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ハーレム建国記 〜女の子はみんな俺が嫌いです〜 ReMake  作者: Red/春日玲音
第二章 激動!?クレイドルの街とセシル共和国

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城壁の攻防 前編

城壁の上で、女の子の喘ぎ声が響く。


「ほらほら、ちゃんと見てもらえよ。」


俺は、城壁の周りに集まっている男共によく見えるように、少女を押し出す。


その間にも責める手は休めない。


責められているところがよく見えるように、脚を大きく広げる。


「やだ、もう、やぁあ!あ、あぁぁあん!!」


「ほらほら、みんな見てるぜ。」


「や、見ないでぇ……うあぁ…や、やだぁ…! ……見ないでぇ、見ないで、お願いぃ……………………。」


少女は大きな声を上げて泣き叫ぶが、俺の責めが止まることはなく、さらなる羞恥を与えていく。


「ほら、意地張ってないで、素直に負けを認めて降伏したらどうだ?」


「あっ、あっ、ぁぁぁぁ……、ま、負けを認め……降参しま………」


「待ってくださいっ!降参してはなりませんぞっ!」


少女が「降参する」といいかけた時、城壁を取り囲んでいた一軍の将らしき男が大声で叫ぶ。


「そ、そんな………ダメ、ま、待って…………。」


男のせいで、降参を認められず、その責めに耐えきれなくなる少女。


「クッ!明日またくるからなっ。レイナ姫は必ずお救いしてみせる!………撤退だっ!」


男は、少女……レイナ姫が恥辱に塗れる場面を見終えると、そう叫び撤退命令を出す。しばらくして城壁を囲むようにしていた兵士達は規律よく、立ち去っていく。


それを見下ろしながら、少女………レイナ姫が呟く。


「あ、明日もこんな目にあうの………もぅ、やだぁぁぁぁ………。」


「そうだな。」


俺はレイナにそう答え、彼女を抱き上げる。


俺の胸に顔を埋めながら泣きじゃくるレイナを見て、なんでこうなったのだろうか?とちょっと前のことを思い返していた……。



「攻めて来た?」


俺はセシルとメルナと一緒になって、山のような書類と格闘していた。


そろそろ飽きて来たところに、ティーナがその報告を持ってきたのだ。


「フム……予想より早いな。攻めてきたのはどこだ?兵の規模は?」


「オーキス公国よ。兵数は300、一軍を率いてるのは第7公女のレイナ姫ね。」


「オーキスの姫将軍ね………。」


ゼクスとオークスについては、国境を接していることから、近く戦争になることを踏まえて情報を集めていた。

だから、レイナ姫についての情報ももちろんある。

身長145cm、体重43kg、スリーサイズは上から82、51、80………小柄ながらも均整が取れている。

髪は長いストロベリーブロンドで、蒼い瞳、齢14歳にして、1軍を率いているあたり、腕もそれなりに立つ。


もっとも、レイナ姫に与えられた兵士は300人で、お目付け役の十数人を除けば、平民上がりの下級兵士を寄せ集めた者ばかりだとか。


オーキス公王にしてみれば、側室が産んだ第7公女などというものは、政略結婚に使う外交のコマでしかないので、本気で軍を任せる気は無いのだろう。


それでも、寄せ集めとはいえ兵士を与えているのは、レイナ姫の才覚に見るべきものがあったのだろうか?


「この判断の速さはオーキス公国のものではないな。」


「レオン君は、レイナ姫の独断だと?」


「あぁ、今この国は独立したばかりで混乱の最中にあり、ろくな防衛体制も整っていない………と普通は思うだろうな。」


「まぁ、そうね……。」


「普通であれば、この規模の街一つを占拠するのに多くの兵士を必要としない……多くても100人いれば十分だろう。実際、俺達は50人程度で攻めたしな。」


俺がそう言うとセシルとメルナが頷く。


「であるならば、相手が防衛体制を整える前に攻め入れば十分勝機はある。しかも内乱直後なら、俺に不満を持つものや、前の王国を望むものが少なからずいて、そいつ等と渡りをつければ、内部から混乱させることも出来る。この手を使うなら、早ければ早いほど良い。時間が経つに連れて街は落ち着き、不満分子も減っていくだろうからな。」


「確かに、言っていることは間違いないわね。」


メルナが感心したように呟く。


「そう考えれば、300人という兵士を動かせるならば、クレイドルを落とすまでは行かなくても、有利な条件で交渉を結べると、公女は判断したのだろう。」


「姫様の独断だという根拠は?今のことを考えて公王が指示したという可能性は?言いたくないけど、いざという時は囮として切り捨てることも………。」


「根拠はシティーコアだよ。公王であれば国のコアのことは知っているはずだ。コアを全力で防御に向ければ、この規模の街でも、最低でも3000の兵は必要になる。万全を期するなら1万の兵は欲しいところだ。しかし、それだけの兵士をあつめるのにはそれなりに時間が掛る。そう考えれば300人の兵なんて、時間稼ぎのただの捨て駒でしかない。だからといって、曲がりなりにも公女を捨て駒にするには外聞が悪すぎる。そうなると、公国の判断なら捨てても惜しくない無能な将軍か、公王たちにとって邪魔な貴族をつかうはずだ。だから、これはレイナ姫の独断でしかありえない、という理由だ。」


