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第二話;兄
私の兄、桂木 慶吾は完璧人間だ。
今から三年前の中学二年生の夏お父さんとお母さんは交通事故によって帰らぬ人になってしまった。
泣きじゃくるしかできなかった私とは違った。
親戚が私たちの処遇と巨額の保険金を巡る押し付け合いと奪い合う。
当時大学一回生だったお兄ちゃんは毅然とした態度で私たちの親権を昔からお父さんと交友のあった白河さんつまり奏絵のお父さんに委託した。
そしてその保険金や財産のほとんどに手を付けることなく大学を無事外資系企業に就職したのが去年。
スポーツ選手のように背は高く、モデルのようなスタイルとルックス、その上勉強は出来て奨学金を得られなかった年は一年もなかった。
お兄ちゃんが在学の間は二月中旬から三月の初めまでは毎日が甘いチョコレートで、まさに少女漫画からそのまま抜け出したような人だった。
そんな完璧人間と名高いお兄ちゃんにもたった一つ、いや二つどうしようもない弱点がある。
そしてその二つの弱点はピンポイントで私を悩ませる原因になっている。




