隠し通路
本日二話目!
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スキル<気配感知>を習得しました。
スキル<忍び足>を習得しました。
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あれからも儂は洞窟の中を進み続けた。その道中はとても穏やかなもので、たまに虫の微かな気配を感じるだけじゃった。はっきり言って退屈じゃ。うーむ、接敵するまでイザナ様の神界に精神だけでもいることはできんのじゃろうか?恐らくカグラ殿も儂より腕の立つ武人であろう。というよりもあの神界にならば儂を超える強者がゴロゴロいるはずじゃ。
うむむむむ、是が非でもイザナ様の神界で修行をする機会を得ねばならんな。まずは加護を祝福に上げるところからじゃろうかのう。しかし、その為には強い敵を倒し、レベルを上げねばならん。・・・おかしいのう?儂、敵の下僕を殺したんじゃが・・・なんで反応が返ってこんのじゃ!?おかしいじゃろ!?敵がいるのが分かっておるのに何故戦力を送らぬ!阿呆か!?いや、しかし、うーむ、もしや骸骨剣士より強い配下がいない若しくは儂の方に回せるほど数がいないのか・・・?まあ、ここで考えても仕方ないの。
更に少し進むと僅かに滝の音が聞こえ始めた。ほう、この洞窟は水辺の近くにあったのか。ならば、飲み水の心配は無いのう。儂いらんけど。そろそろ、敵が出て来て欲しいのう。
む、この気配は骸骨剣士に似ておるの!よしよし、儂の糧となるためにのこのこ現れよってからに、愛い奴よのう。数は一、問題はレベルじゃが、どうやら先程と同じくこちらに来るようじゃし、鑑定して確認すれば良かろう。アンデットは生者以外に興味を示さんからのう、見つかっても問題ないじゃろ。む、あれか。
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名前:―
種族:骸骨漁師Lv0
年齢:5
段階:○
職業:漁師Lv0
称号:≪【死霊の書 一の巻】の配下≫
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いやいやいや、骨人が漁師ってどういうことじゃ!?敵として出てきて良いのか!?そもそも、骨人に漁という行動を理解できるだけの脳があるとは思えんのだが・・・。まあ、不眠不休でも問題ないという面で労働力としては破格の価値があるからのう。
持っておる網の中には魚が入っとるようじゃし、十中八九漁の帰りじゃろう。ならば、後について行けば、敵の本拠地の入り口がどこか分かるかもしれん。ふむ、監視するにしても動くものに反応するように命令されていては厄介か。仕方が無い雑でも良いから屍の振りでもするか。
儂はその場で座り込み、動かずに骸骨漁師の歩みを目で追った。すると奴は儂の目の前を通り過ぎ、儂の開始地点の方へと歩を進めて行きおった。・・・うむむむ、儂が仕掛けを見逃したというのか?じゃが、虫の気配であっても十メートル以内であれば気がつける儂に知覚されんとは、どういうことじゃ?
不思議に思いながらも後をついて行くと骸骨漁師は何の変哲も無い洞窟の壁の前で止まり、突然ガクガクと震え始めた。な、なんじゃ、気持ち悪い!?・・・む、気配が濃くなったじゃと?これは、万が一に備えて本気で気配を隠すかの。
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スキル<隠密>を習得しました。
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ぬぉ、何事!?・・・何じゃ、通知か。び、びっくりしたわい。やれやれ、隠密行動をしているときは通知を切れたりしないんかの?この頭に響く感じも嫌いじゃが、突然視界内にウィンドウが現れるのは致命的じゃぞ?
骸骨漁師の震えは気配が濃くなるに連れて治まった。そして、眼窩に瞳の代わりに収まっている灯火が赤から紫に変わった頭を左右に振り、周囲に不審な存在がいないかを確かめる。気配を殺している儂には気が付かず、ごつごつした壁の突起に手をかけるとそれを捻り、上へと動かした。
洞窟の壁の一部が音を立てずに奥へと滑り出し、人一人分の穴が現れた。その先には通路が延びいており、<暗視>を持ってしても終着点が見えないほど長い。なるほどのう、これほどの規模の横穴なら居住区が儂の探知圏外になっていても不思議ではない。おっと、閉まる前について行かねば、入れなくなってしまうの。
儂は相手に気が付かれないギリギリの距離を保ちながら、通路へと入る。ある程度進むと、突然壁の横から岩の板が飛び出して来おった。儂は慌てて閉まりきる前にその隙間をすり抜ける。振り返れば、板は入り口の方へと滑って行くのが見えた。
あ、危なかったのう。後もう少しで擂り潰されるところじゃった。しかし、通路へと後退した壁がどこに行ったのか疑問じゃったが、しばらく行ったところで横に収納されておったとは・・・こんな形では知りたくなかったの。む、骸骨漁師よ、儂が挟まれかけたんだから待っていてくれも良いではないか!
