不思議な日記
すいませんヾ(・ω・`;)ノ
話の構成に苦戦しております(´TωT`)
今はまだ面白く先が書けない状態です(><)
しばし、練り直す時間をいただきたく思います。
この小説は、自分の小説を書くきっかけになった作品であり、これからも大事にしていきたいと思っております。
悲しい、嬉しい、優しい、寂しい?
ゆっくりと覚醒していく意識が、今見た光景を霞の彼方へ追いやって行く。
小さな物音と、ほのかに漂う消毒液の匂い…
(………白い…猫?と…優しい人?…)
私は夢を見ていたのだろうか?
懐かしいような寂しいような不思議な感覚が、胸の中を満たしている。
薄目を開いて首を横に倒すと、窓に今の自分の姿が映っていた。
色白の肌で長い黒髪に、少し痩せすぎで骨ばった顔…
私は少し太らなくちゃいけない…
(変な夢…なんだか今日はおかしいかも…)
理由のわからない不安な気持ちを抱えて、私は体を起き上がらせた。
朝の光が優しく部屋の中を暖めているが、曇り空になっているらしく、眩しいとは感じない。
ここは市立病院で、私は現在入院中だ。
部屋は個室になっていて、様々な機材が設置されている。
(帰りたいな…)
小学校低学年の頃…体に重い心臓病を抱えている事がわかり、激しい運動やお酒など、心臓に負担がかかる行動は全て医者に制限されている。
好奇心は多い方なので、本当は色々やりたいと思っているのだが、本を読んだりテレビを見たりして我慢している状態だ。
この病気を改善するには、開胸手術をするしか方法は無く、成功確率は50%だと医者から説明を受けた。
その時の私の気持ちは、人生の行き止まりを見ているような…とても一言では言い表す事が出来ない…
手術が成功したとしても、良くなるかどうかはわからず、体に消えない傷が刻まれる事になってしまう。
半分の確率で、死んでしまうかもしれないリスクを背負っても、確実な未来が保証されているわけではないのだ。
私は手術の事を考えるだけでも恐ろしく、何で私だけ?っと、健康な人を見ると、黒い感情に支配される事もあった。
自分の嫌な部分ばかり見せつけられるようで、対人恐怖症と言える程の人見知りだ。
両親は無理に手術を強要してきたりはしない…私はその気持ちが本当に嬉しく、とても救われている。
(うん、今日も生きてる!神様ありがとうございます。
今日の夜ご飯は、デザートにケーキが出るんだよね!
早く食べたいな)
季節は春なのだが、私の病室は5階なので、窓の外を眺めても余り季節感は感じない。
しかし、少し遠くまで見渡すと、桜の木が色付いているのがわかった。
(外は気持ち良いのかなー?)
「花凜ちゃんおはよー、はい」
窓の外を眺めてぼーっとしていたからか、人の接近に気付かなくて、急に掛けられた声に少し驚いた。
小さいサイズのナース服を無理矢理着て、ぴちぴちの姿になっている看護婦が、私の朝の体温を測るために、検温にやってきたのだ。
この看護婦さんの名前は真理子で、年中恋人募集中である。
真理子は中肉中背で人間のような顔つき…あ、いえ、人間です…間違いない…かも?
真理子は、いつも優しい笑顔で私の良き理解者である。
私の名前を呼んだ真理子は、慣れた動作で体温計を渡してきた。
「まりちゃんおっはよー!」
私は笑顔でいつも通りの挨拶をすると、真理子は顔をにっこりとさせる。
「ふふ、今日も元気ね」
「うん!今日は外に出れるくらい元気だよ」
「最近体調安定してるから、後で先生に相談しましょう」
「え?いいの?」
「今日すぐ許可が出るかはわからないけど、花凜ちゃんも頑張ってるからね」
「お風呂は?」
「それはまだだめね」
真里子は私の体調をしっかりと確認する。
四六時中付けられている心電図が、もしかしたら外してもらえるかもしれない。
真理子との付き合いは長く、今でこそ私もここまで会話が出来ているが、最初の頃は真理子も大変苦労したはずだ…
私は知らない人と接するだけで、緊張からすぐに不整脈になり、具合が悪くなってしまう…
今ではすっかり仲良しで、私は真理子にべったり甘えている。
「昨日はよく寝れた?」
「う、うん…」
「…じー」
「すっきり快調だよ!」
真理子の見透かすような視線にドキっとした…
私は体を激しく動かしたり出来ない代わりに、暇があればずっと本を読んだりしている。
本の続きが気になって、消灯後にもこっそり本を読んでいたりしてるので、巡回の看護婦さんに怒られる事も度々あるのだ…
「かーりーんーちゃーん?」
「て、てへ」
私のあからさまな誤魔化しに、真里子は溜息を吐きつつムッとするが、その顔だけを向けてくるに止めている。
真理子は私を強く叱る事は滅多に無い…
それは私から少ない楽しみを取り上げないためだ。
私は真理子に対して元気そうに振舞っているが、体調が急変して危ない状態になる事が度々ある。
真理子は私に無理をさせたくはないが、許容範囲なら見逃してくれるのだ。
