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通知

 父が俺を見る。

 

「父さんと母さんと来る事もできるが、無理強いはしない。せめて、お前には好きなように最期を迎えて欲しい」


 もう、俺は何も考えたくなかった。

 こんな両親を見て疲れ切ってしまった。

 これ以上誰かに心を動かされたくなかった。

 

「俺は……ここに残るよ」

「……そうか」


 そう言って、父は眠ってしまった母を抱き抱えた。

 

「それじゃあ、父さんと母さんは行くからな」 

「うん……」

 

 そのまま振り返る事なく、父と母は家を去っていった。

 

 ——疲れた。

 

酷く悲しい事のはずなのに、もう悲しいと感じられないくらいに俺の精神は磨耗していた。


 俺はふらふらと自室に戻った。

 ばたんとベッドに倒れこむ。

 ふと、スマホの通知が鳴っていることに気づいた。


 ——でももう、誰とも話したくない。


 煩わしく思い通知を無視した。

 

 しかし、どれだけ無視し続けようとも通知は鳴り止まない。

 いっそ通知を切ろう、とスマホを手に取り画面に目をやる。

 

 そこにある名前を見て、俺の心臓は飛び跳ねた。

 

 ゆきからだった。

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