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やらかしていた男子ぼちぼち頑張る。  作者: ぐっちょん


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第179話

ブックマーク、評価ありがとうございます。

翌朝


「タケトくん、おはようございます」


 可愛らしいリュックを背負い、両手に男性服専門店あゆの紙袋を下げたマネージャーの中山さんが笑顔で挨拶してくる。


「おはようございます」


 中山さんは、鮎川店長の店から今日の収録で使う俺たち武装女子の衣装を昨日のウチに受け取ってくれていたのだ。


 しようと思っていたことを先に動いてくれるから中山さんはとても頼りになる。


「今日の衣装ですね。ありがとうございます」


 お礼を伝えつつ、少し早い時間なので中に入ってもらう。


「いえ、これは私の仕事ですから大丈夫ですよ。あ、失礼します……それでタケトくん、鮎川店長さんが、宣伝、お願いね〜とのことで、こっちが賄賂だそうです。

 ふふ。お主も悪よのぉ……」


「いえいえ、お代官様ほどでも……って何言わせるんですか」


「あはは」 


 中山さんもミルさんと一緒でオンオフがはっきりしている。いまはオフモードだね。


 中山さんが両手に持っていた大きな紙袋を受け取りつつ中を覗くと、2つの内の1つに、俺好みのお菓子や飲み物がたくさん入っていた。これが賄賂か。


「これはまたたくさんだね」


 それだけ宣伝を頑張れってことだろうね(遠い目)。


 つい先日、鮎川店長は念願だった自社工場を手に入れた。

 どこかの縫製工場を買収したらしいんだよね。


 だから鮎川店長は張り切っている。めちゃくちゃ張り切っている。テンションが高すぎてこっちが心配になるほどに。


 でもつい最近、夏物の服や水着の撮影をした時に失敗したのは俺の方なんだよ……


 なんていうか、うっかりしていたというか、あの時は考え事をしていて、ラッシュガードは羽織ったけど、チャックをしないまま撮影現場に出てしまったんだよね。

 そうしたら、ミルさん以外、サキたちやスタッフのみんなが一瞬で赤面からの倒れた。


 俺も突然のことにびっくり。更衣室の外で待機していたミルさんがすぐにチャックを締めてくれたけど一足遅かった。


 それで撮影時間が2時間ほど伸びたんだけど、その分の報酬はキチンと上乗せされていて、ほんと申し訳ないというか悪いことをした……


 でも俺が何か言っても、俺たち武装女子のおかげで好調だから気にしないでって言われてしまう……


 あと眼福だったとか、ラッキースケベって本当にあるのねとか。

 スタッフさんたちは青い顔をしていたけど、たまに出るおっさんみたいな発言も店長らしくて俺は好きだな……


 見た目は綺麗系でカッコいい(モデルをしていた)のにギャップがすごいからかな?


 そんな鮎川店長だけど、実は社員やスタッフさんにはかなり慕われているんだ。

 特に最近モデル兼店員さんとして入ってきたカスミさん。


 鮎川店長にお世話になったらしいけど、早く役に立ちたいからと頑張っている姿は俺も刺激を受けた。俺ももっと頑張ろう。


 男性服や男装用の服といえば『モチベート』だと言われるが次の目標らしいから、専属モデルの俺たちももっと宣伝しないとな……


 というようなこともあり、今回、収録用の衣装を新調したんだよね。鮎川店長曰く渾身の出来らしい。


「綾さん、おはようございます。今日は私の我儘で着いていくことになってごめんなさい」


「いえいえ。香織さん大丈夫ですから気にしないでください。私はご一緒できてうれしいですよ」


「綾っちおはよう」

「あやちはよ〜」

「中山様、こちらにどうぞ」


 香織さんとネネさんと花音ちゃんとかるく挨拶を交わした中山さんがソファーに腰掛ける。


 中山さんは家に何度も来ているからみんなとも仲良しだからオフモードだと遠慮はない。それがいいんだけどね。


「いつ見ても不思議な光景ですよね」


「なになに? 妊婦が2人も男性と一緒に生活してることを言っているのかな? それとも花音のこと?」


「そうですそうです。そのどちらもです。なんかいいですよね〜憧れます」


「妊娠したら帰省するのが常識だからね。それに男性が子どもを抱っことかありえないってね。にしし、ウチは特別だよ……」


「そうね。ふふ、すごく幸せよ」


 と言ったような会話をした中山さんとネネさんと香織さんから熱い眼差しを向けられているとは知らずに俺は花音ちゃんを抱っこしながらゆらゆらあやしている。


 いつもならまだ寝ている時間だから花音ちゃんは眠いのだ。


「ふんふんふん♪」


 適当な子守唄を歌いながらゆらゆら揺らす。ネネさんが妊娠してからは、俺とミルさんが抱っこをすることが多くなり、今では自分から抱きついてきてくれるから可愛いんだ。


 しばらくすると、新山先生がサキたちを乗せて家に到着。ミルさんが、リビングまでみんなを通してくれたけど……


「「「「「おはようございます」」」」」


 久しぶりに俺の家に来たみんなのテンションがとても高い。


「わー香織さんとネネさんのお腹」

「大きくなりましたね」

「いいな」

「ななこ、私たちはまだ学生だから、ね」


「はいはい。立ってないで座りなよ」


 出発までまだ少し時間があるので、みんなはお腹の大きな香織さんとネネさんの周りに集まっていた。


 お腹が目立つようになってから初めて会うからね。興味津々ってところかな。みんな大きなお腹をじーっと見ている。

 でもなんでソファーの上で正座しているのかな?


「野原先輩お久しぶりです」


 少し遅れてリビングに入ってきた新山先生だけがちょっと緊張している感じに見える。


 予想よりも大きなお腹の香織さんを見て驚いているのかな? 安定期に入っているとはいえ心配になるよね。俺も心配だもん。

 なんてことを考えていたら。


「久しぶりねミカ。今日はよろしくね」


 香織さんが声をかけたかと思えば、立ち上がり新山先生を連れてリビングから出ていってしまった。


 ——?


 2人は学校時代からの仲(先輩後輩)だから積もる話もあるのだろうね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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