子も学ぶ。
最近、多忙です。
帰って寝たら出かけるを繰り返し、中々更新ができません。
合間合間を縫って更新していますが…最低二日に一度を守れていない。
もう暫く、遅れる事が多くなると思います。
食事を終えた夜夢を寝かせるため、夜夢を抱き上げ私の寝室へと行こうとすると家が少し揺れました。
「地震…ですかね?」
この地域で地震は珍しいです。
全く無いというわけではありませんが、滅多に起こることでもありません。
少し気になった私は、とりあえず家の外へと向いました。
玄関へと近づくと隆様だけではなく子供達も玄関の外へと集まり何かを見上げています。
「何かあったのですか?」
「ん?いや、黙示が家の拡張をしているんだ。
いきなり揺れて驚いただろ」
うとうと船を漕いでいる夜夢を見て、顔を少し綻ばせた隆様は説明をしてくれながら視線を上へと向けました。
気になった私は、玄関から出ると隆様の視線を辿り見上げます。
「…どうすればこうなるんですか………」
視界に入ったのは高く聳え立つ塔…でしょうか。
隆様の家から伸びた大木が削られ切り抜かれ、塔の様に伸びています。
屋根の上には黙示様が立ち、塔の側面に触れていました。その近くに千秋とマーリンも居ます。
何か会話をしている様なので聞き耳を立てると、三人の会話が聞こえてきました。
「どうですか?」
「すごい落ち着く感じがした」
「私もだ…なんだろうか、母さんに抱きしめられた時の様な…」
三人の会話を聞いて隆様達を見ますが、千秋とマーリン以外にはそんな事は思ってい無さそうです。
「あながち間違っていませんね。
これは、エルフの特別な魔法。秘伝の魔法と言えばいいのでしょうか…エルフ族達が口伝でしか教えない'樹木魔法'です。
ハーフエルフのお二人は、血が覚えているのでしょう」
「エルフの魔法」
「つまり、それが使える黙示さんは、ハーフエルフかエルフなのか?」
「いいえ、僕は人間ですよ」
少し驚きました。
千秋とマーリンは、小さい頃は成長が早いなと思いました。そして、最近では衰えず維持される外見に少し疑問を持っていたのですが…なるほど、ハーフエルフでしたか。
この家には、種族もバラバラな子達がくるので珍しいことではりませんが、千秋とマーリンがハーフエルフと知ったのは今が初めてです。
ハーフエルフの情報は、黙示様と隆様から聞いたことがあります。
外見は人間とほぼ同じで、エルフの様に耳などに違いが現れる事は無いそうです。
ただ、人間との違いは成長速度にあり、幼少期は急速に成長し十年程から緩やかに成長していく様になる。
それは二十までで、そこからは外見的衰えが人間に比べ圧倒的に遅くなるそうです。
長命のエルフの血がそうさせているらしく、人間の姿のままでエルフと変わらぬ月日を生きられると黙示様が教えてくれました。
もちろん逆の場合もあるらしく、人間と変わらぬ寿命でエルフの特徴を持っているハーフエルフもいるそうです。
ちなみに隆様は、エルフは胸が大きいとか、いい匂いが醸し出されているとか教えてくれました。
「隆様は知っていましたか?」
「え?何が?」
「千秋とマーリンがハーフエルフということです」
「あぁ…本人からは聞いてないな。
薄々気付いてはいたよ。黙示がハーフエルフの話をした時に千秋達は反応はしてたしな」
「よく見ていますね」
「観察するのは性みたいなものだ。
変化を見逃してちゃ、進化はできないからな。
他の連中がどう思っているかは知らんが、俺からすれば、この世界は楽しくて仕方がない。
魔法という非科学的と言われた存在がある。俺は、それに対する様に言われた科学を研究していた男だ。
だけどな…当時から思っていた。
魔法だろうが何だろうが、世界に非科学は存在しない。元の世界で物理法則を覆す様な働きをするモノが見つかれば、俺達は必死こいて科学の枠にそれを収めようとしただろう。
そう、新しい力の存在が見つかれば、俺達の世界は'例外'なんて言葉を使って科学的現象の一つにしただろう。
魔法は非科学的じゃない。新しい科学の一つだ。
俺は、この世界で初めて魔法を見た時にそう思った。そして、黙示もそう思っていたらしい。
俺は、そう思うだけで終わったが…黙示は違ったらしい。
この世界でアイツと再開できた時、アイツはどういう原理か魔法を使ってみせた。
そん時にあいつは俺に言ったよ。
仮説を立てるなら、この世界は様々なモノが混ざっている世界でしょう。そして僕達は科学と言う力を持っている。
他の世界では、魔法や霊力なんていう別の力を持っているようです。
どうやら、一つの力を保持していると別の力を振るう事はできないようです。そうなると科学の出番ですよ。
魔法は現象を制御、再現できるようです。なら、過程と結果を制御する科学と似ていますし相性はかなり良いと思います。って
珍しく楽しそうな黙示を見て、俺も色々と考えたよ。
他にも色んな力があると黙示は言っている。アイツが何を見てきているのかは知らないが、何かに執着しているアイツを見ると俺まで楽しくなる。
だから、ここはどんな奴でも受け入れると決めた。種族毎に違う所もあるだろうが、規律さえある程度決めれば俺達は共存できる。
共存すれば、俺も黙示も…そして、茜も色んなモノを吸収して変わっていける。
何より、楽しいだろう?」
脱線している話しを戻そうとしない隆様。
隆様は、本当に楽しそうに笑いながら話してくれます。
いつも隆様は楽しそうで、それを見ていると私も楽しいと思えます。
「えぇ、私も新しい知識が楽しくて仕方ありません。
でも、千秋とマーリンがハーフエルフだと知っていた事を黙っていた理由にはなりませんね」
「ははは!流されてくれんかったか!」
隆様が困ったように頭を掻いて笑っていると、降りてきた黙示様が怪訝そうな目で隆様を見て言いました。
「次は地下を作ります。
上のベースは作りましたが、僕は美的センスが皆無なのでドワーフの方々にでも頼んでくださいね。
それが終わったら、少しだけ千秋ちゃんとマーリンちゃんをお借りします」
「ほほぅ…黙示はハーフエルフが好みか」
「手合わせを頼まれているんですよ」
にちゃっ…と擬音が聞こえてきそうな笑みの隆様を、呆れた様子で流す黙示様。
その後ろには、以前黙示様が持ってきた刀持っている千秋と薙刀を持っているマーリン。
なるほど、黙示様が来る度に二人は手合わせを頼んでいたのですね。
昔、近くに住んでいる男性同士が始めた喧嘩を二人が止めた事に驚いた事がありましたが…そうやって戦い方を学んでいたのですか。




