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俺だけが使えないアカシックレコード ~規格外のクラスメイトたちに命乞いして無人島を生き抜きます~  作者: クレハ コウヨウ


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12/12

12話 「朝の収穫準備」

頭を下げた後、座りこみ、天を見上げる。


見事な満天な空。


「昨日とは段違いだなぁ」


としみじみと言う。


「昨日はどんな感じだったんだ?」


「シンシンとした夜だったよ。」


「へぇ。」

とポテチが相槌をうつ。


「実際にシンシンって音が聞こえてな。

あれ、比喩表現じゃないって初めて知ったよ。」


「大変だったな。」

コーラも続く。


「ああ、植物から大量の水の確保の仕方があるって聞いたことはあるけど、やり方も道具もなくてな。」


「植物ねぇ」


「調べられないか?500m以内で採取出来る所とかさ。」


2人に聞いてみる。


「あるみたいだな。」


「夜でも辿り着けるか?」


「ああ、大丈夫。それから袋を茎に縛るのも何とかなりそうだ。」


コーラはペットボトルのキャップを取り出す。


すると自然に穴が開き、

紐を通せそうな形へ変わった。


さらに一度大きく広げた後、

袋の口を絞るような形へ変形させる。


「おおっ、すげぇ」

思わず声が漏れた。


「よし、早速行こうぜ。案内よろしく。」


ポテチに誘導してとのアクションを起こすと、


「お前がやってみたら?」


とそっけなかった。


あれ?もしかしたら、もう眠い?


「あー、残念だなぁ、朝の感動体験出来るのに。」


ピクリ。


ポテチの肩が反応した。


「そうだぞ、今から仕掛けるのは、植物集水術っていってな。根圧を利用するんだ。」


「それってすぐ出来るか?」


「おう、近くにスポットがある。」


「よし、行くか!」


とコーラの追い打ちが聞いたのか、

ようやく乗り気になった様だ。


夜道を難なく歩き数分、木が周りにない場所に出る。そこには一見、水などはありそうにない。


「ついたな。」


「ここか、早速どこだ?」


「探してみろよ!」


「どれどれ?・・・ここか。」


2人は早々に動こうとする。

その前に確認したいことがあった。


「ちょっと待ってくれ。聞きたいことがある。」


もうすでに2人は1m位に真っ直ぐに伸びた茎を折ろうとしている。


「今の行動って、自分達が元々持ってた知識で動いてる?」


「いや?」


「何となく?」


「何となくってことは、アカシックレコードを使っているよな?」


「???」

2人とも不思議そうにする。


「水が取れるってだけで動いてるのか、量が多く取れるってわかって動いてるのか知りたい。」


「これにしようってだけ。」


「俺も」


「だったらさ、この中で朝までに取れる量を調べられるか?」


「今のは300」


「勝った、俺の450」


「意識すればわかる。意識しないとぼんやりって感じか?」


「それは知らん」

2人の声が揃う。


だが、その数秒後。


「ああ」

「そういうことか」


二人は勝手に納得したように頷いた。


どうやら自分達の『知らん』に反応して、

アカシックレコードが補足を返したらしい。


いや、内容教えてくれよ。


「取れる量の順番とかさ。十メートル以内なら分かるとか、近くに行けば量だけは分かるとか。どんな風に感じる?」


気を取り直して聞いてみる。


しかし二人はすでに作業を始めていた。


ポテチは茎を折り、

袋を被せる。


そのままコーラの所まで行き、

袋を押し付けた。


「締める作業はお前しか出来ないじゃん。俺が被せるから後追ってくれ。」


「わかった。」


コーラは手際よく袋を固定していく。


「……ん?今なんか言ったか?」


聞いてなかったのか。


「だからさ。離れてても水が出る量の順番は分かるのか?」


「あー……」

少し考える。


「混じって分かりにくい。」


「つまり出るには出るんだな。」


「たぶん。」


「なら三百五十以上で絞ったら?」


「あ。」

ポテチの動きが止まる。


「なんか整理ついた。」 


「見える。」


視覚で確認できるのは便利だ。


条件を付けると情報が整理されるらしい。


設定していた『整理機能』がきちんと働いているのが分かって、少し嬉しくなる。


「次は、この三十メートル圏内に候補が何か所あるか。視覚じゃなくて答えとして出せるか?」


「三十。」


即答だった。

視覚だけでなく、

頭の中でも答えを返せるらしい。


どうやら答えはYESのようだ。


「そうか。じゃあ三十全部やる体力はあるか?」

「ない!」


またしても二人の声が揃う。


思わず笑ってしまいそうになる。 


だが、実際に作業しているのは二人だ。

自分は手伝えていない。


後ろを向き、

こっそり笑いをこらえた。


結局、

候補の中からベスト十を視覚表示して作業することになった。


しかし、ぼーとしてると来ている意味がない。

今後の為にもやろうとする意思だけでも見せよう。


「どれを選べばいいかわからないけど、

手伝えることないかあ。」


作業は半分位は終わっている。


「大丈夫。それよりもっと近くに来いよ!」


とコーラが言う。


「そうだぞ。お前も茎を折るくらいはやったら?

どうせ最後はこいつしか出来ないし。」


言われるまま近付く。


「あのさ。」


ふと思っていたことを口にする。


「そういえば、ずっと気になってたんだけど。

「ん?」


「お前ら、お互いなんて呼んでるんだ?」


二人が顔を見合わせる。

「お前。」

「お前。」


「いや、それ会話成立するのか?」


2人らしいというか、これが幼稚園からの付き合いの賜物なんだろう。


雑談しながら作業を続ける。


自分は茎を折り、

ポテチが袋を被せる。


そしてコーラが、

ペットボトルの蓋を使って器用に口を閉じていく。


目の前で見ても実に見事だった。


試行錯誤でここまで出来る様になったのか。


少し気になって聞いてみる。


「ここに来てからさ。蒸留水の話は聞いたけど、

他には何をやったんだ?」


「えっと……」


ポテチが指を折る。


「水。」


「海にペットボトル。」


「蛸壺。」


「待て待て待て。」

思わず割り込む。


「海にペットボトルってのも分からないのに、なんで次が蛸壺なんだよ。」


「そっちか。」


「そっちだよ!」


「ペットボトルの釣果が水槽のやつな。」


「ああ。」


「ペットボトルを三メートルくらいまで広げてさ。」


「三メートル?」


「潮が引いた時に出られなくするんだよ。」


「なるほど……」


なるほどじゃない。

やっていることは分かる。


分かるのだが、

スケールがおかしい。


「全部は持って帰れなかったからな。」


「大きいやつだけ袋で運んだ。」


「調理道具はあるのか?」


「まだないな。」


「そうか。」

少し考える。


「なら明日やりたいな。」


「蛸壺回収もな。」


そういえば、

蛸壺の話はまだ聞いていなかった。


「蛸壺ってさ、どこにどの位置いたんだ?」


「岩場の影に何ヶ所かに分けて30個」


「そんなにか、それで、今何個に蛸が入り込んでるか、わかるか。」


もし分かるなら、アカシックレコードは近くの情報だけではなく、離れた場所の状況まで取得できることになる。


豪華客船やクラスメイトを探す時にも役立つかもしれない。


そう考えたのだが――


「楽しみにしてんだから、やめろよ。」


ポテチが即座に却下した。


不粋だったなと反省し、

蛸壺の結果は明日まで持ち越しとなった。


そのまま拠点へ戻り、

今日は寝ることにする。








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