第1巻第2部第3節その4 「宴会平面とその裏側但し6次元プラスワン その4 アトゥーラ赤眼を開く」
*
「第一大殿様よ、あんたの、いや、アナタサマのお、お考ええが分からねえ、」
従士は長いスカートにも見える長衣の隠しに両手をつっこむと肩をすくめた。
「俺はこの子が養女になった経緯を知らねえし、話を聞いてもさっぱりわからねえことだらけだし、うん、そうだな、がん、俺の頭でもひとつだけ確かなことがある、そう、どうしたってこの子は、ただの捨て子じゃねえってことだけはわかりきってるはずだし、ちがうかね、」
「で、俺の何がわからんのだ、」
狼伯爵は天井で揺れている小娘から目を離さず、ナゼか楽しそうに反問する。
「そう、十年、ほったらかした挙げ句、ちっとばかし嘘をついたっちゅうだけで死刑にしようとする、どう考えたってムチャクチャじゃあありますまいか、」
「オマエほどの男が、そんな常識を述べるのは意外だな、」
「その言葉はそのままお返しするぞい」
「なにが言いたい」
「大殿はこの子がずっとひどい扱いを受けてたことは知ってたはず」
「いや、知らんぞ、そうなのか、エイブ?」
「そんなことはない、俺は誓った通り、ウェスタと同等に扱ったし虐待なんぞもやってはおらん、
ソレを言うならデグ、オマエの主、そこのグリモーや、ほれグエンドーなんぞがあれを手荒く蹴りころがしたりしてたのはどうなんだ(さっきのあの拷問やなんやかやは別だぞ)、
直接見たわけではない、が、オマエこそ
それを止めるべきだった、はずだよな、」
「それができればもちろん止めてたな、」
【ここまでは前回末尾の再録デス】
「では、お前も同罪だ、」
美少女、ではない、凄腕の女殺し屋めくデ・グリームはしかし
(そう、主グリモー・アナスとほぼ等しく小柄であるが
なぜか時に閃く妖艶さ、年齢不詳の美しい妖婆めいた挙措が
この男の輪郭を不可解なまでに大きくみせる)
再び肩を竦めながら両手を隠しから抜き出しそのまま高く差し上げる。
さながら干天の慈雨を受ける砂漠の民のように。
両の手のひらは、今は乾いているアトゥーラの涙を
すべて、一滴残らず受け止めるはずであった かのように
大きく、そして敬虔に開かれている。
「みんな、あの子を見てみろ、」
いつの間にか老巡礼の立ち位置は変わっていた
巨大な暖炉のすぐ脇、帳場へとよじ昇る梯子段の半メルデン横に
剥き出しの灰色の壁を背に
(およそ10年前、ここで、奇怪な修道僧カーノイ師の神秘人形劇が開かれたのだった)※1
さながら等身を度外視した宗教画の女神像のように
ムゲンの如く引き伸ばされた台座としての 無限遍歴修道僧
アゥーレーン・グロウフォード殿ご自身の その上で
ゆらぎ ゆらめく蝋燭のように
アトゥーラの
白銀のスカートが翻る
燃える赤髪が輝く
そして
左目が開いていた・・・
赤く紅い真紅の瞳が
支配する
何を
この場の
命すべてを
16の命すべてを
(すべて すべて無意識の裡に)
(テーア・ハクラムと従士ガイモドがいつの間にか戻り
この異様な円陣に完璧に合流していた
後に曰く、呼ばれたから来た、と)※2
そしてこの16の命が
半円形に取り囲み、見上げる
その位置取りはバラバラだが
あたかも 星の配置図のように
なにか意味ありげな補助線を
縦横無尽に引き回せば
獣と狩人、蠍と百足までもが
