盛り上がる夕食会
その日の夜。
伝説の画商イロハ・ラ・ムーの屋敷では、夕食の席が設けられていました。
イロハ・ラ・ムーに、えらく気に入られた勇者アカサタ(と、ついでに女勇者ハマヤラ)は、夕食会に招待された上に、この屋敷に宿泊することまで許可されたのです。
夕食会は、大いに盛り上がりました。その主な話題は、もっぱらエロ関連に限られていましたけれど…
「勇者アカサタ君、君はおっぱいやお尻にこだわり過ぎているね。女性の美しさというのは、それだけではないのだよ」
伝説の画商イロハ・ラ・ムーが、こんな風に切り出すと、勇者アカサタも負けじと返します。
「いや、やっぱり、おっぱいですよ!おっぱい1つを取ってみても奥が深いのです。女の人の数だけ、おっぱいの種類がある!そう言っても過言じゃないっす!」
「ま、確かにそれは一理ある。1つの道を極めるというのは、それはそれで1つの方法だ。画家の中にも、そういうタイプはいてね。それで一流の領域まで到達した者もいる。だが、その過程で、様々なジャンルや手法・タッチ・道具などを試していたりもするのだよ。そうして、最終的に、その画家特有の描き方へと到達する」
イロハ・ラ・ムーと勇者アカサタの2人で話は盛り上がっていますが、夕食会に同席している女勇者ハマヤラや商人たちは、完全に置いてけぼりです。カチャカチャと、ナイフやフォークと食器が触れ合う音だけが、その場に響きます。
そんな雰囲気に気づく様子もなく、勇者アカサタは続けます。
「なるほど。最後の最後はおっぱいに戻ってもいいので、もっといろいろ女の人に触れてみろ!と」
「その通り!足首・ふくらはぎ・うなじ・耳・てのひら・指…どこを取っても女性というのは美しいものだ。髪の毛1つにも個性がある。その長さや色はもちろんのこと、質感・太さ・ツヤなどなど。髪の毛1本見ただけでも、女性の年齢がわかったりもする」
勇者アカサタは、真剣な目つきをして頷いています。
「フムフム」
「お尻やおっぱい・太ももだけを見ているようでは、まだまだ甘い。別の部位も眺め、もっと繊細さも磨かねばならん」
「勉強になるっす!」
「それだけではないぞ。女性というのは、外見だけを眺めていても、その真の価値を理解できたりはしない。当然のコトながら、その中身も重要になってくる。君に、それが見抜けるかな?」
「中身…難しいっすね」
「女性だけではない。男性も同じ。人間だけではなく、全ての生物は同じ。あるいは、この星も、この宇宙も、その外側に広がっているであろう空間も同じ。全ての基本は同じ。外見だけでなく中身を見抜く能力が必要となってくる。それを極めていけば、いずれ真実を見極める目となるだろう」
「なんだか話が壮大になってきたっすね」
「勇者アカサタ君!君は、いい資質を持ち合わせている。その資質を磨き、極めるのだ!画商と勇者、我々2人の道は違えど、志は同じ。同じ先の世界、未来を見ているのだ!」
「わかりました!目指すは究極のおっぱいっすね!」
「ま、わかりやすく表現すれば、そうとも言えるな」
なんだか、話がかみ合っているのだか、いないのだか?よくわからないですね…
でも、とにもかくにも、2人が意気投合できたのは、よいコトです。
さらに、勇者アカサタが話題を変えつつ、話を続けます。
「おっぱいといえば、オレには壮大な夢があるんですけど…」
「ほうほう。壮大な夢とな?」
「はい。“おっぱい牧場”っていうんですけど」
「なんと!おっぱい牧場とな!」
「そうです!世界中のおっぱいを集めて、牧場を経営するんっす!で、牧場主は、そのおっぱいが揉み放題!!」
「揉み放題!世界中のおっぱいをか!」
「そうっす!世界中のおっぱいを!さらに、おっぱいプールというのもあって…」
「なんと!今度は、おっぱいプールか!」
こんな風に、夜遅くまで話の尽きない勇者アカサタと伝説の画商イロハ・ラ・ムーなのでありました。