表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/81

第五十七話 原因

「すまんツツジ!レイラがまたやらかしたようでな。」


「また?」


エルメルの発言に、私はキョトンと驚いた。何か前例でもあるのだろうか?


「レイラがアクアに対して恋心を抱いているのは、知ってるだろう?」


「はい。」


さっきレイラさんから聞いていたので、私はその通りに答えた。


「まあ、物の見事に振られて、それが面白くなかったレイラが、アクアに会う度にちょっかいを出すようになったんだ。」


「……。」


 別に、話を聞いてても不思議なことではないと思ってた。ただレイラさんがそこまで子供っぽい人だとは思わなかったけど、よくあるツンデレのような人がとる典型的な行動パターンだと思った。


「レイラの悪戯は達が悪いんだよ。」


 エルメルがあまりにも眉を歪めて言うものだから、何となく私もアクアさんの怒りに気持ちが分かってきた。要するにアクアさんの地雷を踏みぬいたと。


「まあ、本人に内緒で言うのも悪いし内容は伏せておくが、俺が聞いてても、あ、やばいって思うような内容だった。」


それはもう内容を暴露しているようなものなのでは?とは言わないでおいた。


「取り敢えず、作戦と言うものを聞かせてもらえますか?それを聞いたら、私たちは帰らせてもらいます。」


お互いにその方が被害が少ないでしょう。と思った。


「作戦と言ってもだな、今回とんでもない物を発見した。」


「とんでもない物?」


 何やら嫌な予感のする言葉に、私は眉を顰める。


「魔物の化石だ。」


「魔物の化石!?」


 初めて聞く言葉に困惑する。魔物の化石なんてあるんだ。いや、それ以前に魔物が化石になるほどの歴史がこの世界にはあったんだ。


「その魔物はおそらく、イフリート、かつてこの世界すべてを焼き尽くしたと言われる魔物だ。」

 

 その言葉に私は衝撃を受ける。イフリートって炎の精霊とか神とかそういう形容詞の付いた精霊っていうイメージしか無かったけど、真剣な表情で語るエルメルに、私は無理やり自分を納得させた。


「でも、それが本当だとして、化石ならもう死んでるはずでは?」


 私の問いにエルメルは暗い表情になった。


「如何やら化石の一部にひびが入り、そこから強烈な魔力が漏れ出ている様子だった。」


 その言葉に私も固まる。もし、化石の中からイフリートが出てきたりなんかしたら、また、この世界は焼き尽くされてしまう?とんでもない情報に私はカタカタと震えた。


「そこで私たちは、それぞれの種族と手を組み、イフリートの化石の討伐に挑もうと思う!」


「ええ!?」


 嘗て、一つの世界を滅ぼそうとした魔物の討伐、いくら今が化石の状態とはいえ、そんな無茶なこと出来るのだろうか?私はかつてない不安を感じていた。


いや、それよりも化石の中からイフリートが復活してしまったら、どうするんだろうと私は思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