検温が終わり、私の体調を確認した真理子は、他の患者さんを見るために病室を出ていった。
今日の診察と検査を終えると、窓の外はすっかり暗くなっている。
(ふふふ〜)
私は献立を見て、前々からとても楽しみにしていたメニューに目を通す。
小さな桃のショートケーキ!季節外れなので缶詰めを使っているのは明白だが、それでも大好物には違いない。
少しずつ削るように食べながら、私は今日の日記を書いていた。
小さな幸せを感じながら、まったりとした時間が進む…
――――カツカツカツ
私の元へ誰かが近づいて来るのがわかった。
真理子が今日も消灯の前に、私の様子を見にきたのだろうと思ったが、姿を見るまでは自然と体が強ばってしまう。
姿を現したのはやはり真理子だった。
ベッドの脇にまで来て、私に微笑みかけてくる。
「花凜ちゃんケーキ美味しそうだね」
「献立みて楽しみにしてたからね、まりちゃんもどうぞ」
大事なケーキではあったが、真理子に1口差し出して食べさせた。
自分の好きな人が、笑顔になるのを見るのがとても嬉しく思う…真理子が笑ってくれたので、私も自然と笑顔になる。
「美味しい!」
「でしょ~♪」
真里子も私の気持ちをわかってくれているので、私が差し出すケーキを断る事はしなかった。
「今日は早く寝るのよ?明日お母さんお見舞いに来るんだから、体調悪くしないようにね」
「うん!今日は美味しいケーキ食べたから、日記書くのも捗るよ」
「ふふ、ごちそうさまでした」
私は日課として、夜寝る前に日記をつけている。
日記といっても書く内容は様々だ。
自由ノート兼日記帳なので、紙の消費はとても激しい…
書くスペースがほとんど無くなっていたので、お母さんに新しい日記帳を買ってきてもらおうと思う。
家族が確認出来るように、すぐにスマホからメッセージを送信しておいた。
他に何か書けるものがないかと思い、私は自分の荷物を漁ってみる。
「何か探し物?」
私は自分の世界に入っていたようで、少し真理子の事を忘れていた…顔を上げて真理子を見ると、真理子も私の荷物を覗き込んでいるようだ。
「ちょっと…日記の書くスペースが無くなってきちゃって…何か書ける物ないかなーってさ」
「そっかー、じゃあ明日お母さんに買ってきてもらわないとね」
「うん!う…ん?あった!」
私はなんとなく、下着などの着替えが入っている荷物の中を漁っていたら、中から立派な日記帳が出てきたのだ。
「あら、良かったわね」
「お母さん買ってきてくれてたんだ…」
(凄く立派な日記帳…表紙に樹木の刺繍がしてあるし…こんなの初めてみる…高そうだから大事に使わないと)
新しい日記帳があるのを知らなかったので、さっき家族のグループにメッセージを送ってしまっていたのだ。
訂正しようかとも思ったが、日記帳は何冊あっても困らないので、明日お母さんが来てから言えば問題無いだろう。
私は真里子と他愛のない会話を続けていたが、用事を済ませた真理子は病室を出ていくようだ。
「花凜ちゃん、おやすみなさい」
「おやすみなさーい」
真理子が病室を出ていったので、私はさっき見つけた新しい日記帳を開いてみる。
突如溢れ出した樹木の香りで、病室に居ながらまるで森林浴でもしているような不思議な感覚に包まれた。
清々しいくらい凛とした空気…心が洗われていくかのようで、私は目を閉じてみる。
(森の中にいるみたい…ありがとうお母さん)
想像の中に広がる森林、こんな場所でピクニックでも出来たら楽しいかもしれない…
実際にそれをしようと思うと、手術を受けるしかないのだが、少しだけ気分を味わう事が出来た。
私は目を開き、お気に入りのシャープペンを取り出す。
(ケーキ美味しかったな〜…毎日食べたいけど、献立みると次は半月後なんだよね…)
私は果物が好きで、特に桃が大好物である。
次に好きな果物は洋梨だ。
ケーキも好きだけど、あまり沢山食べる事は出来ない。
食べ過ぎると吐いてしまうのもあるが、すぐにお腹が悲鳴を上げるのだ…
日が落ち暗くなった窓の外を眺めると、私は日記に好きな物を毎日食べたいな〜って書いていた。
そうしているうちに、他に色々なやりたい事や希望を書き出していく…
1、恋愛がしたい
2、好きな物をたくさん食べれる身体が欲しい
3、誰にも迷惑かけないくらい強くなりたい
4、長生きしたい
5、友達が欲しい
6、お父さんとお母さんがずっと元気で生きていけますように
7、胸が大きくなりますように…お願いします本当に!
私は他にもたくさんたくさん書いた…
恋愛は医者に止められているのだが、そもそもこんな病院の個室に出会いなんてないのだ…
願望を書いたらきりがない…普段から病気で不自由しているだけに、自分の身体に対する願いが多いかもしれない…
同年代の少女の願いとしては、なんだか年寄り臭い感じがする。
今年の冬で14歳になるのだが、私の世界はとても狭い…普通の子なら何を願うのだろうか?
