第一話:常
この小説には近親相姦を描いたものです
上記のことを踏まえたうえでお楽しみください
「ねぇ春香ちゃん。春香ちゃんのお兄さんってカッコいいんでしょ。今度紹介してよ。」
「別に普通のサラリーマンだよ。家じゃいつもだらけてるし。それでもいいならいいよ。」
またか、そう思いながら、もう何度目になるか分からない仲介を引き受ける。
春の陽気に誘われて、幼馴染の奏絵と一緒にオープンカフェでお茶していた私のテンションは急降下する。
逆にテンションを上げて立ち去った娘に向けて思いっきり視線を飛ばす。
そんな私の様子を見ていた奏絵は楽しそうに声を上げて笑っている。
「相変わらず聖也さん人気だね。卒業したのにまだまだ人気あるんだ。」
「良いことなんて全然ないよ。寄って来るのは女の子ばっかりで私は男の子に告白もされないし。お兄ちゃんと同じ遺伝子受け継いでいるのにどうしてこうも出来が違うのかなぁ。」
くたーっと項垂れていると、もう何度目になるか分からない疑問を吐露する。
目を瞑って耳を澄ませば奏絵の笑い声と静かな風の流れがゆっくりと耳をくすぐった。
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