管理カード
「管理カードはその人の情報がほぼすべて入っているカードです。
お金を銀行口座から下ろす際や身分証明を行う際にも、
他には交通機関の利用等いろいろな場面で使われます。」
「そうなんだ。」
あたしの世界でいう運転免許証みたいなもんかな。
「ですが管理カードはこちらの世界で製造されるものですから、
たぶんですがカエデさんのそのカードは使えないと思います。」
「え~。って驚いては見たけど、普通そうだよね。」
「はい。トランスレーターにもリーダー機能が搭載されていますので、本来であればこのようにすることで今の状態を確認することができます。」
そういうと女の子が自分のトランスレーターの辺りに、銅色のカードをかざした。
ピッ。
眼の前に、女の子の名前が浮き上がる。
「ラムさんって言うんだね。そういえば名前聞いてなかったね。」
「はい。このように管理カードには個人情報が詰まっています。」
一応あたしのも見てみようかな。
そう思いながらVポイントカードを自分の左耳の辺りにかざす。
ピッ。
「え?」
「え?」
「カエデの名前が表示されてるね。」
「使えるってこと?」
「はい。・・・そんなことあるんですね。先ほども言った通りこのカードではありとあらゆることができます。
お仕事をして稼いだお給料はポイントとしてこのカードに入り、現金を使わなくても各種支払いが可能です。
現金として持っておきたい場合にはリーダーから出力することもできます。」
直後ラムさんの目の前にポンと硬貨が一枚現れる。
いっくんがあたしの代わりに支払いをしてくれたあの硬貨だ。
「それっていくらなの?」
「これは1ナフタですね。管理カードの1ポイントが1ナフタです。」