第一幕 冒険の始まり
時間空いてしまいました。すんません
エレキとか言うクソガキと合ってから早くも一週間がたった。俺は冒険の準備をみんなに協力してもらいながら終わらせた。荷物は暴食して胃袋にしまっておいた。
「本当に行かれてしまうのですか?」
「ああ、もともと冒険には出ようとしてたしな。それにお前たちみたいに困っている人もいるかもしれないしな。絶対に帰ってくるから、待っててくれ。」
「わかりました。死なないでくださいよ。」
不穏なことをいうでない。すでに一度死んで身なのだ。これ以上死ぬのはごめんだね。
「それじゃあ、行ってくる。」
「「「いってらっしゃーい!」」」
みんなに見送られて俺は集落をあとにした。
短い間だったけどとても楽しかった。絶対に帰ってこよう。そう心に誓った。
そうして集落をあとにしたときに思いついた。どうせならドライアドさんにも一声かけてから行こう。
いきなり方向を90度変えて俺は大樹の方へ向かった。
長いこと歩くと大樹に着いた。
『マーダラ様、お久しゅうございます。』
この木を直した時以来か。やはり今日もお美しい。
「お久しぶりです。旅に出るので一声かけていこうかと...」
『そうでしたか...、心配でございます。マーダラ様がいなくなられたらこの森はどうなるのでしょうか、』
「俺一人いなくなるだけじゃ、そこまでかわりませんよ。」
正直自分でも自分の活躍ぶりは褒め称えたいものであったが俺以外がやったとて成功しただろう。
『マーダラ様に加護を与えられたらよかったのですが、、やはり全盛期程の力がないので加護を与えることすらできない...申し訳ありません!』
「まだ力は完全ではないのですね。」
『ええ、過去に一度に大きな力を使ったことがありまして、その時に力を大きく失って天使から精霊へと階級が下がったのです。』
十分なんじゃないかな。精霊でも。
そう考えたことは俺とガブリエル先生だけの秘密だ。
時間がなかったので次の日に冒険を再開した。ドライアドに別れの挨拶をした俺たちは本格的に森を抜けるための冒険を始めた。
その旅の中で色々なものを目撃した。
これまでにも見たことがある魔獣。
虫やライオン、キリンのような幅広く動物と言われるもの。
この森に迷い込んできた冒険者などだ。
まぁ何が起こるかわかったもんじゃないから
接触はしなかったけどね。
だがそんな俺でも近づきたくなる代物があった。
それはオスとメスの聖戦交尾だ。
動物好きだしそういう場面に飛び込んでみたくもなった。だが時間がなかったこととあまり興奮しなかったので結局これにも参加はしなかった。
まあしょうがないだろう。授業中に8回はエロい事考えてmy sonをWake Upさせている俺からすれば大したことはない。
いつか自分にもそんな相手ができてほしい。
そんなことを考えたこともあった。まあもう死んだし遅いんだけど。
この話題に触れるのはやめておこう。悲しくなる。
そんな話はさておき冒険はというと驚くほど順調に進んでいる。時々魔獣と戦闘になるもののこれまで見たことがある敵だし対処法は理解している。もしかするとこの森のなかにいる個体の種類は少ないのかもしれない。
そんなこんなで一週間ほどだ。
順調だ。順調なんだ。順調なはずなんだ。
だが...
「…いつになったら森を抜けるんだ!?」
一向に景色が変わらない。飽きたなんてレベルじゃねぇぞおい!
「なぁ、ガブリエル。いつになったら抜けるんだ。」
『まだまだでございます。この森の半径はサリエル湖と同じぐらいですからね...』
「?、それってどのくらい?」
『主の記憶をもとに分かりやすくすると...
