#017
第二章開始です
アンジェリカ達が馬車に乗り王都へ向かっていると前方に盗賊に襲われいる馬車の姿があった。
ハロルドがそれに気づくと馬車を急がせた。
「ねぇ盗賊って倒しちゃっていいんだよね?」
「ああ構わないぞ、だができれば生け捕りにしてくれるか」
アンジェリカは頷くと馬車から跳び下り、その勢いを殺さず回復したばかりのなけなしの魔力で脚に身体強化を集中させ盗賊との距離を詰める。
盗賊の一人がアンジェリカに気が付くが、反応が間に合わず持っていた剣を弾き飛ばされ、そのまま鳩尾が入り意識を刈り取られた。
アンジェリカは鳩尾を入れた直後に二人目に距離を詰めていた。
盗賊達はアンジェリカを如何にかするのが先決だと判断し馬車を襲うのを中断しアンジェリカに襲い掛かる。
アンジェリカは二人目を気絶させると襲い掛かってきた盗賊に、たった今気絶させたばかりの盗賊を投げつけた。
アンジェリカの予想外の行動に盗賊達は避ける事ができず後ろに倒れ込む。
他の盗賊はその光景に足を止めてしまう。
アンジェリカがその隙を見逃す筈もなく、次々立っている盗賊に鳩尾を入れる。
そして立っている盗賊がいなくなると、先程盗賊を投げつけて倒れている盗賊に剣を向け降伏させる。
盗賊が降伏すると少し前に来ていたハロルドが近づいてきてアンジェリカに労いの言葉を掛けた。
「お疲れ、相変わらず凄いね」
「如何して手を出さなかったの?」
「あれくらいの相手ならアンジェ一人で十分でしょ」
アンジェリカはハロルドの自分への呼び方の違いに違和感を覚えるが、顔には出さず剣を鞘に納めハロルドにこの場を任せる。
先程まで盗賊と戦っていた男性がハロルドに近づいてきた。
「助けていただきありがとうございます! まさか襲われている所に騎士様が通りがかるなんて、これほどまでに運が私達に味方をする事など中々ないでしょうな」
「まあ、実際に盗賊を倒したのは彼女一人ですがね」
「そう言えばあのお嬢さんだけ鎧を着ていないようですが、彼女は騎士ではないのですか?」
「彼女は私の妹でして鍛錬の為に同行しているんですよ」
「まだまだ若いのにかなりの実力で、将来が楽しみでしょう」
「ええ、この先どれだけ強くなるのか楽しみですよ」
ハロルド達はそこでアンジェリカの話を終え、捕らえた盗賊を如何するか話し合い、ハロルドが全員運ぶ事に決まった。
その後ハロルドは他に周囲に盗賊の仲間が残っていないか探索するという事で男に別れを告げた。
馬車が行くのを見送るとアンジェリカはハロルドに訊ねた。
「ねぇ、如何して盗賊を全員引き受けたの?」
「……あの男がただの一般人には思えなくてな」
「だから周囲を探索するって嘘を吐いたんだ」
アンジェリカのその問いには返事が返ってこなかった。
「それで直ぐに出発できなくなったけどこれから如何するの?」
「ここで一旦休憩して飯にしよう」
ハロルドがそう言うとアンジェリカ以外は馬車を道の脇に寄せ、ご飯を用意し始めた。
アンジェリカは溜息を吐きながらその中に加わった。
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