第七十九話 噂
最近気になる噂を聞いた。
「勇者ですか?」
「ああ勇者だってよ。」
今にも笑い出しそうなアクアさんとは逆に、私はプルプルと涙目だった。
噂とは、勇者が魔王を探していると言うものだった。
「とうとう、私に死亡フラグが……。」
勇者に殺された場合私はいったいどうなるのだろうか?不安と恐怖で良くない方向に考えが膨らむ。
「まあ、勇者だろうが何だろうが、躑躅を殺すためにここに来たら速攻でトルテが殺すだろうな。」
確かにトルテさんはすごく強い。その上、魔王である私に並々ならぬ執着心を抱いている。何もしないでただ通すなんてことは無いだろうけど、自分が魔王と言う称号を持っている以上、落ち着くことができなかった。
「如何しよう。」
「まあ心配すんなよ。俺たちだっているんだから、平気だろう。」
涙目の私を慰めるように頭を撫でる。
「でも、勇者ってどんな奴なんだろうな?」
私の頭を撫でながら勇者について考察しているアクアさんを見て、絶対に楽しんでる。と確信を抱いた。
他に何か情報はないかと情報収集に出た。
「勇者?そんなのは聞いたことありませんが、魔王様が心配されるなら片づけてきましょうか?」
「言え大丈夫です。気になっただけなんです。」
トルテさんの目が黒くなったことに気付き逃亡。
「勇者?気になるのなら捕まえてきてあげるわよ?それでどんな特徴かしら?」
「いえ、大丈夫です。」
ルイさんは何も知らなかった。
「え、勇者?ごめんね。分からない。」
「知らないならそれでいいんです。」
何も知らなかったのか、困り顔になってしまったのでノエルさんに謝罪した。
「ZZZ。」
「……。」
ロランさんは気持ちよさそうに眠っていた。
あれ?もしかして私凄いピンチ?