日本という土地の縦の長さぐらいです。』
「長っ!」
ふざけるな。ふざけるんじゃないよ。日本の縦の長さ?しかもそれが半径?どういうことなんだよ。それを俺は横断しようとしていたのか。
「そしたら何か横断手段が必要なんじゃないか?」
ああ、バスが、タクシーが、馬車が欲しい。
この森を駆け抜ける手段が欲しい...。
『あの、我が主、よろしいですか?実は一つご報告が...。』
「ん?なんだ?」
『提案なのですがグルーシャを召喚するのはどうでしょうか。』
「あぁ、なるほどグルーシャをね。確かにあいつはオオカミとライオンの中性的なみたいな見た目だったし確かに足は速そ...うぇ?グ、グルーシャを召喚できるの?」
え?あのグルーシャを?召喚できる?
『はい。実はグルーシャの解析が終了したのですが、グルーシャの存在自体がほかの魔獣とは違い強大であったこと、彼も大罪を背負っていた事が理由で主の魂にグルーシャの記録が刻まれたようです。』
そ、そんなことが俺の体内で繰り広げられていたのか。
「ちなみに、あいつは何の大罪を背負っていたんだ?」
『色欲でございます。まあ、我が主ほど大罪によるつよい影響を受けていないのでそこまで強かったわけではありませんが。』
あれで大罪の影響を受けてなくてそこまでだと?じゃあ色欲の大罪の影響を強く受けてる奴とかどれだけの強さなんだ?
「ちなみに俺はどのくらい影響を受けてるの?」
『この世界においてトップと言っていいほどです。』
「じゃあ俺はここからさらに強くなれるって言う認識をしててもいいの?」
『そうでございます。』
よっしゃ!まだ強くなれるのか!それは純粋に嬉しいことだ。
「ああ、そうだ。長話しちまったな。そうだグルーシャを召喚しよう。」
『わかりました。グルーシャの召喚を実行します。』
ガブリエルがそう言うと目の前で変化が送り始めた。コンピュータがデータをロードするように足元から身体が生成されていった。
そしてそのデータは気づいた頃には少し前に見たグルーシャの姿へと変化していた。
「...ど、どういうことだ。なぜ我は復活して...お、お前は...!」
グルーシャはこっぴどく驚いている。まあ当たり前だ。なんせ食われたはずの自分がまだ世に解き放たれて、その食った敵が目の前にいるのだから。
「な、何が起こってな、な、な」
こんな感じでグルーシャは驚いていて会話も出来なかったのであの戦いからの全てを話した。グルーシャの仲間を集落に引き連れていったこと。ゴブリンや人間のみんなに受け入れてもらえたこと。エレキに言われて旅にでたこと。これらを話した。
「そうか。あいつらは生きているのか。」
絶対に口では言わないものの、安堵の表情だ。安心したのだろう。
「感謝しようヴェルよ。…突然ではあるが、不肖グルーシャ、そなたに生涯の忠誠を誓おう。お前にはその、感謝しているからな。」
お、おう。ホントに突然だな。
でも優秀な仲間が増えた。いいことだ。
「おう!これからよろしく!それじゃあ早速なんだがこの森を抜けるまで俺を背中に乗っけて運んでくれないか?」
「そんなことでいいのか?もちろん快く引き受けよう。」
そんな事って...
半径が日本の森だぞ?
「よし!それじゃあ早速...」
出発しようとしたとき
『あの、もう一つ報告があるのですがよろしいですか?』
ガブリエルに止められた。どうしたんだ?
まだ何かあるのか?
『じ、実はスキル擬態によって擬態できる生物が一つ増えました、それがその...』
なんだ?もしかしてグルーシャの見た目になれるとかか?でもそれを聞いたら自分で歩かなきゃいけなさそうだしやだなぁ。
だがその擬態できる生物の名前を聞いて俺はこの世界に来て最も驚くこととなった。
『その、新しく擬態できる生物は、人間です。』
グルーシャがヴェルの名前を理解しているのは
ガブリエルやグルーシャのようにヴェルの内側にいる生物はその生物の記憶やデータをみることができるという設定からです。