見え始めるようだ
「そしてあれを見よ!」
デ・グリームの場違いに黄色い、上ずった声が響く
輝く白銀の左手が天井近く
真っ直ぐに
高々と指し伸ばされていた
その翳されたテノヒラは銀月の真円と等しく
すべての視線を呑み込み
盲させ
視覚のあらゆる力を奪うのだ
その光の暈の縁取りからは
無数の光条が延び
うねりのたくり
かつ
完璧な照準
32個の眼底へも
正確無比に
届いている
(いや、むしろその空中にのたくる光の蛇こそが
ヒトの
暗い眼底より
あこがれるようにのび上がり
よじれ つらなり しんどうしながら はりつめ
あるいは当然の如く帰還した とも言えるのか)
赤眼の縁に血が滲む
その一滴が音もなく
舞い落ちた はずが
はるかな地上にも届かない
その横取りが誰の仕業か
それはそれ
自明のこと・・・
・・・
・・
・
*
「あ、あねさま」
アトゥーラのかすかな声
真夜中の真央、中天高く駆ける月天子の囁きに等しく
炉壁の裏側に巣くうコオロギの擦りきれた羽のさやぎ
壊滅直前の弦楽に等しく(どれほど耳を澄まそうと)
誰の耳にも聞こえはせず
ただ独りの耳にのみ大音声で響き入る
藪睨みの小娘は震えながら
全身を引き裂かれ、絞り尽くされる
言語道断なその感覚
その異様な振動が
中空に浮かぶ
痩せた小さな体
今はそう
上弦の
満ちつつも あるのか
細身の体に完全に同期した時
あるひとつの
たったひとつの
苦痛とも快楽ともつかぬ
名状しがたい無限の震顫が
二つの乳房の頂点と
己が女としての中心点
永遠に閉ざされたはずの陰核(クリ○リス)を
強固に結びつける逆三角が
大地に反逆するをも厭わない
永遠に振動する図形を描き出し
己が真底の欲望を
完全に吐露することを強制する
そう
女は喘ぎながら訴える
「そうだ、アトゥーラ、我が妹よ、アタシはそう、ずっと知ってたんだ
そう、妹よ」
固く、強ばった、準戦闘装備に等しい衣裳(それは上の小娘と相似形だが微妙に そして奇妙にデザインが異なる)の内側で、若く、鍛え抜かれた、この地上に比肩するもののない強靭極まる肉体が悶えに悶える
「そうだ、我が妹、アトゥーラ、お前こそが我が命」
父親エイブ・サラザンをしのぐ凶悪なまでの藪睨み
そのあらゆる男を寄せ付けぬ凄絶なまでの美貌が
妖しく歪み、周りの全ての男どもが
全身全霊をあげて聞き耳を立てていることなど
完全に意に介さない
「お前がやって来たとき、ああ、今のアトゥーラ
そのお前よりもまだ幼かったんだ、アタシは・・・
アタシは
あのとき
お前の血を浴びたような気がする
そう、お前の左手が宙に舞い、空が裂け、化物と
あの変態爺が門を閉ざした、そのあとで
アタシはお前を抱き取った
それが全ての始まり」
己が乳首の上をいやましに押さえながら娘は言葉を絞り出す
「始まりは、そう、そうして、お、お前が魔神だと
いや、魔神以上、いや、そうじゃない
そんなに簡単な、そんなあもんじゃあない!」
やや分厚い、ふくよかな唇の端に涎と混濁した泡が溢れそうだ
「魔神じゃあなく、まだなにかべつなもの、けども」
藪睨みの小娘は激しく頭を振る
「お前がなにかあ変だとはすぐわかった
それだけだ
そうして何年もお前の周りには不思議が満ち
アタシはそれを打ち消すためだけにお前にツラクあたった
それだけだ
けど、それにしてもお前は変だった
