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異世界で生きていく  作者: ゆう
独りで生きるのは大変
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41さようなら

……もう調査が入った。


町に近いといちいち人が煩い。

自分は感知されて居ないと思ったが、あの時のパーティー、よほど優秀な索敵が居たか?


やはり、人に……。



ふん!

次はどこに行こう。浮島も良いが、空を飛べないし行った所で限られた面積しかない。いざというとき追い詰められる可能性も有る。


人か……。





薬都に来た。近くの森。薬の補充の為の薬草が必要だ。襲ってきたから殺した冒険者が持っていた薬は有るが、自分は他人の作る回復魔法薬、ポーションは効かないと分かった。毒も効かないので、当然だが。逆に、自分が作った物で有れば毒も効く。


【独立】は、()()()()()()()状態にかからない。


そうなれば、最初に〈調薬〉を始めたのは僥倖だった。

始めは命の危険ばかり有る冒険者に成るつもりもなく、生産で生計をたてて生きようと思った。

その中で、薬師か錬金術師に成ろうと思ったんだ。

実際、薬都に居たときは、自分も周りも平和だった。


しかし、地球じゃないので自分でもある程度の防衛は必要だと考えた。

自分で魔物がどうにかなるようになって、人の中より対策しやすいから安全だと。


薬都の近くに来て、思い出す。


沢山知り合いが出来た。

でも、自分は人と関わるのは嫌いだ。


弟子はどうして居るのか気になる。


何もしてないのに!もやもやする。胸の奥が重たい。顔面が熱くなる。


どうしてか、人と関わると稀にこうなる。ストレスだ。イライラする!




だから、本当はやっちゃいけないけど、薬樹を引っこ抜いた。取り込んだ。

おえっ。お腹破裂する……!






