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混世界  作者: 慧瑠
彼女が見た夢
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初めて得た欲。

先に出ていった黙示様の後を追う様に、隆様が先導していく後ろを私は歩く。


初期の頃は把握していた隆様の家は、私が把握していない場所の方が多くなるほどに広がっていたようです。


「隆様、随分と家を拡張されたのですね」


「ん?あぁ…まぁ色々とな。

黙示に交換条件として拡張をしてもらってるよ」


「黙示様にですか?」


「そう、黙示に機材を貸す変わりに家の拡張してくれって頼んだんだ。

黙示はな、ある程度の事ならそつなくこなすタイプなんだよ。熱中できるものが無かったから、探すために色々と手を出してみたんだと。


その結果、ある程度の事ならできるようにはなったけど、結局熱中できる事はなくて流れ流れて俺と同じ研究室に来たらしい。

今は、何かに必死になっているみたいだからな。良き先輩として俺も協力してやりたい。

俺も拡張の手伝いを頼みたかったし丁度よかった。


それにな…ここだけの話しなんだが、黙示は俺の事を大切な友人ぐらいには思ってくれているようだ。

ああいうタイプの人間は、そういう人間の為にはちょっとの無茶ぐらい平気でするから気を付けないといけないが…そう思ってくれて嬉しい限りだよ。


しかしまぁ…黙示の興味を惹いているものは何なのかは知らないから気になる所ではあるな」


「聞いたりはしないのですか?」


「あのツンデレ仏頂面の可愛い後輩が、素直に教えてくれると思うか?」


「…これまでの記憶から、その可能性は低いと考えられます」


「そういうこった」


今回の話で、何故家が拡張し続けているのか。隆様が何故黙示様に機材を貸し出しているのかが分かり記録していると、隆様が足を止めました。


「さて、茜は初めての外だな」


「はい」


目の前にある大きな二枚扉。

こんな扉まで出来ているとは思いませんでした。


きっと、私の反応を期待しているのでしょう。イタズラをする時の子供の様な笑みを浮かべた隆様が私を見ながらドアノブに手を駆けています。


……早く開けてはくれないのでしょうか。


「今、早くとか思ったろ」


「はい。思いました」


「こういうのを焦らしプレイと言うんだ」


「先輩、何を教えてるんですか…」


ニヤニヤとしていた隆様に、もう片方の扉が開き、呆れた黙示様が顔を見せ言いました。

どうやら、扉の前で待っていた様子、そんな時に隆様の言葉が聞こえたようです。


「重要な知識だ」


「不要な知識です」


「なにをっ!相手の心理を乱し自分のペースに引き込む術を不要と言うか!」


「どんなに実用的に言っても、先輩の趣味性癖の暴露にしか思えませんよ」


「やれやれ、理解できないとは…生意気な後輩を持つと大変だな」


「人使いの荒い変態な先輩を持つと苦労します」


そんなやり取りをしながら二人は扉から出ていき、私を手招きしました。それに従い導かれるままに扉を越えた私は初めて外を見る。


「…」


視界から入る情報量の多さ。

延々と続くエラー。

同時に私の中を満たす何か。


処理などが追いつく前に、私は言葉を出していた。


「綺麗…」


そこから私は機能を最大限に使い情報を処理していく。

だが、処理など追いつかずにエラーばかりが私の容量を埋めていく。


「いい反応だ。


綺麗だろ?何が生きようと、世界が荒れに荒れ廃れていこうと…世界は綺麗なもんだ。

汚れ壊れていくなかで綺麗なもんだ。混沌としても幻想的を体現している。


たった一瞬でも、その一瞬を作り出す世界は綺麗だよな」


「何をカッコつけて言っているんですか」


隣では難しい事を言っている隆様と、小馬鹿にした笑みを浮かべる黙示様が話しているが…私は初めて見る空に大地に生命が生きている様に見惚れていた。


そうしていると影が差し、釣られるように頭上を見上げると巨大な何かが飛んでいる。

情報を整理しながら、それの存在を認識していると隆様も空を見上げソレを教えてくれた。


「あー…飛竜か」


「あれは、レッドドラゴンの幼体ですね。

基本的には温厚な種の様なので、鑑賞する分には安全ですよ」


「よくまぁ、知ってんな」


「えぇ、色々と調べたので」


黙示様が教えてくれた事を既存の情報に追加して記憶する。


隆様は黙示様の知識量に関心しているようです。私も黙示様には驚かされます。

知らないことは無さそうなほどに博識な黙示様。

私が持っている情報には無い食材なども、味や調理法を教えてくれます。


そして、私はもう一つ現状に驚く事がありました。


「人が集まってきています」


見上げていた視界を下ろせば、点々と木造や石造りの家が建ち始めていました。

そこには、建築途中のモノもあり人々が動いている。


まるで、隆様の家が中心となっているように家が並び、人とは言い難い容姿の者達も見えます。


「結構、集まってきてるな」


「まぁ、この辺ではココが一番安全になっていますからね」


「黙示…何かした?」


「いいえ、何も。

僕は僕の事をしていただけですよ」


含みのある言い方。いつもの黙示様。


少し驚き気味の隆様と違い、見慣れているのでしょうか…。黙示様は、興味無さそうに動く者達を見ていました。

それでも私は、視界から得られる情報に惹かれていく。


それは、私は何かを知っていました。


知識欲。


私が初めて認識した欲しくて求める欲望でした。

初めて感想をいただきました。

私の理解力が足らず、正確ではないかもしれませんがショックを受けるものでした。

同時に、初めての感想ということで嬉しかったです。不謹慎ながらウキウキしました。


どんな内容であれ、読んで頂けたという結果は嬉しいです。

これからの成長できるよう糧として受け止めていこうと思います。


改めて、本当に感想ありがとうございました。

どうぞ、こんな私ですが今度もよろしくお願いします。



書きながら、ふと思いましたが…雑像チャプサンってもしかしてチャブター3の略なのでしょうか。

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