫌を、上手くとってたのよね。」

「…知ってたんじゃん。」

「だからこそ、分からないのよね。

誰が、私が狂って得するの?

禿?」

「ソルタントだ。」


「禿」とは、国王の事を指しているのだろう。

だが、それも茶番だ。




分かっていなければ。

モストロには、尋ねていない。




少しだけ、「少女」は伏目になる。


「ソルタントが、頼んだんだ。

あの、老婆に。

自身の死後、お前に薬を盛るために。」

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