第六十四話 遭遇
「此処はいったい何処なんでしょうか?」
「さあ?」
アクアと躑躅は、未だに一本道から外れることは無くまるでどこかに導かれるように、ずっと同じような道を歩いていた。導かれるというよりは、道が一つしかないのが現実だけれど。
しばらく歩き続けると、道が増えたことに気が付く。
「アクアさん!道がありますよ!崩れそうじゃない、ちゃんとした道!」
嬉しそうに躑躅が声を漏らし、その三つに上に飛び乗る様に、ジャンプするとドカンッと言う大きな衝撃音を耳にする。アクアにも聞こえたのか、急いで躑躅のそばに移動する。そして、近くの岩が激しい音をたてて、崩れ落ちた、
「うう、いてて、」
「ロランさん!?」
「何でロランが!?」
あちこちに火傷のような傷や、擦り傷を作ったロランさんが現れたことに、私もアクアさんも嫌な予測をたてた。恐らくイフリートと戦っていたか逃げていた。
私は、急いでロランさんの飛んできた方向に走っていく、近づけば近づくほどバキッとかドカッとか大きな音が聞こえる。やっぱり誰かが戦ってるんだ。
「トルテさん!」
私はイフリートに攻撃を加えるトルテさんと二人の天使の姿を発見して驚いた。それと同時にあまりにも大量の火傷の傷を作っているトルテさんの姿を見て、私はトルテさんの名前を叫んだ。それ以上攻撃しては危ないと言う様に。
そんな私を見てトルテさんは少し驚いた表情を見せたものの直ぐに無表情に変わり、そのままイフリートへ攻撃をつづけた。私の言いたいことに気が付いているはずなのにそれでも攻撃の手を休めることのないトルテさんに、私は驚いた。
そして声にならない、悲鳴を上げた。
アクアさんもトルテさんの状況を危ないと思ったのか、水の魔法をトルテさんに放った。
「トルテ!無いよりは多少ましだろう?」
トルテさんの火傷は治りこそしていないものの、いくらか腫れがひいたようにも見えた。トルテさんは無表情のままアクアさんを見据えると珍しく自分から一言だけ喋った。
「今回は感謝します。」
短いお礼の言葉に、アクアさんが目を見開き驚いていた。けどアクアさんは直ぐに笑顔になった。そして、
「どういたしまして。」
と嬉しそうに笑った。でもすぐに表情が真剣なものになり、イフリートをじっと睨み付けた。それに続くように私もじっとイフリートを見た。
あのトルテさんが負傷するほどの力を持つモンスター、如何すれば倒せるだろうか?




