表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独なダンジョン攻略  作者: 主食がお菓子
10/31

知らなかった事実

次の日からはビックラビットを倒しては素材を買取してもらい、またビックラビットを狩るというループを行った。俺1人ではまだまだビックラビットに擦り傷を与える程度で、ルコの助けがいる。


「ルコのおかげで経験値が入るけど、レベル自体上がりにくいのかビックラビットに勝てないな」


「主人、諦めたら潰します」


どっちを?! その言い方だと、対称は俺なのか。


「いやいや、探索者になってからまだ一週間も経ってないし。諦める選択肢はない」


今は自分の為に費やせる時間が山ほどある。諦めなければ、いくらだって強くなれるんだ。


気合いを入れ直し、2階層をまわりスパンされたビックラビットを探す。買取センターのお姉さんが言ってたけど、ビックラビットの遭遇率は低い。歩き回るが、なかなかあの巨体を見つける事が出来ないので、朝から入って夕方ダンジョンを出たとしても5体しか狩る事が出来なかった。


ちなみにラビットサイズのモンスターは匹、ビックラビットの様に大型のモンスターは体と数え方が変わる。


「本日もご利用ありがとうございます。凄いですね、ビックラビットがこんなに市場に出る事は珍しいです。このダンジョンが賑わっていた頃でも、皆さん避けていましたからね」


ルコが首締め技を覚えてくれたおかげで、5体も素材を全て出す事が出来たのが大きい。ただその分、買取センターとダンジョンを往復する羽目になったけど、お金の為だ、我慢した。頑張った。


「では、確認後こちらにサインをお願い致します。それと、こちらに本日買取して頂きました合計額です。後、買い戻し予定のお肉をお渡し致します」


もうダンジョンに潜らない事を伝えると、事前に買い戻し希望をしたビックラビットの肉パック1つを持ってきてもらった。


「凄い金額になってますね」


牛5頭分相当の素材になりますからと苦笑いされた。一頭分の肉の量が役310キロ。それを掛ける5にすると……肉だけで155.000円。1パック5キロ分を引いたとしても、全素材合計で18万円とちょっとの収入を得たのだ。


1日でこれだけ稼いだ。ダンジョンは儲かると言われるのも頷ける。


「ビックラビットは質も量もランク2の下層モンスターに匹敵しますので。こう言ってなんですけど、ここのダンジョン。ビックラビットを狩る時点で初心者ダンジョン卒業なんですけどね」


内緒ですよーと小声で教えてもらった。初心者ダンジョンにはもう一つの顔がある。それは、資格を取得してから全国にあるダンジョンに挑むための登竜門的立ち位置だ。幸い、都道府県全てにランク1のダンジョンが存在する。


そこに目をつけた政府は、探索者に裏試験として初心者ダンジョンを突破出来た者だけが、次のランクに挑戦できるルールを設けた。


「ビックラビットの様なボスより強い例外はこの北浅井ダンジョンぐらいなので、合格基準はあくまでダンジョン突破なんです。明日3階層に挑戦してみてください。サクサクとボス部屋のある5階層まで行くことが可能です」


知らなかった。そんな、情報本にもネットにも上がっていなかった。裏試験の事は、公式発表されているけど、ビックラビットがボス以上の強さだったとは……。


「ここのダンジョン、初心者ダンジョンでもガラガラですよね。実はこのダンジョンが不人気なのは、このビックラビットのせいでもあるのです」


どうゆう事だ?


「他はボスを超えるモンスターが途中階層には存在しません。居たとしてもユニークモンスターです。ですので、順調にレベル上げを行いながら、次の階層に挑めます。…しかし、ここは2階層にビックラビットがいます。一階からいきなり3階層レベルに持っていくのは、なかなか時間がかかり諦める探索者が多いのです」


「それで、他の初心者ダンジョンに人が流れると言う事ですか。なるほど、人気 (ひとけ) がない理由がわかりました」


俺が資格を取ったあの日、何人が同じ受験者を見たけど……不合格になったのではなく、よその初心者ダンジョンに行っていたのか。


「高橋様、ぜひ北浅井ダンジョンクリア者になってください。ここ何年も閑古鳥が鳴く状況で……」


「はい、最初からそのつもりです。お姉さんの「岸 楓 (きし かえで ) です」…岸さんの期待に応えてみせますよ」


ルコがいるからと口に出そうになったが、いや、ルコに頼るんじゃなく、俺の力でボスを倒してみせると心に誓った。


「使い魔さんの話は聞いています。お強いんですよね。ですから、高橋様は高橋様のペースで無茶はしないでください」


私、ずっと応援してますからと励まされた。今度からは俺が倒した、と胸を張って言える様に頑張ります。東堂さん経由だと思うが、俺は強い使い魔を従えている凄い探索者として有名なんだそうだ。


人がいないダンジョンにいるから、そんな話が出回っている事に気付かなかった。


複雑な気持ちでセンターを後にした。母さんに土産の肉を渡し、風呂に浸かって疲れと共に複雑な気持ちも流した。クヨクヨ悩んだって仕方ない。気持ちを切り替えて明日からまた頑張ればいいじゃないか。ルコのおかげで俺も強くなっているはずだ。


飯食って、寝れば、ほら朝日が気持ちいい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