1話 キミはどうする?
ここは竜や獣等の化が跋扈する世界。
そんな化から身を守るために人類が魔法を使えるように進化した遠く遠くの未来、あるかもしれない未来の世界。
そんな世界でただ唯一の化が依り付かない「不依村」という場所があった。
不依村に偶然、運良く生まれた”キミ”はとっても大切に育てられました。
キミは優しく、人一倍正義感の強い子に育ちました。
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キミの十五歳の誕生日、村で何故か居る訳もない化が出たと放送が入った。
村の人々が総出で何とか化を追い返すことが出来ました。
不依村には戦える人がほぼ居ないが故に化を一体追い返すだけでもボロボロだ。
キミは疲れたと言って周りの景色を見た。
何かが可怪しい。
村の境、その奥にある山、キミは見てしまった。
山に登る土煙を。古代の絵本で見た戦闘機や戦車の様な化、藻掻き蠢き絡み合う化物が。
「嘘と...言ってくれよ?」
もう無理だ、諦めるしかない。
キミの後ろでざわめき始める他の声、悲鳴の響き、声が出ない者も居た。
「僕に、何か、出来ることは無いのか?」
キミはハッと思い出す。この村の伝説を、この村が不依村である理由を。
〜神竜此処に封じる、他の化は恐れ慄き近づかぬだろう。不依村、此処に。〜
「そうだ...僕が行かなきゃ...」
〜山の頂、この地に封ずる〜と書かれた木の板。
いかにも怪しい祠がある。
キミは祠の扉を開けた。
風が入り込む。
禍々しいとも神々しいとも取れるような眩い光が瞬時に広がる。
眩い光にキミは目を細めその場に蹲る。
目を開けた時キミは咄嗟に化が居た方向を見る。
「化が...消えている?」
ホッとしたのも束の間キミの目や口に光が入り込む。
伝承には続きがあった。
〜神竜の助けを貰いし者は自らに業を賭けよ〜
キミはそんなことも知らずみんなの元へ戻る。
此方を見た時みんなの目が変わる。
何故、どうして、そんな恐れた目で僕を見る?」
手鏡を手に取り自らを見る。蒼く、澄んでいた筈の目は朱く少し黒く濁っていた。
この世では朱の目は化憑きと言われ恐れられている。
それを見ただけで袋叩きにされる避難民を何度も見てきた。
その特徴である朱の目が今、手の内に反射している。
石が投げつけられる。
どうして。僕は村を救ったのに。キミの正義感がキミを縛りその価値観がキミを辛い現実で蝕んでゆく。
だがたかが十五歳の子供が大人に敵う訳もなく。キミは逃げた。
ただひたすらに。その村から。
キミの後ろ姿は実にワクワクを誘ってくれるものだったと思っているよ。
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