3話 いじめられっ子
「なぜ開かない」
次の朝俺は部屋から出れないでいた。
「扉が開かぬ、どうしたもんかねぇ〜」
所変わって城内の訓練じゃグランドみたいなところでは
「よし!全員揃ったな」
「はぁ〜い、天羽君がいませ〜ん」
「なに?そうか」
そう言って騎士団長ロゼムは周りにいた騎士に指示を出しその場から離れた
「ククク、あいつが怒られてるとかろ想像がつくぜ」
「だな、どんな顔してくるか楽しみだな」
鮫島グループが小言を言っていた
「だぁ〜!くそ!」
俺はいまだ開かない扉と格闘していた。
どうせ鮫島の通常スキル『拘束』のスキルでおれを拘束して出られないようにしたんだろう…(まったくもってそのとおりであった)
「よし、やるか!ええ〜い、ままよ!」
そう言って扉な突っ込んだ瞬間
ガチャ
「天羽殿…」
「おわ!ぶつかる!」
ドン
「…天羽殿…いい度胸ですね」
「いや、その、これには、事情がありましてですね〜…」
「はぁ〜あなた様は勇者様の一員なのです、どうか真面目にお願いします。今日のところは慣れてないと思われますので、なにもしませんが…もし、次から遅れるようならば、ペナルティーですぞ」
「う、なんか学校みたいで嫌だな」
「まぁ、あなた方が強くなるためだと思ってもらうしかないですね」
「了解です、以外気をつけます」
「ええ、では行きましょうか」
「おっ、キタキタ〜」「ん?なんか、いつも通りじゃねぇか?」「確かに」「おいおい、初日で遅刻とか」「流石カススキル」「ああいうのがいると困るんだよね〜」……etc
俺が訓練場所、広い庭に現れたらこれだ、皆好き勝手言ってやがる。
「では、すまないが初めから説明します」
そう言ってロゼム騎士団長は武器の扱い方から戦闘方法、各自にあった武器などなど選び、様々な説明を受けた
「ね、三日月君、なんかあったの?」
「いや、特になんも」
説明を受けてる最中真波さんが俺に話しかけてきた、他の男連中に見られたらまずいので適当にあしらったのだが
「む〜、寝坊しちゃったのかな?」
「いや、してないし、むしろ集合時間1、2時間前には起きてたからな」
「へ〜、時間はしっかり守ってる三日月君が遅れるなんて珍しいね」
「はぁ〜、あまり俺に関わらないでくれ」
「え〜と、迷惑かな?」
下からの上目遣いは卑怯だぞ
「…う、い、いや…迷惑とかそういんじゃなくて、」
「えへへ〜、またいろいろお話ししようね」
「う…はぁ〜、人目のないとこでなら」
その光り輝く笑顔も卑怯だ
「ちっ!」
どこからか舌打ちが聞こえたが無視だ無視。
そのあとは得意武器に合わせてグループを作り基礎などを習った。
まぁその合間に俺は隠しスキル『複写』を使って数個ほどスキルをコピーしといた。
今更だが複写スキルは枠があり今は5枠ほどしかないが、レベルを上げていけば枠が増えるらしい。そしてコピーできるのは1人1回までであり、消してしまってまた欲しいとなると別の人からしかとれないという、デメリットがあった。
『創造』の方も枠があり『複写』と同じく5枠あり、レベルに応じ枠が増えるらしい。できないことも存在するみたいだ、死者蘇生、デス○ートみたいなこと…etc
今の所複写でコピーしたスキルは
天羽 三日月/人間 LV1
スキル
鑑定
隠しスキル
複写→超強化/魔導士/近接特化/残り枠2
創造→空き枠5
称号
嫌われ者 いじめられっ子 勇者?
