表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀山に憑りつかれた男 -あの時代で銀山をもう一度-  作者: 有坂総一郎
魂の再会したら何故か天文3年に居ました
4/23

元就はしつこい勧誘員の様だ!

どうも、こんにちは。尼子詮久(2周目)です。


2周目の人生について横からアレコレと介入干渉してくる「お前は俺のオカンか!」状態の銀山の精霊のおかげで割とうんざりしています。


なんでしょうね?


彼女はとある世界の駄女神なのか、それともとある世界の横乗りしてラリーにも出てくれるような女神様なのか、どっちなんでしょうね?


どちらかと言えば、後者の方が好みなんですが……。

天文3年(1534年)


 夏の終わりのイベント騒ぎ(塩冶興久の乱)の後始末が割と大変でした。


 ええ、1周目と同じで、備後山内家が毛利家と通じようとしていたので、興久の乱への加担という容疑で踏みつぶしておくことにしたのです。


 備後北部を抑えておくことは今後の計画上でも大事なんですよね。地図を見てもらえばわかると思いますが、出雲……我らが本拠月山富田城から山陽へ抜けるには横田を抜けて備後落合、庄原へ出て、南下し福山に出るのが最短ルートです。


 幸い、横田近辺は親戚の真木家の領地ですし、庄原付近は親尼子派の国人衆がいくつか点在しています。しかし、庄原盆地のの中心付近にいるのが備後山内家であり、非常に厄介なのです。


 そこで、国久を中心とする軍勢に包囲させることとしました。


「でも、そこで鬼畜ジジイ(元就)に邪魔されたのよね?」


 ええ、そうですよ。奴がここまで早く動くとか思っていませんでしたからね。


 ですが、そんなこともあろうかと、一応伏兵を用意しておいたのです。どちらかと言えば、伏兵が本隊ですけれどね。


 甲山城から新宮党を囮にして引っ張り込んで伏兵で返り討ちにしてやりました。備後北部は我が尼子の裏庭。毛利の好きにはさせません。


挿絵(By みてみん)


「殿~、そうは言うけれど、そのせいで農繁期に影響が出てるよ?」


 痛いところをついてくれるね……。確かに農兵分離していないから戦には農兵を動員したよ。元々、興久の乱で動員したままだから、そのまま活用したわけだけどさ。


「そのおかげで勝てたけれど、結果的に農作業に影響が出てるんじゃ戦術的勝利の戦略的敗北になっちゃうじゃない?」


 そう言われてもなぁ……。ここで攻撃しておかないと備後北部の支配権を失いかねないからね……。本当は備後山内家の領地を直轄地にして知行地ではなく蔵米支給制度に変えたいんだけれどね。さすがに今はまだ時期が早い。


「そうだね。やるなら直臣で実施するべきかもね。殿の子飼いなら文句言ってこないだろうし、活躍次第では蔵米支給も増えて領地経営するコストが減るものね。彼らにとっては良い話よね」


 まぁ、領地没収で蔵米支給に変更される側にとっては悲劇的だけれどね。まぁ、裏切った連中は容赦なく領地没収で蔵米支給に変更していくけれど……。


「問題は忠誠度の高い国人衆だね。白鹿城の松田家、瀬戸山城の赤穴家とかは忠誠心の塊だしねぇ」


 まぁ、彼らにはそれなりに役得を与えて柱にしないとね……。


「そうそう、殿と同じで『銀命、石見銀は俺の嫁』な本城常光さんはどうするの?」


 あぁ、彼かぁ……。彼の裏切り癖は結局、強い奴には従う、銀があれば尚更……って奴だからなぁ。


「そうだね。それに小笠原長雄さんも、『銀命』だったよね?」


 そうだね……彼を救えなかったことで銀山防衛の外堀を失ったようなものだしなぁ。


「彼らにはわたくし(石見銀)で懐柔出来るのだから早めに味方にしちゃいなよ!」


 まだ銀山に出張るには早いよ。次は出雲国内の掌握。鉄がなければ軍資金を手に入れることが出来ないんだからね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