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ついに再会の日が…!

 ユーカが、ナハト国へ向かっていた道中。時を同じくして、勇者ディーンは、ここ数年の日々を思い返していた。ユーカが突然消えた日から、早数年…ユーカと過ごした日々の記憶は鮮明で、つい昨日のことのようにも思えるというのに。時が経つのは早いものだ…。


 ユーカから真実を打ち明けられていた為…ユーカが消えた朝も、驚きというよりも…



(ついにこの日がきてしまったか…)



 という思いの方が強かったのを覚えている。ユーカは元の世界で幸せに生きているはずだ。でも、ユーカは最後にこうも言った。



『……もしもね?元の世界に帰れたけど、やっぱり皆に…ディーンさんに会いたくなったら…。来たいと思って、また来れるものなら…こっちに来てもいいのかな?』



 ユーカは、確実にこの世界に思いを残してくれている。それならば、ただユーカを待つだけでなく、自分からも動かねば。


 自分は、神の力によってこの世界へ召喚された。この世界強大な力を振るう為に、この世界の理に組み込まれてしまった。もう自分が元いた世界には戻れない、これはとうの昔に、自分の中では消化している。

 “元の世界”には帰れない。だが、別の世界には転移できるのではないか。“元の世界”では受け入れられない力だが、“ユーカの世界”であれば、もしかしたら。現にユーカは戻っているのだから。


 そう考えた俺は、古代魔法の研究を始めた。古代魔法には、今では考えられないような魔法も存在している為だ。それらの魔法を紐解いていけば、もしくは転移魔法を修得できるやもしれない。

 ユーカがこの世界に戻ってこなければ…もし戻ってきたとしても、やはりまた元の世界に戻りたくなった時には…。俺が転移魔法でユーカの世界に行けばいい。


 寝食を惜しんで研究を重ね、古代魔法が残る遺跡を巡り、なんとか転移魔法の手がかりを得ることが出来たその時。神級魔法の遣い手が海を隔てた大陸に現れたとの一報が入ってきた。神級魔法の遣い手…魔王が討伐された今、新たに神級魔法の遣い手が召喚されることはあり得ない。間違いなくユーカだろう。

 それを聞いた瞬間、喜びが全身を駆け抜けた。今すぐにでもユーカに会いたい。だけども、まだ転移魔法の修得にはあと一歩及んでいない。

 詳しく聞いてみると、ユーカはリーディア王国の使節団の一員として、こちらの大陸を訪れることが決まっているらしい。それならば…ユーカと再会するその時までに、必ずや転移魔法を修得してみせよう。そう心に決め、さらに研究に没頭するのだった。



 ※



 その後、ユーカと勇者ディーンは無事に再会を果たした。ユーカは元の世界に戻ったものの、元通りの日常生活を過ごしていても、どうしてもこの世界のことが頭から消えなかったこと。どうしてもまた皆に会いたくて…ディーンに会いたくて、戻ってきたのだということを伝えた。

 ディーンは、ユーカが消えてからの数年の思いを、ユーカがこちらの世界に戻らないのなら、自分が行けばいいのだと考え、転移魔法の研究をし、ついにその修得が叶ったことを伝えた。

 もちろん元の仲間たちのことも忘れてはいない。ギルやショーンにシンシア。トーマさんを筆頭にトーガ村の村人たち。皆、ユーカの帰還を心から喜んだのだから。



 ギル、そしてショーンと姫様達との結婚式にも正式に参加することができたユーカは、次は2人の番だとからかわれたりもした。でも、そんなすべてのやりとりがユーカには嬉しくてたまらなかった。



(ディーンさんは、私の為に選択肢を用意してくれた。私がまた元の世界に戻りたくなった時…ディーンさんと離れることがネックとなって、帰還を悩まないように。戻りたくなった時は、戻っていいんだと…。これから先のことはまだわからないけど……今はこの世界でディーンさんと、そして皆とともに生きていく!!)

長く更新が途絶えていました。終わり方は考えていたのに、途中がどうしても書けず…この度、なんとか書き上げました(最終話1話にまとめたので、やや無理やりですが…)


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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