7話 清きエイユウ
──。
此処はとある街。
この街には化が不思議な事に依り憑かないそうだ。
何でも村人に聞くと。
〜昔々その身を封じてこの地から化を奪った〜
そんな伝説があるらしい。
昔は発達していた魔法技術は化が依り憑かなくなってきたことで必要無くなりどんどんと衰退していったそうだ。
──。
とある青年は今年16歳。
その青年は横柄、そして傲慢でした。
この街の伝説。
それを暴き自らの手でこの街を支配してやる。
街の中心地。朱と碧の祠がある。
何でも朱の祠に自らを封じた後に朱の神様が寂しくならない様に碧の祠に相方が自らの手で封印したそうだ。
自分の欲望の為に朱の祠を開ける。
バッ──。
朱の祠から闇が、碧の祠から耀が漏れ出す。
「うっ──。」
闇と耀がそれぞれ頭と脚に纏う。
そして馴染んでゆく。
手鏡を見ると片目が朱く、もう片方は碧く染まってゆく。
その時気付いた事があった。
明らかに身体が軽いのだ。
闇と耀が入り乱れ極普通だった青年の体に変化が起きる。
身体能力が爆発的に上昇する。
それはこの世に跋扈している魑魅魍魎ですらも凌駕する程のものだと瞬時に理解する。
だが何か可怪しい。
まるで兵隊の行進の如く地面に走るこの轟。
ふと街の境を見ると化が急に大勢攻め込んで来ようとしている。
青年は自らの今の力を試したく思う。
怖気付いている街の人達の前に立つ。
青年の朱の片目を見た時に街の人々はまた一歩後ろへ下がる。
依り憑いてくる化達を薙ぎ倒してゆく。
朱の目で怖気付き目を合わせようとしなかった街の人達も次第には自らの身体で勇敢に戦う青年を見て理解を示してゆく。
それと同時に皆を救う喜びに青年は気付く。
村人は自己を犠牲に化に勇敢に突っ込んで行く彼の事をエイユウと読んだ。
その街では直に朱の片目は勇気の象徴になった。
自己の力で街を救い、己だけがこの世の全てと思っていた傲慢な青年は自らだけが全てじゃないと知る。
彼の心は清く正されてゆく。
もう旨味の無い清い心を持った青年。
最もエイユウへと近付いた彼は。
───清き、エイユウ───
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