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第四十四話 誘拐

「なぜ子供がこんな場所に?」


 天使はそう言いながらも私に近づいてきた。知らない人が近づいてきて、思わず涙が零れた。


「う、う、」


半泣きなっていると、目の前の天使はワタワタと慌てはじめ、


「ラファエルー!」


と叫びドアから出ていった。


 突然の出来事に、私は目を丸くさせた。でも、一体何がそうなっているんだろう?アクアさん達どころか、トルテさんもウォルフも誰も居ない。イレギュラーなことが多すぎて、また涙があふれてきた。


「おいおい、何で俺様が子守みたいな真似しなくちゃいけないんだよ!」


「私に兄弟はいないんだ!どう接していいのか分からない!」


 さっきの天使は誰かを連れて戻ってきたみたいだった。部屋に入ってきた男性は、少し長めの銀色の髪にエメラルドグリーンの瞳。さっきの女の人と同じで羽が四枚あった。


 男性は私を見ると叫びだした。


「ミカエル!此奴!此奴だよ!」


「???」


いきなり私の事を指さして、叫ぶものだから訳が分からなくなってきて、また涙があふれてきた。


「馬鹿!子供を泣かせるな!」


「うるせえ!そんなこと言ってる場合か!いいか!よく聞け!此奴が今回の魔王だ!」


ほらよく見ろ!と男性が女性の顔を掴み私の方向に向けて来た。


「こんなかわいい子供なのにか!?」


「俺も吃驚した。」


そう言いながらも男性がこっちに近づいてくるのが見えて、私はシーツを被った。


「やー!」


怯えて動けない私の、精いっぱいの抵抗だった。


「なあ、やっぱり何かの間違いなんじゃ?」


私の様子を見て、女の人が躊躇しているようだった。


「まあ、天界に行けば分かることだろう。」


 そう言って男性は、シーツに包まったままの私を持ち上げると、真っ白な羽をはばたかせ、空を飛んだのだった。


 飾りじゃなかったんですね。と密に思った。


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