『狂った世界にようこそ』字コンテ
『狂った世界にようこそ』字コンテ
※動画作成のため、Wordで作られたものです。
セリフは太字で、鍵かっこなしに。
@から始まる行は、指示。
それ以外は、地の文。
A part:自殺志願安楽自殺
OP
注意書きの表示
排気ガスの漂う街中
サイレンの音が響いたり、工事の音がする。
気のめいるような、薄汚い路地を映す。コントラスト低め?または青のモノートン映像。
* 薄暗い室内
始めは真っ暗闇な室内。
蛍光灯が付けられ、明滅する。 蛍光灯の動作音
陰鬱な表情の刃沼がいる。病のためか顔色も青く悪い。
* 生きるのがつらい
@ 包丁を自分へ向ける。恐怖に震える手、顔には汗。
苦しいのはイヤだ。
@ 包丁を放る。
楽に死にたいもんだ、だが自分で それができる自信は ない。
生きるのがつらい な。
死を望むのに 自殺する勇気もないや。苦痛が怖く て。
小さな苦痛さえ
ほんの小さな苦痛さえ、今は耐えがたいほど大きな辛苦に感じてしまう。昔は平気だったのに。
だから、この体の慢性痛さえ、
弱い痛みさえ、
苦し…過ぎる。
痛み止めも効かないんだ。
むしろ、薬を飲んで、ますます体調が悪くなる。
PC
@ PCを起動する。刃沼はネットの海をさまよう。
@ PCを操作する音、ここから、時折、鳴らし続ける
『生きる権利』のみならず『死ぬ権利』があっても良い。
@ PC画面に「害骨研究所」のサイトが映っている。
自殺ほう助の合法化。
自殺志願者を、楽に死なせる施設が、あってほしい……!
それができれば――
無理に生かしたため、それを苦に、犯罪へ走ってしまうこともない。
それに、臓器も取れる。
@ PC操作音、止める
だけど……今の時代 私の望みは叶えられない。
自殺はダメだ、という前提が、根強い……
生きられる気力を持つ者ばかりでは、ないのに……
生きる気力を一度失い、それっきり回復しない、という謎の病を抱えた人間だって、いるのに……
@ ゲームやアニメのような世界に生きたい
@アニメやゲーム画面がPCに映される
ゲームやアニメを見ると、楽園のような空想世界に閉じこもって生きたいと、そればかり考える。
@ PCの画面が暗転する。ピシャンという冷たく哀しい効果音を鳴らす。
…………
@ 画面暗転。バン、という音とともに? あるいは、無音で静かにフェードアウト。
・ * 閉じこもり
@ 部屋の隅には、絞首用ロープがダラリと垂れている。
布団で寝たきり状態の刃沼。
働かなくなってから、どれほどたつかな……
もう貯金も尽きるころ。……もうすぐ、電気も止まる。水道も止まる。食料も尽きる。
……でも、どーでも…いいや。
@ 映す:卓上の紙幣と硬貨
まだ、買い出しに行ける程度の金はあるんだ。
@ 窓から外を映す。斜めスクロール。室内を横にスクロールして玄関ドアを映す。
でも、もう、出たくないな。
このまま、最期の時まで、……こうして、引きこもっていたい。
* 停電・断水
電気が止められた。
電力会社からの通知はなく、
突然だった。
唯一の生きがいであった、
ネットも、
これで終わった。
冷蔵庫の中身は生ごみと化していた。
うう……、寒い……。
送電停止の影響で、
暖房も止まった。
灯油は残っていたけど、
電気がないと動かない
タイプの暖房器具だった。
凍死も良いかも……と、思ったけれど、寒さは、結構、辛い、なぁ……。
それに、これくらいの寒さじゃ、病気で苦しみはしても、死ぬには遠い。
すぐに死なせて欲しいな。楽な方法で……、即死で………
私は……人間に、向いていない。
間違って生まれてきたのだと……、そうとしか思えない。
眠る
@ 顔色がさらに悪くなる
昔は、神も宗教も信じなかった。
今は、ワラをもつかむ思い。救ってくれるなら何でも良かった。
神に祈った。宗教に走ることも、今ならあり得る。
@ 目をつむり、動かなくなる
…………………………
@ 下記の文は画面中央に表示。
そのうち、刃沼は、考えるのをやめた。
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B part:人体冷凍
*「害骨研究所」
おぼろげな視界の中、誰かが、声をかけてくる。
「何か、欲しいものはありますか!?」
欲しいもの……、欲、か……
私は幼い時から、欲しいものが、あんまり、なかった。
思えば、「欲」は、「生力」につながっていたのかも、しれないな。
だとすれば、私は生まれながらに、生きる力は…………乏しかった。
欲しいものはある。だが、手に入らないものだ。
「未来のテクノロジー。身体改造技術…いや、完全な精神改造技術が、欲しい……。
