第四十五話 失態
「ただいまって、何じゃあこりゃ!?」
「城が!?」
アクアとノエルが城に帰ってくるなり、驚きの声をあげていた。
目の前には半壊した城が今にも崩れそうになっていた。そして、壊れた城の一部がガラガラと崩れると、
「糞羽虫がぁ!!ぶっ殺して、羽を毟り取ってやる!」
ぶちぎれて興奮状態のルイが出てきた。よく見ると服はボロボロで、所々負傷していた。
「何があったんだよ!?」
アクアはルイに近づいて、状況を確かめようとしていた。
「糞羽虫の分際で、攻め込んできたんだよ!しかも、ツツジまで攫っていきやがった!」
歯をギリギリと噛み締め、目は血走りバリバリと雷を纏いながら、吐き出す様にドスのきいた声で叫んだ。
「もう天使が攻め込んできてたのか!?」
アクアは、事が早く起こったことに驚き、無言で何かを考えているノエルと顔を見合わせた。
「どうする?こっちも天界に攻め込むかい?」
ノエルは、今すぐに攻め込みに行くつもりなのか、どことなく焦っていた。
「そうですね。今すぐに攻め込んで、息の根を止める必要があります。」
アクアたちの背後から無表情で怒りのオーラを発しているトルテの姿があった。
「ルイ、魔王様を守れないなんて、部下としては失格ね。」
蔑むようにトルテは、ルイを眺めると嘲笑った。
「そりゃあ、普段の俺ならあんな雑魚に負けねえよ!あんなに虫の様に湧いてきやがって!」
「いくらルイでも天使の大軍を相手にするのは難しいよ。」
ヒョコリとルイの後ろからロランが顔を出した。
「ロラン!今までどこに居たんだよ!?」
「壊れた城の中。さっき出て来たばっかりなんだ。」
とため息をつきながら答えた。
「今から天界に攻め込みます。反論は聞きません。後ルイに関しては後で罰を与えます。それ相応の覚悟をしておいてください。」
トルテは冷たくそれだけ言うと、上空へと飛んでいった。
「俺らも行くか!」
アクアの掛け声とともに、それぞれ背中から翼を生やし、トルテに続く様に飛んでいった。




