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プロローグ 話は、数ヶ月前にさかのぼる。
薄暗い山中、今ここにいるのは、アンズ先生と私の二人だけ……。
と、全身びしょ濡れ、泥まみれになりながら、ぼんやりと考えている、ララサンシャイン社で料理本の編集を担当している、花森詩音。
目の前では、若手料理研究家のアンズ先生こと浅野杏子が、その濡れた体を山中の川沿いに横たわらせたまま、ピクリとも動かない。
花森自身は、頭から血を流しながら、その痛みに耐えつつ「これからどうしたらいいんだろう」と必死に考えるのだった。
この話は、数ヶ月前にさかのぼる。




