表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無自覚な初恋とこじらせ初恋  作者: 阿衣真衣


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/16

10.一緒に帰る…?

―麻琴Side


(ちゃんと30分はいたし大丈夫でしょ…)

兄に強制的に連れられ、してもいない兄との約束を守り、サッカー部を30分見学した。

(一応、家帰って何も言われないように、30分いたという証拠を残しとくか…)

グラウンドを走る兄の写真を一枚撮影し、帰ろうとカバンからイヤホンを取り出し、プレイリストを再生。石段から立ち上がる。


門を出てしばらく歩いていると、後ろから視線を感じた…

気のせいかもと思いながらも、どうしても気になり歩きながら振り向くと、10メートルくらい後ろで自転車を押して歩く柊斗(しゅうと)と目が合った。


(あれ? 朝陽(あさひ)くん一緒じゃないけど、もう見学終わったのかな? てかなんで、自転車乗ってないんだろう…)

目が合ったので、とりあえず軽く手を振り前を向き直す。


(それにしても、今日は柊斗と顔合わせること多かったな~ 今まで委員会も一緒になったことなかったのに、一緒になったし。昼休みも隣の席に座ったし、お兄ちゃんに無理矢理連れて行かれたけど見学まで一緒に行ったし… それに…もし、仲のいい幼なじみだったら、こういう時一緒に帰ったりするのかな……)

チクッ―… (まただ…)

いつからか “仲のいい幼なじみだったら”と考えるたびに胸がチクッと感じるようになった…


家まであと15分くらいのところで信号待ちをしていると、いつの間にか追いついた柊斗が右隣に立っていた。

(―…えっ わざわざ隣に立つ? 話しかけた方がいい? でも何て話しかければ… それとも気づかなかったってことにする? ん~せめて、ゆづが居てくれたら……)

そうグルグルと考えていると…


「おつかれ」

イヤホンで音楽を聞いていても、その声はハッキリ聞こえた…


―柊斗Side


自転車だとすぐに追いついてしまい、追い越すのはもったいないと無意識に降りてしまった。

自転車を押しながら自分の行動を客観的に見て、

(こんなって後ろ歩いたらガチでストーカーじゃん…)

そう自分に突っ込んでいたとき、前を歩いていた麻琴(まこと)が振り向いた。


一瞬何かを考えたような顔をしながら首を傾げ、戸惑ったような表情で手を振る麻琴。

(手振ってくれたけど、やっぱ変に思われたかな… 自転車押してるし… 家までまだ少し距離あるし、このまま押して帰る?乗って帰る? どっちが正解なんだー?)

考えながら歩いていると、一定距離を保とうと思って気を付けていた速度が上がってしまい、いつの間にか信号待ちで麻琴の隣に立ってしまっていた…


(しまった…… 隣に立つつもりじゃなかったのに、完全にやらかした… どうする… 前向いてるから、気がついてない可能性もある。でも気づいていたとしたら、気まづいよな… でも、話しかけるにしても何て言えば…)

チラッと目線だけ動かすと、麻琴が下唇を噛み、目を閉じて首を軽く傾けて、考えごとをする時の顔をしていた。


(これ、気づいてるな。 …よし!)

「おつかれ(聞こえたか?聞こえていてくれ!)」

顔と声は平然を装っているが、内心はドキドキしていた。


「…お、おつかれ」

(聞こえてた~)ホッ

見上げる顔は驚いた表情をしていたが、返事をしてくれてほっとしていると、信号が青になり歩き出す。

「(よかったー あ~このまま…)一緒に帰れたら…」

「ごめん。今何か言った?」


(今、口に出してた…? 何も言ってないって言ったら、もう話せないよな…)「いや、何聴いてるのかなと思って…」

何とか会話をしたくて振り絞った一言…

「あぁ、Haruっていうアーティストの新曲だよ」

「それって、先週リリースされた?」


麻琴がHaruを好きなことは知っているので、全曲聴いているし新曲ももちろんチェックしている。

「え! 知ってるの?」

パーッと嬉しそうな麻琴の笑顔に、胸がきゅーっと締め付けられる。

(可愛すぎないか!? はぁー曲聴いててよかったー!)

少しでも接点が欲しくて、麻琴が好きなもの、興味があるものなどの情報を周りから聞いてチェックしていたことは、今このためにあったんだと実感した。


そこからHaruの話で盛り上がり、麻琴のキラキラした笑顔が自分に向けられるたびに、跳び上がる心臓、赤くなりそうな顔、緩む頬を抑えるのに必死だった。


(本当にHaruが好きなんだな~ 一緒に帰れてマジでよかった! 幸せすぎる)

麻琴の楽しそうな様子を見ていると、あっという間に家の前に着いた。

(もう終わりか…それにしても、こんなに話をしたのはいつ以来だ…)


「一緒に帰ってくれてありがとう。まさか、柊斗がHaruを聴いてくれているとは思わなかったから嬉しくて、私ばっかり喋り過ぎちゃった… 委員会も一緒だし、改めてよろしくね。 じゃあ、また明日…」

手を振り、アパートの階段を上がろうとする麻琴。

(はぁ…せっかく話せたのにな…)

名残惜しく麻琴の後ろ姿を見ていると、麻琴が何かを思い出したかのように、急に振り返りトコトコと近づいてきた。

(? 何だ?)

「あのさ、ライン交換しない?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