……。もう薬都を出て、40年程経ったなあ。懐かしい。


「次、ギルドカード等身分証を見せてください」


「……」横に首を振る。


「無い?なら、あっちの扉に入って。……次、」


「……」


「ああ、身分証が無いのか。無くした?……元々無いのか。じゃあ、質問に答えて。名前は?人、殺した事は有る?」


「……」縦に首を振る。


少し、顔を強ばらせた衛兵が言う。

「すまないが、この嘘判定器は声に出してくれないと分からない。人を殺した事は有る?」


「……はぃ」

声の出し方忘れた、実際はそんな事無いが。人は怖い。それに……


周囲で聞いている他の兵は手に力を入れる。

「待て、状況を聞いて居ない。まだ小さな男の子だ」


「……兵士長。見掛けで判断するの止めてください」


「地球だと子供は子供なんだけど。……君、どうして人を殺したの?」


どうして神子がここに。


こそっ。

「どうして神子が兵士長やってるんですか」

「お前新入りか。衛兵に成れば、基本壁か町中の見張りだろ?まあ、良く言えば安全主義の神子だな」

「訓練つけて貰えて、給料も出るからってさ」

「成る程」


成る程。


「……襲ってきた。だから全部殺した」


「襲ってきた?嘘じゃないか。ここでは、正当防衛か」


「坊主、お前親は?いつ、どこで襲われた」


「……居ない。森」嘘じゃない。


「すぐそこじゃねえか。孤児か?死体は有るか?」


「(今は)持ってない」


「おい。外で犯罪が起きた。犯人死亡。一応森の調査しろ。仲間が居るかもしれない。後、坊主を孤児院へ送れ」


「……目的有る。いい」


「あ……。(監視は?)」


「(付いてます。〈観察〉も通らないし何者でしょう)」


「……行ったな。さあ?名付きが化けてるのかもな。……あ。名前聞いて無い」


「はあ?何してるんですか」


「お前だって居ただろうが。どうして気付かなかった」


「「……。はあ」」






神子だからか外見に騙されてあっさり通れた。


監視が鬱陶しい。何処から見ているか視線から分かるので、ささっと撒いて〈隠密〉。さらに移動してクラウの姿になる。


〈隠密〉のまま、タイミングをみてある部屋に忍び込む。部屋が変わってなくて良かった。


「……とうとうお迎えか。あの師匠が来てくれる何て……」


「チッ。お前が進化出来なかったからだろうが。……何時からだ」


「……やっぱり死んで無かったんですか。師匠。どうやって?」


「残りからみて、まだ『老化』して1年も経って居ないな。今だけだ」


「今だけって。死んでる?まあ、いいや。会えたから」


「……ああ、会いに来ただけだ。カールヒェン」


「やだなあ。カールって呼んで下さい。"星薬"のクラウ師匠」


「カールは落ち着いたな。……それじゃ」


「!師匠」


「何だ。自分は忙しい」


「あの、2人の所には?」


「……行く。忙しいと行ったはずだ」


「そっか、師匠。エーミルとユーリカと妻と子、孫の次位に好きでした」


「っ!……カールヒェン……さようなら」





「……お迎えが師匠だなんて、最近で一番嬉しいかもしれないわ」


「なんだかんだ、カールとユーリカは似ているな」


「今、嬉しさが1割になった気がするわ。カールと似ているなんて」


「ユーリカ」


「師匠。もう二度と会えないと……」


「ああ。これが最後だ」


「師匠。それでも私()の所へ来てくださったわ」


「自分は……。いや。ユーリカにはいつも甘えてしまう」


「嬉しいわ。師匠はカールの所へは行ったのでしょう?」


「……。ああ」


「師匠はカールをいつも一番心配していたわ。エーミルは優秀だし……苦手そうだったからまだでしょう?」


「ユーリカは、母親になってからも思ったが強くなったな」


「ふふふ。ねえ、師匠。私達は師匠が好き。師匠は人が嫌いだったけれど、人に近づくのを嫌がるのは裏切られるのが怖いから。きっと師匠にとっては私やカールが死ぬことでさえも裏切りになる」


「どうして……」


「どうして、ずっと側に居てくれないのか。師匠?ねえ。師匠。好き。この言葉が師匠に傷を付けてでも、師匠に私の事を覚えていて欲しい。これが、師匠が嫌いな(を傷つける)人よ」


「ユーリカ。やっぱり人は嫌いだ。だけど。……。ユーリカ、さようなら」


「……さようなら。師匠」





「……」


「エーミル」


「師匠……!」


「!」


「もう。離さない」


「!」ガン!


「いっ」


「やっぱり、苦手だ」


「師匠?……僕の所が最後ですか」


「お前達はまた……」


「ふっ。師匠を先に追い詰めたのはユーリカでしょう?カールはあれで師匠より僕達を優先する。僕は師匠に嫌われて居るようで」


「別に、お前だけが嫌いな訳ではない」


「ひどいじゃないですか、師匠。僕達の母様」


「ぐっ。……」


「事実でしょう。6歳から独り立ちまで育ててくれた。僕達の存在は重たいですか」


「ああ。とても」


「。」


「何故そこで笑う?」


「あなたにとって僕達がそれだけ重要だと分かったからです。あなたは珍しい素材を言い訳に僕達から逃げた。……ねえ。もう、2人はあと数年だ。僕だけになる。きっと1人なら逃げ出す程に重くはない。僕と暮らしましょう。僕だけがあなたと接する。本当は母様何て呼びたくない。愛していますクラウ。僕のお嫁さんになって」


「……。気安く名前で呼ぶな。師匠と呼べ」


「あなたが望むなら一生師匠と呼びます。師匠、僕の側に居て下さい。もう何処にも行かないで……」


「……ダメだ。自分はお前達を信じ切れない。自分が誉められるのは嬉しい。だが、誉めてくれた所も自分より上は居るだろう。なら、お前は自分より上の存在を選ぶかもしれない。だってお前は自分をそう誉めたのだから」


どうしてエーミルが自分が好きなのか分からない。好きと言うものはユーリカも言っていた。相手に押し付けて、後から胸の奥を重くする一方的な物だ。けれど、愛は相互のやり取りだ。だったら、始めから受け取らない。


「え。でも、」


「エーミル。もう十分重たい物は胸の奥に詰まって居る。辛いんだ」


「そんなつもりじゃ……。それでも師匠。好きです」


「ひどいな、弟子は皆、自分にその存在を刻む。……エーミル。さようなら」

主人公の考え。

例えば、クラウが'優しいから'好き。

もしクラウより優しい人が現れたらクラウは好きじゃなくなる。

だって、その人より'優しくないから'好きじゃない。


ちなみに、兵士長の神子は人魔が居るのを承知で来た。

人魔の子がこの町に居るので、守られる。つまり、安全。


壁の外は冒険者がするので、兵士は魔物と戦わなくていい。訓練で戦う事は有るが死ぬ様な訓練じゃないし、薬都なので質の良い薬も有る。


ちなみに【固有能力】は情報系、守護系、生産系。

一番安全な町も【固有能力】で得た情報から選んだ。


今回は、しっかり弟子と別れる、挨拶の為、踏ん切りをつける為の騒動。

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― 新着の感想 ―
[良い点] しばらくぶりに読み返していますが、ここのシーンがじんと来ますね
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