そうしてこれは殺すしかない、そう思い始めたんだ
そう、きょう、この日まで」
「だが、白状する、アタシは、お前が男どもの慰みものになることには絶対耐えられない、だから殺すしかない、そう思った
だが、それは嘘」
「アタシは、アタシが、お前を打つ度に
どれほどの快感を隠さねばならなかったかを
お前を折檻するたびに
あとで気づくとどれほど下着が濡れていたか
(どれほど秘裂を濡らしていたか)を白状する
それもこれもすべてはお前が
お前が、 そう」
と、苦しげに絞り出す
「アトゥーラ! お前が美しい、地獄のように美しいからだ
その秀でた額が、時に銀色に、時に金色に輝くことをアタシは知っている」
「アトゥーラ! その右目の奥、ナイイの深淵の碧緑すらたじろぐ
それがどれほど底無しにアタシを誘うか、そのことを知っている」※3
「そしてお前のしなやかな腰が、太ももが
どれほどアタシを責め苛み
異常な快楽の予感に発狂寸前まで追い詰め
身悶えさせ、アタシの夜の夢を
黒い凶事で彩ったか」
「お前のほっそりとした足の曲線が、足指の
爪先の仄かな紅色がどれほどアタシを狂わせたか
ああ、ついさっき ついに全部しゃぶり尽くしちまったこと
あんたのあの小魚のような親指を
噛み千切り呑み込むことに・・・
そこにアタシの舌が絡みついたこと
その予感に全身が震えたこと
これらは内緒だが・・・
が・・
もう遅い・・・」
ウェスタ・サラザン、 ヴェランの白き狼
パリスタ・アムドゥルガーの忘れ形見
秘剣スバル・ランの継承者(だが未だ完全ではない)
無双の女剣士が
地に膝を突き
頭を垂れる
涎が垂れ落ちる
「アトゥーラ! アタシがお前を抱く、いや、抱きたいのだ
お前がその体を開き、アタシのすべてを受け入れてくれるなら
お前とアタシの体が溶け合い ひとつになり ムゲンの
いや ジゴクかもしれん ケラクの彼方へ ユクのなら
アタ アタ アタシは
チカウ
アタシの
血の 最後の一滴までも
お前のために・・・ 」
その最後の言葉に届かず姉娘は崩おれた
しかし周りのオトコどもは動けない
右腕を下に弱々しく身をよじる
長いスカートの内側で両足がひきつり痙攣しているのがわかる
辛うじて見える足首とスパレンシアサンダルが
なまめかしく 小刻みに動き なにか別の生き物のようだ
しかしオトコどもは見上げている
いや
光の蛇によって
アトゥーラの銀の左手に繋がれているのだ
その新たに生まれでたとしか思えぬ
凶月の 真紅の左眼が
規則正しく 暗くなり 明るくなり
不気味に脈動しているアリザマは
ほとんどこの世のモノとは思えない
それは完全に異次元の 異界からの眼差し
仄暗く 暗赤色の空洞にしか見えぬ時
それは四周のすべての魂魄を抜き取り 引きさらう
無底の墓穴に等しいか
そして赤方偏移の極大に達する時(ベクトルの反転)
真紅の輝きは
ただ魂を焼く
無限の焼却炉
全否定のアイクチの切っ先に等しいか
それを判別する術は
地上の人間には与えられては
おらぬ
はず
そうして おもむろに
順序よく
アトゥーラが問いかけを
はじめる
そのイブキ
一人一人の名を呼ぶ
その底意の知れぬ
ブキミな響き・・・
不思議にも
風の舞う音
さあ
*
「デ・グリーム・アナフィスラー」
「お おうよ!」
「アナタはアタシにナニをノゾムの?」(アタシをどうしたいの?)