少なくとも、自分が親より先に死んでしまう事なんて考えていないだろう…
大好きな両親に、私は何時までも笑っていて欲しい…
私の心臓は何度も活動を停止しているので、当たり前の明日なんてものは何処にもないのだ。
何をするにもまずは丈夫な身体!それがないと、どうにもならないのである。
全て書き終わった私は、自分で書いた願望を読み返してみた。
願いの多さにびっくりしたが、気分はすっきりしたので、満足して日記張を閉じる。
(生きてるうちに、私にも叶えられる願いがあればいいな♪
幸せな家族に囲まれて…)
無理なものは無理だと分かってはいるが、それでも願わずにはいられない。
(もし私が居なくなっても、お父さんとお母さんが元気でいられますように)
夢を願う事だけは、誰の許可もいらないのだ。
(今日も無事生き永らえる事が出来ました…神様ありがとうございます)
翌朝、何故か意識がはっきりしない…
(あー…また…)
私は朦朧とする意識の中で、自分の現状を理解した。
遠くに聞こえる足音や、自分の身体が動かない事を感じて、不安が大きくなっていく…
(苦し…い、お父さん、お母…さん、まりちゃん…)
薄目で周りの状況が少しわかる、まだ外が暗い事から夜なのだろう。
(みんな…いる…?)
病院から連絡が家族にいったのだろう…両親が来てくれていて、私の手を握ってくれている。
(温かい…)
私は安心した…安心したら涙が出てきてしまう。
自分の身体が鉛のように重く、全身の感覚がない…
「花凜!」
意識が戻った事に気づいたのだろう、両親から私を呼びかける声がかかる。
お父さんに強く握られた手、私は頑張って手を握り返した。
(お父さん…お母さん…ごめんね…声が出ないよ…)
繋がれた呼吸器が、とても苦しい…
たくさん愛してもらって、まだ私は何も返せてない事が悔しい…感情が高まり涙が溢れ出した。
(お父さん…お母さん…愛してるよ…幸せだよ…言葉にしたいのにな…何度だって愛してるよって言いたいのに…声が出ない)
「…っっ…」
「花凜…」
「大丈夫だ!大丈夫だぞ!花凜」
母親の名前の呼ぶ声と、父親の力強い言葉…握られた手がとても熱い…
(ダメ…死にたくない…でも)
私は意識が遠くなっていく中で、最後に精一杯の笑顔を作る事にした。
(神様…どうか…お父さんとお母さんに……ぁ…ぃ)
私の意識はどんどん薄らいでいく…
皆が見つめる中、私は限界になり意識を手放した。
****
「大丈夫ですよ、やっと安定しました」
医者は額に汗を流し、状態が安定した事を花凜の両親に告げる。
「ありがとうございます!」
母親は、父親が握っている花凜の右手を一緒に握る。
花凜はもう片方の手に、寝る前から日記を強く掴んでいたみたいだ…
「花凜、良く頑張ったな」
「良かった…良かったよぉ」
母親は大粒の涙を零した。
****
(あれ?ここはどこなんだろう?なんだか気持ちいいな…)
鬱蒼と茂る深い森の中、まさに大自然と言うのに相応しい…
日記を開いた時に、私が想像した森とそっくりである。
その中に一際大きい私が居た…ん?
(…えーっと…私はやっぱり死んじゃったのかな?)
身体を撫でる心地よい風を感じながら、だんだん意識が覚醒していく…
(うぅ…ごめんなさい…お父さん…お母さん…)
結局最後は伝えられなかった…私は両親に何を残してあげられただろうか?
しかし、涙は出ないようである。
(清々しい空気、美味しい空気、とりあえず空気、気持ちいい日光、吸い上げる水、ん?)
なんだかおかしい…今までの感覚と何か違う…
だんだん自分の輪郭がはっきりしてきた。
地面から太く真っ直ぐ伸びる体、上にいくほど先細りし、枝分かれする…
(これって…え?私木になったの?え?)
目があるわけではなさそうだが、何となく体全体でその事実を感じる事ができた。
不意に日記に書いた事が頭の中をよぎる。
(丈夫な身体…長生き…?美味しい物?空気?水?日光?誰にも迷惑をかけない?とは思うけど…恋愛は?ねぇ恋愛は?)
大事な事なので2回だ!
(恋愛は?)
3回だった…
(ねぇ…)
…
私は頭の整理が追いつかなくて、とりあえず考えるのを辞めた…
まず頭は無いのだけども…
(うーん…とりあえず寝ようかな?…わからない事だらけだけど、時間はたっぷりあり…あるのかな?
お父さん!お母さん!花凜は立派な木に生まれ変わったよ!)
――基本的に性格は明るい方だとは思うが、少し適当な…少し?人見知りで甘えたがりな大樹がここに誕生した――
未熟な文章を読んで下さりありがとうございます。
小説を書くのは初めてなので、基本も何もわかっていません。
やはり読むのと書くのでは全然違いますね…
ブックマークもしてもらえて、読んでくださる方がいる以上、最後まで責任を持って書き上げたいと思っています(*^^*)
これからもよろしくお願いします!