やれやれ、危うく置いて行かれる所だったわい。そう言えば、不死者は眼窩に灯る灯の色で知性の有無が分かれるとか聞いたの。確か、赤がなし、青がありじゃったか。更に言えば、プレイヤーは全員青色で、野良の骨人じゃと大体十体に一体くらいらしいの。例外は紫で骸骨にレイスが憑依しているときなどになる色だとか。となると目の前のこれは死霊の書に遠隔操作されておるということかの。
まあ、探知能力は依り代次第じゃろうし、問題なかろう。しばらくすると、行き止まりが見えた。どうやら、その行き止まりの上に当て穴があるらしく、縄梯子がそこから垂れてきておる。これはしばらく動けんな。縦穴の長さにもよるが最悪骸骨漁師が登り切る前に儂も登り始めねばならんかもしれん。縄を揺らさぬように上るのは至難の業なのだがな。むう、儂に≪十大隠形≫ほどの技量があれば、難なく熟すのじゃが・・・。
骸骨漁師は梯子に手をかけ、黙々と上へと上がっていく。奴の体が見えなくなった頃合いで、儂は縦穴へと近づき、そっと中の様子を仰ぎ見た。どうやら、縦穴は懸念していたよりは長くなく、天井までの高さは六メートルほどじゃった。
うむ、奴が天井を開ける仕掛けを動かしたら、それと同時に殺すかのう。儂がそう思案している間にも骸骨漁師は梯子を登り、遂に天井へとたどり着いた。ふむ、よく見れば天井の中央が出っ張っておる。なるほど、あれを押せば、天井が開くのじゃな。
そう思っていたのじゃが、儂の考えとは裏腹に何故か天井を三回連続で殴り付けおった。すると、鎖同士が擦れるような音とともに天井がゆっくりと上へと傾き始めた。もしかしなくても、あの出っ張りは罠じゃったのか・・・!?
よし、彼奴はもう用無しじゃ。せめて、一撃で沈めてやろう。儂は刀に闇属性を付与すると、素早く梯子を登り、未だ天井を見上げている無防備な頭蓋骨へと突きを叩き込んだ。魔石を砕く感触と共に、骨人からただの骨にとなったそれは重力に引かれ地面へと落ちていった。
戦闘終了を告げる通知がない、つまり、敵がまだ上にいるということか。儂は頭二つ分開くと同時に穴から目の前に見えた足首の関節に突きを入れて破壊し、外へと飛び出る。そして、足首を切り離されたことで傾いた骸骨剣士の眼窩にこれまた突きを入れて中にある魔石を割った。
素早く周りを見渡せば、鍛冶をするための炉と金床、その近くで金槌を持ちながらこちらを警戒している人族の女、そして、手動の巻取機を使って地下への入り口を開けている骨人が二体。儂は素早く二体の骨人に近づき、どちらとも首から上を切り落として仕留めた。ふむ、襲いかかられても、唯々巻取機を動かし続けるだけとは・・・思考能力の無い兵の欠点じゃな。
儂はこちらとの距離を少しずつ離していた人族の女に近づき、刀を突きつけた。・・・いや、角が二本とも根元から折れておるだけで鬼人か。儂と鬼人の間に静かな、それでいて重い緊張感が流れる。
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戦闘が終了しました。
種族レベルが上昇しました。✕8
進化可能レベルに達しました。
職業レベルが上昇しました。✕3
転職可能レベルに達しました。
レベル上昇に伴い、SPを獲得しました。✕6
進化レベルに達したためレベル上昇に伴い、BPを獲得しました。✕5
以後進化まで種族レベルの上昇に伴い、BPが一ずつ獲得されます。
<剣術>のレベルが上昇しました。✕12
武技<回転斬り>、<鋭突>、<三連斬>を習得しました。
派生スキル<刀術>を習得しました。
武技<袈裟切り>を習得しました。
<闇魔術>のレベルが上昇しました。
<付与術>のレベルが上昇しました。
<隠密>のレベルが上昇しました。✕3
<奇襲>のレベルが上昇しました。✕5
<暗殺術>のレベルが上昇しました。✕2
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その通知を聞き、儂は鬼人から一旦距離を離して刀を下ろした。鬼人は儂の突然の行動に警戒を強めたようじゃが、こちらの敵意を薄れたのを感じたのか、金槌を下ろした。されど、未だ儂のことを警戒しておるようで、即応できる体制を維持しておる。
ふむ、この娘・・・強いのう。技量面で言えばまだまだ改善点はあるが、この者から感じる気配の大きさは骸骨剣士を優に超えておる。この鬼人のレベルは儂の約四倍と行ったところか。流石にここまで差のある相手と戦って勝てる自信は無いの。
しかし、分からぬな。この娘、彼我の差が分からぬ訳ではあるまい。何故儂を警戒しておるのか皆目見当が付かぬな。ふむ、もしや・・・<鑑定>。
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名前:桜
種族:鬼人Lv51
年齢:74
職業:呪怨鍛冶師Lv5
称号:≪尾竜治貞の奴隷≫
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ほう、奴隷とな。なるほど、儂が尾竜とやら、十中八九死霊の書の持ち主の関係書であろう者の手下であることを警戒しておるのか。やれやれ、お主と共にいた骨人共を儂が倒しておったのを見ておったじゃろ。
それとも、たまに自分の戦力を削る馬鹿なのか?・・・死霊の書を持っているくらいじゃし、それなりの教育を受けられる上流階級の者であるはずじゃ。なれば、そのような阿呆なことはせんじゃろう。いや、死霊の書を盗んだ賊という可能性も・・・ないの。不死者を支配できる程の道具を取られて、見逃す者はおるまい。
うむ、それにしても物騒な職業じゃな。呪いの籠もった武器でも作るんじゃろうか?恐ろしいのう。呪いの武器なんて持つもんではないわい。恐らく、戦利品も此奴が打った物じゃと思うが、あの打刀呪われておらんじゃろうな。
「・・・おい、お前。死霊の書の下僕じゃねーのか?」
儂が考え事をしておると、鬼人の娘が訝しげに問いを投げかけて来た。