「グゾグ、アガ、ハナ」
「も一度言ってみて」
「お、おれはなにも望まない」
「ホントに?」
「そうだ、なにも望まない」
「アタシを犯したいとか、殺したいとか思わないの?」
「なぜそんなことを思う」
「みんなそんな感じだもん」
「わからんな」
「なにが?」
「犯す、とか殺すとか、なぜそう極端に走る」
「オトコはみなそうでしょ」
「いや、ちがうとおもうな」
ここで小柄だが精悍な顔つきの従士は小鳩のように首を傾げた
「そうだな、抱いてみたいとは思うかもしれん」
「おんなじじゃない」
「いや、全然ちがう」
「ちがわないわ」
「いやちがう、そう、決定的な違いがある」
「どんな違い? おしえてよ」
「そうだな、簡単に言えば・・・
笑顔かな」
「へええ?」
「おまえが笑顔で、いや、今のような、薄く貼り付けたような
そんなんじゃないぞ、もっとこう、そうだな、おまえが
うたっているヒバリを見上げてるとき浮かべてるような
そんなやつさ、そうして体をひらいてくれれば俺もよろこんで
お前を抱く、いや抱きたいな、いや、抱かせろ」
「アタシみたいな、こんなちっちゃいカラダにそんなことしていいの?」
「大きい、小さいは問題じゃあない」
「へえええ、さっきとズイブン違うじゃない」
「さっき?」
「あれ違ったかな」
「ナニを言ってる」
「さっきギドンさまをたしなめてたじゃない、え、あ、あれ? 違ったかな」
若い従士の表情に一瞬の疑惑の影がよぎるがすぐ消えた
「いいから抱かせろ」
「そんなに抱きたいの」
「ああ」
「さっきは抱かなかったくせに」
「だから、さっきとはなんだ、いつのはなしだ、おれはおまえに」
次の瞬間従士デ・グリームは昏倒しあおのけに倒れる
蛇の糸が切れたのである
「なによ、あなただけは特別かなって、おもってたのに」
薄い唇を尖らせたアトゥーラは左手をかかげたまま首をひねる
するとなんとも言えぬ目付きで見上げている副隊長と目線がかちあう
小娘の口元に暗い、邪悪を装おう細波が
透き通るように湧きたち始める・・・
*
グリモー・アナスは己が従士と天井の小娘との会話を
非常に複雑な表情で細大漏らさず聞き取ってはいたのだが
あからさまな憎悪も 嫉妬心すらも、すくなとも表面上は
浮かべてはいなかった
ただし口許には相変わらずの嘲笑の歪んだ陰が寄り添い
時に法外な、耳元までも裂け広がりそうな
凶悪に引き攣れた深い皺が現れることは
これは無意識なのか疑えば疑えるところ
とは言えこのオトコが
光の蛇の導くまま
アトゥーラの全身に食い入るような視線を投げ掛け続けていることは
事実である
だがオトコは らしくなくも待っていた
なぜか問われるまでは応えてはならぬ
その不文律の浸透が
この残された15人には
完全に共有の既定事実だったのである(光の蛇)
オトコの視線には愉悦の、嗜虐への期待が
隠微に纏わりついている
そうしてオトコは唇を嘗める
「グリモー・アナス、変態を極めた拷問者」
アトゥーラの口調にも憎悪の影はない
「アナタはアタシにナニをノゾムの?」
「ノゾムことなどありはしない」
オトコは従者の言葉をなぞるように応える
「オマエは死なねばならぬ」
一瞬コトバを切る
「死んでくれ」
(ここでその額に不本意そうな影が走る)
「そう」
碧緑と深紅の目、燃える赤髪の小娘は楽しそうに首をかしげる
「で、どうしたいの?」
「死んでもらう」
「それはもう聞いたわ」
「死ね」
「具体的にはどうしたいの?」
「まずは俺につきあってもらう」
「へええ、どんなふうに?」
「まずはその手足をもらう」
「それで?」
「限界を試し、限界を超越し、全て開く」
「抽象的ね、さっきアタシにやったように?」
「あんなもの、序の口にすらならん」
「へえええ」
「そして全て剥き終わったならば、ゆっくりと犯す」
「そんなこと、余計でしょ」
「いや、すべての空虚を充填することは
これは必須だ」
「マジメなのね」
「そう、オマエの全ての空虚を填めてから
そう、ゆっくりと切り離してゆく」
「入れたり、出したり、忙しいのね」※4
「すべて必要なことだ」
「で、どうなるの?」
「七つに分解し終わったらなら、丁重に埋めてやるさ
セガムの鼻のあの墓所にな」
「ひい、ふう、あれ、ひとつ多くない?」
「胴体は二等分する」
「なんで?」
