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異世界で生きていく  作者: ゆう
人と関わる怖さと知らない恐さ
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2年

パイシーズ侯爵家の学園は10~20歳までの10年間、完全寮制だ。学ぶのは貴族としての仕事や魔道具、そして思想。学ぶ仕事の中に社交があり、魔導国より学園在学中の不敬は問わないと有る。これは、学園の中で爵位の違う者と積極的に関わり、距離を学ぶ為であり、無礼講とは全く違う。


中でも思想を学ぶ、と言うのは貴族としての義務と特権と責任、誇りと慈善と規律、等各家に任せては勝手な解釈により悪い意味での傲慢さを持った貴族が出て来てしまう為重要だ。


学園には貴族が通うのだが、特別に入学を許可された庶民も居る。この庶民は貴族に対する試金石で、実際は学園が幼少より育てた貴族にも劣らない教養を持つ孤児でその報告が成績に反映される。


庶民については他家の貴族は知らないが、パイシーズ家はその庶民だけでは対応出来ない時の為に知らされるようだ。


学園に行く前にある程度の教育は受けるものだが、孤児だった分、ルーレシアは貴族教育が遅れている。特に作法や日常の動きに優雅さが欠ける。

ヤウもそんな物今まで一度も習った事は無いし、ルーレシアと違って『成長期』と言う補正も無い。その分、高レベルな〈記憶〉や〈筋力〉、〈持久力〉を使い勉強したり、姿勢を維持し、比較的優秀だった。



「ヤウは優秀でうらやましいわ」


「ありがとうございます」


「ルーレシアお嬢様も優秀ですよ。努力家で大変宜しい。ヤウ嬢は努力に加えて元々持っているスキルを上手に使っているようですね」


「「はい。先生(マナーの先生)」」


「しかし、お嬢様は知識、ヤウ嬢は話術が少々……いえ、大分足りて居ません。お嬢様の知識はヤウ嬢が側で補助。ヤウ嬢はなるべく喋らないでいる事は出来ますが、入学まであと2年。そこを重点的に頑張りましょう」


「……はい。先生」


「はい。先生。……発言宜しいでしょうか」


「何ですか。ヤウ嬢」


「どのくらいのレベルが目安なのでしょう」

900年生きてきて流石に〈話術〉はそこまで低くない。先生には負けているが。


「ヤウ嬢。話術にも種類が有るのですよ。いえ、性格かしら。あなたの話し方はあえて悪い言い方をしますが、詐欺師のようです。確かに、貴族が正直に何でも話すのは良くありません。しかし同時に貴族には信用も必要なのです。〈話術〉が高いのならその場の話では自分が有利に事を運べるでしょう。ですが、長く続く信頼関係というものは〈話術〉の高さだけではつくれません」


「はい。しかし私はルーレシア様の侍女ですが」

それは、自分に必要なのか?


「ヤウ嬢。確かに侍女は主人の側に控え、他の貴族と交流するのも主人であるルーレシアお嬢様の仕事でしょう。しかし、ヤウ嬢。ヤウ嬢は子爵令嬢でもあるのですよ」


「……はい」


「はあ。もっと自覚するように。それから、他者を信用しなさすぎると言うのも考えものですね」


「先生。では、私とヤウでもっと会話をするのはどうでしょう。ヤウは知識も豊富ですし、私に足りない物も会話を通して覚えていくと言うのは」


「……ルーレシアお嬢様。そうですねそろそろ身内でのお茶会やパーティーに出てみましょう。ヤウ嬢は令嬢として」


「はい」


「……はい」




「貴族言葉では、ヤウとの距離が離れたようで寂しいわ。もっと二人での会話が出来ると思っていたのに。お茶会だったらあんまりヤウと話せないわ」


「ルーレシア様がもっと会話の機会を、おっしゃられたからでしょう。しかし、身内でのお茶会という事でしたので、多少はお目こぼしされるかと」


「そうね」


「では、御昼食のあと刺繍、3時にお茶。その後魔法の訓練、7時に御夕食、入浴、就寝となって居ります」


「そう。……」


「では、失礼いたします」


自分はさっさと昼食、体術の訓練、魔法の訓練、夕食、ルーレシア様の今後の予定の確認、クリーン、就寝。


体術は常にルーレシア様と一緒に居る関係で、時間稼ぎを目的としたもので、速度と防御を主に鍛える。魔法も侯爵家の財力により、MP回復薬をふんだんに使い、〈回復属性〉を得る為に訓練。ルーレシア様の特別な侍女に育て上げる訓練だった。


教えてくれる先生が先生で、既に〈水属性60〉を持っているので、ルーレシア様は既に〈水属性15〉2年で覚えたにしては破格だ。自分はどの程度まで見せれば良いのかわからないけど、元々〈水属性84〉有るから。


ただし、体術の方は参考になる。話術と同じように、〈体術(スキル)〉自体は自分がどれだけ出来るかの目安、HPに与えるダメージの補正、『気絶』等の状態にする確率の上昇なのだ。しかし訓練をする事で、特に対人で、相手の動きのパターンによって、こちらはどう対応するかをまなべる(流派)。例えば、相手が攻撃してきた時にカウンターを返すのか、防御するのか。常に最適解が正しいとも限らない。


マナーの授業以外の食事の時間は、他の侍女や使用人達から情報収集。

それから、


就寝後はこっそりと抜け出して、街中へおりる。

当然、貴族宅で見張りも居るが、一人で暮らして居た頃は魔物狩りは暗殺が主だった。既に〈隠密113〉だ。気付けるはずもない。





万が一にもバレた時ように【キャラクター】でクモの姿をとる。〈隠密〉したまま適当に酒場を回って噂程度を集める。


「どこぞの誰が浮気した」

「あいつが称号持ちになった」

「ダンジョンでLv80の魔物が狩られた」

「オークションで""の薬が最高値で……」

「西の魔物が増えて……」

「低Lvの素材が高くて弟子が……」

「流行の服が……」



前半は良く有る噂だな。

後半も良く聞く噂だ。だが、低Lvの素材が高いのか。素材が高くなれば冒険者が集まるものだが、それでも供給が追い付かないのか?

魔導国で素材が無くて職人が育たないのは致命的では?



まあいいや。


素材は大量生産に回されて居るのだろうが、そのお陰で本類が増えた。図書館も出来た。後は早朝まで図書館で本でも読もう!

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