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現場の昼飯時、近寄ってくる動物達  作者: 蘭鍾馗


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4.野良猫

 外で弁当を食べていると、私は良く猫に弁当をねだられる。

 猫の目から見ると、何か弁当をくれそうな人間に見えるのだろうか?


 ◇


 どんな感じでねだられるのか、ご説明しよう。


 まず、午前の現地調査が終わって、どこか座る場所を見つけたら、リュックから弁当を取り出す。

 そして、弁当箱の蓋を取ろうとすると、いつのまにか、2mくらい先に猫が居て、じっとこちらを見ている。そして、弁当箱の蓋が開けられるのを、じっと待っている。


 やがて、弁当箱の蓋が開けられる。


 その途端に、「ニャー!」と、大声で鳴き始めるのである。

 でも、それ以上は決して近寄って来ない。

 けれども、弁当をもらえるまで、絶対に鳴き止まないのである。

 で、根負けして弁当のおかずを投げてやると、それが合図であるかのように、ようやく近寄ってくる。


 大体こんな感じなのである。


 ◇


 その日私は、ある大きな農業用ため池の周辺の植物調査をしていた。

 例によって、もう詳しく思い出せないくらいの昔のことである。


 昼になって、リュックから弁当を取り出す。

 すると、目の前のススキの茂みの中から、野良猫が現れた。

 2mほど先に座って、じっとこちらを見ている。


 またか。


 弁当箱の蓋をとると、「ニャー!」と大きな声で鳴き始めた。


 やっぱりか。


 こうなるともう、弁当をもらえるまで鳴き止まないので、無駄な抵抗は止めて弁当のおかずを投げてやる。すると、おかずを食べた猫は、現金にもささっと傍までやってきた。

 良く見ると、この野良猫、あちこちに怪我をしていてボロボロである。喧嘩でもしたのだろうか。このやられ方だと負けたな、きっと。


 野良猫に弁当のおかずを半分くらいくれてやる。あ、手作り餃子だけは駄目だぞ、ネギ入ってるからな。ごはんもいけるか?おお、いけるか。


 ◇


 やがて満腹になったボロボロの野良猫は、私の足に前脚をかけて「膝に乗る」と言い出した。

 仕方ないので乗せてやる。

 それにしてもボロボロだ。撫でても痛くないか心配になるくらいだ。


 しばらくすると、先ほどこの猫が出てきたススキの茂みから、別の猫が顔を出した。じっとこちらを見ている。ボロボロ猫もこの別の猫をじっと見ている。

 どうやら「仲良し」という訳ではなさそうだ。

 多分、この怪我はこいつにやられたんだろうな。で、私に保護してもらうために膝に乗ろうとしたんだろう。


 茂みから出てきた「別の猫」は、やがてまた茂みの中に姿を消した。

 喧嘩の相手が立ち去って安心したのか、ボロボロの野良猫は私の膝から下りて、またどこかへと去っていった。




 私は弁当箱をリュックに仕舞って、午後の調査を開始した。




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― 新着の感想 ―
お弁当……あげてる……w あらすじとタグは心の叫びでしょうか(笑) 楽しいエッセイ、読ませていただいてます。
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