精神を改造してくれ……@涙ながらに訴えるまなざし
」
「それが無理なら……
苦しみから、解放してくれ。
楽にさせてくれ。
楽に……、死なせて、おくれ……
」
相手は、じっと、押し黙ったのち、答えた。
「何とか……、何とか、しましょう。
貴方を、救ってみせる、から――
」
救ってくれるのか。そうしてくれるのか。嬉しい心意気。
「だが……、無理だ」 と、私の口から、こぼれた。
「無理じゃ、ありません。何とか……」
「死、以外に……、もう……、なすすべ、ない。
もう……ムリなんだ。
どうしようも……なかった、よ。
」
私の精神は…………違う、精神ではなく……、魂のレベルから、私は崩れていた。どう頑張っても、頑張れない。気力を振り絞るにも、一度失った気力が復活しなかった。
まるで……そうだ、「使い切りの精神力」みたいだ……。もう十年以上前に、使い切ってから、……あれから、生きる気力を失ったままでいる。ただ、生きている。いっそ、力を失ったと同時に、即死だったら、良かったのに。
*
目が覚めたとき、ハカセっぽい人がいて、こう云った。ハカセは若い女
「君の書いたものを読んだ」
プリントアウトした紙が、テーブルに広がった。
それに書かれている内容は、私がブログに書き綴ったものだった。
つまり、安楽自殺場についての内容だった。
ハカセ「ボクは、そのアイデアを、前向きに考えている」
「そう。だけど、そんなこと、知ったこっちゃないんだ。
私は、ただ、安楽死――苦痛なく楽に死ぬ意味での安楽死ね――
それすら、やってくれりゃ、もう、いいんだ。
この世界の、今後のことなんか、どーでもいい」
ハカセ、間を置いて、そっぽ向き、続きを云う。
「この地域は、独自の法体系を持つ――」
「そうかい」
「これからボクは、その方面の人たちと話を重ね、法律を変えてもらうつもりだ」
「そいつは凄いね」
「だから今はまだ、自殺ほう助は犯罪になってしまうんだ」
「んじゃ、もう、殺し屋でも探そうかな。非合法も請け負ってくれるとこ」
「ボクは、キミの味方だ」
「それは嬉しいね。だから、楽にさせて。
もう何もいらないから。
もう誰もいらないから。
言葉だって、もう飽きた。
」
「……そう、分かった。こっちへおいで」
*
「ボクはコールドスリープの研究もしているんだ」
「へー」
「コールドスリープっていうのは、人を冷凍保存するようなもので、ね――」
「知ってる。説明はいらない」
「このたび、コールドスリープの人体実験の許可がおりた。
もっと云うと、その際の、一時的な殺人についてもOKが出た」
「ほう……、つまり?」
「キミが、その被験者になるというなら、
ボクらは、キミを楽に殺してあげよう。
そして、未来に送る。
キミが次に目覚めるとき、そこは遠い未来だ。
それで良ければ、手を貸そう。
」
「OK」
「頭部のみの保存のため、斬首する。よいかな?」
「苦痛を感じなければ」
「そのときには、すでに意識は完全になくなってるよ」
「なら、どーでも いいさ」
*
イスに固定される刃沼。
後頭部に機械が取り付けられた。
「本当にいいかな?」
「さっさと、やっちゃって」
バツン――、とスイッチを入れた。
動作音。
「どうだろうか? 苦しくないかい?」
「んんんんんんんん、すごく、眠い…なぁ……
むしろ……、心地良い、よ……
」
目を閉じ、顔が青くなった。
「――よし。次は冷凍だ」
@フェード
「首の切断」
ズザン――
「胴体は、臓器提供に使う。頭は保存装置へ」
金属製の、程よい大きさのタンクに、頭を入れてしまう。
研究員「これで良かったんですかね。生き返りますかね?」
「必ず、未来には生き返る技術があるさ」
「でも、現代では、その技術はない、と」
「現代科学も現代医学も未熟。分かり切ったことさ。
さぁて、ボクは今度、安楽自殺場を造んなきゃ」
*
「おかえりなさい、ハカセ。……どうしました?」
「自殺場のプロジェクトは、ダメだってさ。許可が下りなかった」
「そうですか、やはり」
「色んなところと抱き込みながら交渉すれば、道はあるかもしれない。……でも、ボクには優れた交渉術なんて、ないからねえ……。腕の立つ交渉人が要る」
「あいにく、そう云う人に心当たりはありませんなぁ」
「そうだよねェ……、残念だな。需要はたくさんある施設のはずなのに。まったくもう……残念だ」
「まだ、その時代では、ないのではないでしょうか」
「そういうもんかな。
今なお、本能が邪魔して、死のうにも死ねず苦しみ続ける人たちが大勢いる。
そういう人たちに対して、『生きろ』とは、ボクは云えないね。ムゴい、よ。
」