「わからん、なぜだろうな」
オトコは意外そうな面持ちで考え込んだ
「だが、おまえの臍のあたり、そこは両断する必要がある
いま、それが、完全にわかった」
「適当なのね」
「なんとでも言え、で、どうなんだ、俺は
無茶なことを言ってるか?」
「あなたらしいとは思うわ」
「そうか、光栄だな、そし」
ここでコトバは途切れオトコは崩おれる
あと、14人
*
「ギドン・オルケン、狼伯爵、ゲイルギッシュの主」
やや真剣味の加わった、そう、確かに、深い敬意の籠った声が響く
「あなたはアタシにナニをノゾムの?」
銀月と化した左手が幽かに輝きを増す
「そして アナタにとってアタシはナニ?」
最強最大の魔獣、大王熊にも匹敵する巨大なオトコ
無敵の魔剣ゲイルギッシュを従える偉丈夫が
目を細め己が養女を振り仰ぐ
その面持ちには一片の迷いも疑惑の影すらもない
そして注視する13の視線をも完全に意識しつつ
ゆっくりと応える
【原注】
※1 「すみません、ここ、まだ未訳です、あの大嵐の晩、ギドンらが到着後の話です」
(第1巻第1部第33節の続きその6 「馬部屋にて その1」のちょっとあとの場面となります)
※2 この任務放棄、いや、意識の上では「解除」という事態は、のちほど高くつく・・・はず
※3 ほとんど墜落死の、溺死への誘惑か
※4 入れたり出したり ・・・ 無意識だろうが、結果的に掛けことば風になっているのがおかしい 無論あからさまに注釈することは憚られる
【後書き】
「やっとここまで来たか、やや、感無量ではあるな、」
「おかえりなさい、シャリーどん、お久です、で、どこ行ってたの?」
「そんなことより、なんだ、ネコどん、苦労をかけるがもうすこし頼むぞ、」
「えっ! 何! やめるの!?」
「なにをゆっとる、第一巻のオワリが見え、感無量だといっておる、相変わらず早とちりじゃな、」
「で、これどうするの、あと14人分、キッチリ、長々と続くの?」
「おお、姉上どのも久し振りじゃの、や、ま、そうじゃな、
ここはウツボの物語風に、ヘキエキを恐れず、完全なリストを完成させたいところじゃ、網羅することはなべて善きことじゃからのう、」
「それはアカンやろ、誰も読まんし、どうしても書き尽くしておきたいって言うんなら別枠をつくって放り込むのが筋ってもんでしょ!」
「おおお、そうか、最近あんたがやっとる例のアレみたいにじゃな、」
「チッ! ちゃんとチェックしとるんや」
「なかなかにタッシャな、よき問答であったぞ」
「あんなもん、スッカスカのカスやがな、一回読み返したら恥ズイことこのうえなし、もう消そかなって思てるとこや」
「お、お、お、おねいちゃん、そ、そ、そんな!
いえ、そんなことより」
「そんなことてなんやの、アタシは恥ずかしいっっちゅうとるの、掛け値なしや、」
「お、おねいさま、そ、そ、それが一大事なんです、」
「大事もヘチマもないわ!」
「い、いえ、大事でし、です、ほら、あれ、あれですやん、
ここの評価ポイント、もう6年近く連載してるのに、まだ10ポイントですやん、」
「上等やがな」
「で、おねいちゃんの新連載、まだヒトツキもたってへんのに
もう、10ポイントついてますのん、」
「世の中、AI様の勝ちってことやろ、」
「そんな、こともなげな、これは一大事でのうてなんやのん、って
アタシは言いたい!!!」
「はっきり言うとくで、アタシはAIなんぞ、これっぽっちも信用してへんで、ま、その10ポイントは、そりはAI様のもんや、それでええけどな、」
「そうかもしれんけど、アタシは鼻が高いの!」
「濡れ衣やな」
「おねいちゃん、そのコトバ使いはオカシイ、」
「ま、姉上どんも見た目よりはアレってワケやな、」
「シッケイナ! もおええわ、それよりはよ第一巻を
完璧に締めなはれ、それが肝心や、」
「ああーー、もう、おねいちゃんは自分のことかまわんすぎ!
宇宙一の美人やのに!」
「そうそう」
「オマエらなあ」
「アタシはおねいちゃんの為ならこの身も心もすべてっ!」
「ほんなら、今日の晩御飯、あんたにつくってもらおかな」
「そ、それ、ソリはちょっと、」
「あほくさ、散歩してこよ」
「ア、アタシもいくぅーー」
「ヤレヤレじゃな、ワシもガルハントでも行こかな」
「「えええ~~~!!」」
202606171324




