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コロシタノダレ ~黒猫学園と落とした記憶~  作者: まつだんご
―エピソードⅠ― 「切札枠と舞踏人形」
18/18

#18 ディベートタイム


「この美術準備室、鍵が掛かってるんだよね」


「ふーん。何処かに鍵があるのかもしれないな」


 椅子に座らされている舞踏人形の後ろに確認出来る部屋は美術準備室と書かれている。だが、鍵が掛かって部屋の中には入れない。この建物内に職員室のような場所があれば、そこに鍵があるのかもしれない。


 それから徹底的に二階だけを調べた三人。特に外へ出れそうな場所が見つかる訳でもなく、ただ時間だけが過ぎていく。他のメンバーと合流する時刻になったので食堂へと戻る事にした。


 時刻は午後一時。食堂へと戻った三人。他のメンバーも既に食堂で待機していた。昼飯を用意しているあの男の鼻歌が厨房から聞こえてくる。


「では、それぞれ探索の結果報告をしてもらう。体育館の担当者から一人ずつどうぞ」


 ※ここからはディベートタイムになります。


 今回は建物内探索結果について議論討論してもらう。ディベートタイムとは、決められたローテーションに沿って議論が始まった際に公開される人物ら全てが台詞のみで進める時間と討論方法を指します。


 ディベート中は伝えるべき状況説明を無視とし、参加プレイヤー達の間で繰り広げられる「生の討論」とその一部始終を時間経過のまま公開します。人物らが発言する台詞に一切の説明がないという事になります。


 ディベートの際には、プレイヤーの発言の前文に、誰が発した発言なのかを明確にする為に名前を表示します。ディベートタイムが中断された場合は主人公である神崎夏男の視点に立ち、夏男独自の推理を挟んでいく流れになります。


 まとめ!


 → ↓ ディベートタイム開始Ⅰ

 ↑ ↓ 生の議論討論を展開、反論

 ↑ ↓ ディベートタイム中断

 ↑ ← 夏男独自の推理を元に答えを導く


 一定条件が満たされるまで上記の流れをローテーションしていきます。ディベートタイム開始時に表示される数字はディベート数とローテーション回数を意味します。Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→と議論を始めた回数がカウントされます。


―――――――――――――――――――――

 ※ディベートタイム開始Ⅰ


 牧山「ではまず私から報告しよう。体育館を調べたのは三野君と龍治君と私の三人。私達はそれぞれ分担して館内を調べて回ったわ。体育館は二階へと続く階段があって、細くて長い通路へと続いていた」


 電田「ギャラリーが集まる際に使うのかな。キャットウォークの面積は人二人分が通れる程度だったね」


 牧山「外へ抜ける通路に繋がる出口ドアらしきものを見つけたけど、厳重なシャッターが降りていて人の手で開けられそうにないわね」


 電田「それにぶっ壊したら連中に何されるか分かったもんじゃないからな。今は大人しく見逃しておいてやろう。とにかく外へ抜ける出口は見当たらなかった」


 牧山「窓は鉄板が打ち付けられていたわ。どうやら連中はこの建物内全ての窓に鉄板を打ち付けているっぽい。本気で私達を閉じ込めておくつもりね」


 三野「何であの人達は僕らを閉じ込めておくんだろう」


 神崎「さあな。あのバカ連中でも分かりやすい恐怖を題材にした人体実験でもやってるつもりなんじゃないか。人間が極限状況に陥ったらどうなるのか観察しているのかもしれない」


 牧山「そうだとしても何故この学園でそれをやる必要がある。対象者が私達でなければならない理由など思い浮かばないわ」


 神崎「それは最もな意見だが、そもそも人体実験が憶測でしかないからな。話を戻そう」


 牧山「体育館内にあった倉庫も他の学校と大差ない。バスケットボールやバレーボール、マットや卓球台があるだけで特別な点は見当たらなかった。天井は高かったな」


―――――――――――――――――――――

 ※ディベートタイム中断


 体育館内に出口へ繋がる道はない、か。議論中に出てきた俺らをこの場所に閉じ込めておく理由。確かに気になるけど今は憶測でしか考える事が出来ない。これが本当に人体実験だったら事態は手に負えない程に深刻だ。


 次はホールエリア三階を調べた新島さんと熊耳さんの報告を聞いてみるとする。二階も出口に繋がる場所は見当たらなかった。三階だけが唯一残される希望になる訳だが……



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