こんな感じだ。
超強化、これは強化の上位版。魔導士は魔法に関することの特化型、例えば全属性(下位に限る)が使えたり、魔力消費を抑えたりできる、後魔法の発動速度など早くなったりする。近接特化はそのまんまの意味、まぁスキルに任せっきりだといざという時に自分で考えて動いた方が生存率は上がるとのこと。
スキルというのは、例えば剣術、これは素人が手に入れたとするとまぁ形はスキルの補助で動くのだが、まぁ見本みたいな動きで簡単に見破られて、ハイおしまい、となるらしいが、自分で考えてかつスキルの補助を受ければそれなりに戦えるらしい。
まぁ所謂、スキルばかりに頼らず自分自身も鍛えろとのことだ
まぁそんなこんなで、半日は剣術で終わり、もう半日は魔法について学んだ。
魔法とは周りにある魔素、体内にある魔力を消費して決まった詠唱をすれば使えるらしい、しかし魔力にも上限があり使いすぎると立ちくらみ、目前、頭痛、吐き気を引き起ことのこと、下手すると死ぬとかなんとか。
そのあとは体内にある魔力を感じること、魔力の操作、初期魔法の詠唱などやり1日が終了した。
まぁいじめられっ子こと俺は剣術の授業では、模擬戦で容赦なくボコボコにされ、魔法の授業では、まぁ隠しスキルのことは隠してるのでチンタラやってたら、的にされたりと真波さん大好き男子からの攻撃を受けていた。
その次の日もまた次の日もそのまたまた次の日も、こっちの世界に来てから2週間、いじめという名の攻撃は続いた、もちろん部屋に拘束されて出られなかったので1日の終わりに訓練所、大きさは高校のどっかのグランドを10分全力ダッシュだったり、30分走り続けたり色々やらされた、しかしこれが体力作りにうってつけで、閉じ込められないように外でね寝始めて遅刻がなくなり罰が無くなったのだが俺は1日の終わりに体力作りとして、1人走っていた。
それ以外でも訓練とか言いながら剣術で俺を痛めつけたり、拘束される前の俺の部屋に『オメェなんて死んじまえ』っていう手紙が来たり、魔法で相殺練習の時に俺が相殺できないと思ってるほどの魔力をぶつけてきたり、そんなことがつづいた。
真波さんはそんなことがあるたびにみんなを止め俺に近づいては心配し、涙を流したこともあった…
「みんな、なんでこんなことするの⁉︎三日月君が何かしたの⁉︎」
「英理の言う通り、流石にやりすぎではないか?」
「そうだよ〜、英理ちゃんがミッチーと仲良くしてるからってそれはないんじゃないかなぁ〜」
上から真波さん、真波さんの親友で文武両道、代々伝わる剣術の家の出、黒髪ポニーテール、黒目、真波さんに続き美人の上杉 葵、活発でみんなのアイドル、猫みたいで、黒髪ショート、黒目の小鳥遊 雫だ
まぁ美人3人組に助けてもらう俺も情けないが、今は力を隠しておきたいからな、そうな敵意込めた目で見られてもオメェらが俺をいじめなければ済むことなんだけどな!とは言えず
「三日月君、大丈夫?」
「ああ、大丈夫、いつもなんかすまんな」
「ううん、私にも原因があると思うから」
「英理はなんも悪くないぞ」
「そうだよ〜英理はなんも悪くない、悪いのはミッチーを虐める奴らだからね〜」
「葵、雫、うん、ありがとう」
「すまんが、もう行っていいか?」
「え、あ、うん」
「三日月、少し話があるんだが」
「なんですか?上杉さんに小鳥遊さん?周りの目が痛いんで離れたいんですけど」
俺が3人から離れた時、呼び止められた
「今日の夜、少し君の部屋に行ってもいいだろうか?」
「は?何行ってんですか?」
「まぁちょっと話し合いたくてね〜、ちょっとだけ」
「はぁ〜誰にも知られないようにお願いしますよ、下手したらもっとひどいことになるんで」
「分かっている」
「了解」
俺と上杉さん小鳥遊さんは小声で話し合い、今日の夜会うことになった