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『無の空間へ』

題:  『無の空間へ』、『雑無』

媒体:  漫画 → 挿絵入り小説


■思い1

「何もない、誰もいない空間に閉じこもりたい。」

ごくたまにだけ通常世界へ行き来するけれど、基本的には静かな無の空間に居たい。


■描き方

・観念的に描く。雰囲気や心・精神、印象を絵として表わす。現実的リアリティは無視。

・とても荒く、時に内容が読み取れないほどでも良い。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■シーン1:「日々の雑踏」

・主人公(以下、A)が、会社で上司に怒られている様子。内容は分からない。

  「何で出来ない!?」、「馬鹿じゃないのか!?」

・周囲は騒がし、うるさそうな様子。

・ダークで重苦しいイメージ、Aの周りに。


  *

・気付くと帰りの列車の中、項垂れた人々が多く乗り合わせる。その中で、おバカらしい連中が騒いでおり迷惑かけている。

・自宅、ボロアパートへ。

・ガラスに映る自分の、やつれた姿。 A、思わず涙が零れ落ちる。

・複雑、怪奇に身体が崩れたA(そのように描く)。

  「何もない、誰もない、ない、無だ。無が私の望んでいた。そんな気が。え、あ、うう……」

  とても空虚な表情に変化


  *

・辞表を出した。辞職願い。

  「辞めます」。

  「ああ、ヤメロ」、「だが、あと一月、引き継ぎはシッカリしてもらうぞ」。

  「……」

・翌日。布団に入ったまま、朝日が夕陽になるまで。

  TEL。しつこく電話。出る。

  「おいA、辞表出した次の日から、すぐに辞めれる訳ねえぞ?」

  「はぁ……」

  「大体、辞めるたって、他に稼げる当てがあるのか?」

  「はぁ……、いえ……」

  「なんだそりゃ? 次の仕事見つかるまで、貯金で食いつなぐのか?」

  「……金はありませんよ」

  「誰かに助けてもらう気か? 生活保護で養ってもらうつもりか?」

  「誰かに養ってもらわなくて、結構です……」

  「じゃあ、どうすんだ……?」

  「さぁ……」

  「考え、なしに辞めたのか?」

  「はぁ…………」

  「……辞表はまだオレの手にある。会社に戻ってこないか? お前を雇うとこなんて、他にないだろ?」

  「はぁ……、まぁ……、他でないかもしれませんね……」

  「じゃあ、来るんだな。明日、待ってるからな。来いよ。今、辞められちゃ困るんだ。」

  「…………」

  ガチャッ。ツー、ツー、ツー。

  「…………電話がある。誰と電話していたろう。」

  「お疲れ様」と云って、受話器を戻した。




■2:「どちらかが崩れ出す」

・冷蔵庫を開ける。ガチャコン。

  ぬるい空気と悪臭が漂う。

  「あれ。冷蔵庫が機能していない」、「そういえば電灯も機能しなくなった」、「今日は水道もか……」

・貯金箱を叩き割る。飛び散った破片が手に刺さり、血が流れるが、気にする様子ない。

  残りはXXXX円か。

  「……」頭部だけが地面に落ちて、云う。

  頭「そういえば、何のために稼いでいたろう。何のためにお金が要るのだろう。何のために生きていたろう」

  身体「ああ、そうか。生きる喜びを得るために生きていたのだった。」、「どこに置いてきたのだろう」、

  「ううん……、ううん……、思い出せない」


・今後は、頭部はなく、身体だけで行動。

・大家さんが訪ねてくる。

  「先月の家賃、まだもらってないようだけど……。……?」。「……もう頭はないのね」

  大家さん、出て行く。

  身体「頭がない、なんて云われた……。もう、そうなのか……。頭痛がする」



■3:「」

・外を歩く。(他の人は、頭部がなくとも、何も怪しんだりしない)

・段々と空間も人も、ねじ切れる。

  「段々、周りが、ねじ切れて、辛い……。私には、無の空間が必要だ。

  音もなく、人もなく、静かな世界が欲しい。閉じこもりたい。疲れた。」


・ドアを開けると、社内だった。

  「A! 引き継ぎはまだか!? しっかりしてくれ!」

  「はぁ……、はぁ……はい。そうでしたね」

  「しっかりしてくれよ?」

  「そうでしたね?」

  「顔色、悪くないか? ちゃんと寝ているか?」

  「それは無理です……残業が朝の4時までなので……無理が」

  「……――~~」

  上司は、絵になっていた。

  「……寝ていないから、休まないと、……どうも駄目だ」


  横から、ニコニコ顔の同僚が。

  「焦らずとも大丈夫ですよ」

  「どうも……」

  相手は別人になっていた。

  「何をしているのかね?」

  「はぁぁっ、どうも……」

  「しっかりやらんかね」

  「すみません……?」


  A(何かがおかしい気がする。けれど、いつもこんなものか。そんなものか)


・休憩所か何か。とても疲れた様子で寝そべる。

  「人と関わるのが、それだけでもう、参った。疲れた。もういい」

  隣から、人の声、ザワザワして、耳に入ってくる。(口から汚い感じのもの漂って、Aの耳へ)

  「はぁぁぁぁ……」、ため息。

  耳を塞ぎ、目を塞ぎ、立ち去る。暗転。



■4:「」

・森?

  「先程まで相当 喉が渇いていたが、そんな気がするだけだった」

  目を開き、耳を開く。  真っ白な空間だった。

  「とても清々しい気分だ」。歩く。

  「どこまでも、何もないのか? 白紙の世界だな」

  「家族や親戚もいない。そういえば、初めからいなかった。親しい人が誰もいなかった。……未練もない」

  歩く。薄ぼんやりする。

  「私は人間ではなかった」、「プラスチックや、ダンボールのような物、物」

  「そうでもなく……」

  「そうだったな」

  姿は幽かになる

  「空間と生物、物の区別は、なく、どれもが溶け合う表裏一体のもの」

  広い空間にセリフだけ

  「存在するも、存在しないも、紙一重。同じことだったのか」

  「全てがあることと、全てがないこと、……私にはどちらも同じことだった」



■5:「」  没にする?

元の社内で。

ボーっとする、生気のないA。

上司が云う「おい、A、生きているのか?」

A「…………」

「おい! A!」

Aが消失する。

「A! どこ消えた?」

他の社員C「どうしました?」

「Aが逃げたんだ。どこ行った?」

「A……? A? Bとは」

「Bだよ、B、どこ行ったか知らないか?」

B「え、私がどうかしました?」

「おい! 何度も呼んでるだろ!?」

「え? すいません、今しがた呼ばれた気がしました。で、御用は?」

「引継ぎだよ。辞めるんだろ? その引継ぎ」

B「いやいや!? 辞めませんよ!?」

C「え、辞めるんですか、Bさん」

B「一っ言も、云ってませんよ!?」

上司「だってお前、辞めるんだろ、A?」

B「A? Bって何です?」

上司「Bはお前のことだろ!! しっかりしろ!」

B「すいません……」

C「? ? ? Bさんがややこしいこと云うからですよ?」

B「すいません……?」

上司「全くだ、人騒がせな……」

B「すいません……(?)」


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