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大賢者の弟子ステファニー  作者: 楠ノ木雫


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■23 洋装店


「初めまして」


「お待ちしていました、錬金術師さん」



 今日は、依頼で洋装店のお手伝いをすることになった。



「私はここの代表を務めています、メリッサ・トワです」


「錬金術師のステファニーです」


「実は、注文が多く手が回らなくなってしまいまして。錬金術師であるステファニーさんに頼むことになってしまったんです」


「そうでしたか、お役に立てればいいのですが」


「何を言っているのですか、凄腕と聞いてますから。本日はよろしくお願いします」



 ここは、首都の中でも大手のお店らしい。働いている人達も多く、お店にいらした貴族のお嬢様方への対応やら生地を運んだりやらの仕事の他にドレスなどの作成も慌ただしくしているのがよくわかる。



「お願いしたいのは、まずこちらになります」



 そうして渡されたリストとレシピ。量が多いと思っていたけれど、こんなに大変そうなのにこれくらいでいいのだろうか。


 代表らしいメリッサさんが人を呼んだ。駆け寄ってきたのは女性で、リディアというらしい。この子に説明を任せて慌ただしく行ってしまった。



「では、よろしくお願いします」


「こちらこそ」



 生地などを生成している部屋に案内された。周りの皆さんも悶々と錬成をしている。おぉ、汗が凄い。お疲れ様です。



「隣で見せますので、まずはこれをどうぞ」


「あっ、これはいりません」


「えっ!?」



 渡されたのは、錬成陣紙。見た事のない陣だから装飾品を生成する為だけの陣であろう。だけど、もう覚えた。



「……じゃあ、この三種類全部見せますから、ちゃんと見ててください」



 疑っているのだろうか。さっきから素っ気ない感じであったけれど、そういう性格なのかな??まぁこんなに忙しくしている中時間を割いてくれているんだもんね。


 そうして、錬成を始めた彼女。



「……これで完成です。じゃあまずこれをお願いします。数はここに書いてありますから。まずはチェックしますので」


「分かりました」




『展開』




「っ!?」




Aqua(アクア)



Creare(クレアーレ)




 材料を水魔法と溶け合わせ錬成。よし、鑑定しても全く同じものが出来た。


 どうでしょうか、そう聞いても吃驚した顔で何も言ってくれない。何か間違ったかな。



「じゃ、じゃあそれでお願いします……」



 あ、行っちゃった。



「さ。頑張ろ!」



 という事で錬成開始!!


 長さを揃えて生地を生成しなければいけないから、一気に錬成して風魔法で裁断すればいいか。




『展開!』














 よし、あとちょっとだ。そう思った時、一人の男性がこっちに近づいてきた。恐る恐る来たけれど、そんなに私って怖く見えてるのかな……?



「な、なぁ、それってどうやってるんだ……?」


「え?」


「そ、それだよ」


「あぁ、一気に長く錬成して風魔法で裁断しているんです。あ、もしかしてマズかったですか? 一応長さは合わせたんですけど……」


「そうじゃなくて、その錬成の方! どうやったんだ? 見せてくれよ!」


「あ、はい……?」



 そうして言われたとおりにやると、驚かれてしまった。さっきのリディアさん同様。



「あんた、あの凄腕錬金術師だろ? どうしたらそんなの出来るんだ? コツとか教えてくれよ!!」


「あぁーっと、とりあえず、マナをきちんと意識することでしょうか」


「マナを意識……そんなの思った事ないわ」


「でもそうすると、余計な力が入らなくなります」


「へぇ~、じゃあ見てくれよ!」


「えっ!?」



 そうして、少し遠くで作業していたらしい男性、ハイドさんは道具などを全部隣に持ってきて座ってきた。


 あんた陣使ってないのか!? とか質問とかを聞いてくるから、出来る範囲で教えると手こずってはいたけれど以前よりも少し楽に出来ているようだった。


 何だか、王宮術師さんとはまた違った性格だから砕けた様な感じで教えることが出来て楽しかった。



「おいちょっと待てハイド! 何教えてもらってんだ! 抜け駆けすんじゃねーぞ!」


「抜け駆けじゃねーよ!」


「ねぇねぇ、私にも教えてよ!」


「私にも!」



 どんどん集まってくる。私のノルマはだいぶ前から終わっているけれど……いっか。



「あの、お願いされていた量が終わってしまったんですけど……」


「今週作らなきゃいけないのが大量にあるの! 手伝ってくれない??」


「おいおい押し付けかよ!」


「全然構いませんよ」


「ほんと!? ありがと~! えぇーと、ステファニーさんだっけ」


「はい、でもステファニーでいいですよ」


「じゃ~敬語使わなくていいよ! ふつーにお願い!」


「じゃ、じゃあ」



 ここの人達、とってもフレンドリーだ。気軽に話しかけてきてくれる。まるでギルド仲間のユリア達のよう。


 という事で皆で作るとすぐに終わってしまった。今週分が終わって皆とっても喜んでくれて。忙しい皆の役に立てて嬉しい。良かった。


 ここの上司であるリディアさんは、口が塞がらないほどに吃驚顔をしていた。


 それからまた明日来てくれないかとお願いされて、忙しい皆の為ならお安い御用ですと了承してきた。









「え、こんなにいいんですか……?」


「いいえ、約3ヶ月分の術師達の仕事を一緒に終わらせていただいたのです。これでも足らないくらいですよ」


「え、でも……」


「いいのですよ、どうか貰ってください」


「じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとうございます」


「本当は、こちらで働いてもらいたいくらいだと思っていますけれど、それでは大変ですからね。また依頼してもよろしいでしょうか?」


「はい、何時でも呼んでください!」



 という事で、依頼完了!!




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