二人が頷くのを見て、俺は話を続ける。


「もっとも、レイナ姫も後のことを考えて、本国に連絡を取っていることは間違いない。公王としても、今頃は慌てて出陣の用意をしているだろう。」


「公王がレイナ姫を止める可能性は?」


「ないな。距離と時間を考えても、公国からの連絡がくる前に戦闘に入る。そうなってしまえば、ある程度の損害が出ない限り、話し合うことは不可だってことぐらいは理解してるだろう。だから公王が出来ることは、兵を多く準備し、戦後の交渉に備えることだけ。増援が着くまでに街を落とすか、有利な状況であればそれで良し。エリカ共和国に対して、クレイドルを割譲させるか、それ相応の財貨を収めさせる方向で話を纏めるだろう。逆に負け戦に追い込まれていたら、姫が勝手にしたことだと切り捨て、用意した兵力を見せつけ、それ以上の損害を防ぎに掛かるだろう。場合によっては、姫を差し出すことで手打ちにしようとするかもしれん。」


「成る程ね。でこの後はどうするつもり?」


「のんびりはしていられないな。さっさとケリをつけよう。」


「レオン君は簡単に言うけどね、相手は300人いるのよ?獣人さん達にお願いしたとしても、こっちの兵力は100人に満たないわよ。城壁だよりに籠城するならともかく、まともに戦ったら勝てないわよ。」


「まぁ、そうだろうな。だから、今回はまともに戦わない。獣人たちの援護もいらない。」


「はぁ?」


「俺とメイドちゃん達で片付けてやるよ。」


俺はそう言うとティーナに、ある言付けを託すと、胡乱そうな目付きで俺を見るセシルとメルナに告げる。


「まだ、街中には不満分子もいるだろうし、仕方がなく従っている部下達もいるだろうからな。ここらで誰が支配者なのか、ハッキリさせておかないとな。」


俺はそう言いながら、仮面を取り出して装着する。


「かっこいいこと言いながら顔は隠すのね?」


「当たり前だろ?暗殺とか怖いじゃないか。それにこの国の代表はセシルだしぃ。」


「そうやって全部押し付けるつもりなんだ…………。」


セシルの瞳からハイライトが消える。


「10日以内にはケリをつけるよ。二人の仕事はそれからだな。」


事後処理は任せた、といって俺はそそくさと部屋から出る。


直後に、ドアになにかぶつかる音が聞こえたが、気にしないことにした。



「そろそろ、敵が来る頃よ?町の人達も騒ぎ始めてるわ。」


ティーナからの報告があって、すでに3日経つ。


それなのに一向に動こうともしない俺に、苦言をしにきたメルナだったが、様子を見て顔をしかめる。


メルナは俺の目の前にいる()()を見た後、まるで毛虫を見るような目で、俺を一瞥する。


そこには、あられもない恰好で吊り下げられている女性の姿があった。


「メルナさんかい?丁度いいところに。面白いものを見せてやるよ。」


俺はそう言って、女性の猿轡をはずす。


「くっ、殺せっ!」


「「お前のようなケダモノにこの身を汚されるくらいならいっその事……。」」


俺と女性の声が重なる。


「くはははっ、聞いた、聞いたよな?メルナさん、これがかの有名な『くっころ』だよ。しかし、一字一句テンプレ通りなのは如何なものか……。」


俺はそう言いながら外した猿ぐつわをもとに戻す。


「ねぇ、レオン君。今更どうこういう気はないけど、お仕事はちゃんとして欲しいかな?後、有名って言われても、私は、その、くっころ?なんて知らないわよ?」


「そっか、コッチではくっころは市民権を得ていないんだな。後、一応言っておくが、コレも仕事のうちなんだが?」


「私にはいつもの事にしか見えないんだけど?」


メルナさんの視線が、ゾクゾク……じゃなかった、痛い。


「コイツは、オーキスの工作員だ。他にも3人程捕えてある。」


「………そうだったの。じゃぁ今は尋問中ってわけね。ごめんなさい、勘違いしていたわ。」


「気にしないでくれよ。それに尋問中ってわけじゃなく、味見してただけだから。」


「味見?」


「あぁ、この娘たちは、レイナ姫の親衛隊で、全員で12人いるらしい。その中で、潜入工作の心得がある者たちが先行して忍んで来たらしい。」


「そうなの?でも味見って……どういう………。」


メルナさんの疑問に直接答えず俺は言葉を続ける。


「レイナ姫の部隊は、順調に行けば明後日には城壁の直ぐ側まで来るだろう。だけど、ここに着くまでに、12人からなる親衛隊の女の子達は、一人か二人しか残らない筈だ。」


「どういう事?」


「ここの所ほぼ毎日、朝になったら、親衛隊の女の子が姿を消すという事件が、レイナ姫の陣営で起きているんだよ。多分いま彼女のそばにいる親衛隊は4〜5人しかいないんじゃないかな?」


俺の言葉に縛られた女性が目を剥くが、貼り付けてある玩具に魔力を流して起動させると、なにかに耐えるようにギュッと目をつぶって大人しくなる。


「……………なんか、考えてることがわかった気がするわ……本当にゲスね。そのうち刺されるわよ?」


「いやいや、コレが一番犠牲が少ないと思うんだけどね?」


「………完全に否定できないところが、悔しいわ。………で、私達はどうすればいいの?」


「部屋の用意……かな?レイナ姫には結構長くいてもらうことになるだろうし。」


「ハイハイ………A待遇でいいの?」


メルナの質問に、俺は少し考えてから「D待遇で」と答える。


メルナは、少し驚いた表情を見せたが、すぐに表情を改めて「わかったわ」と答えると部屋を出ていった。


ちなみに、ここで言う「待遇」というのは、俺が女の子をどう扱うか?という基準みたいなものだ。


Aランクは、愛人、側室、優秀な部下的なポジションで「俺が手放す気はない」という意思表示をしている女の子達だ。セレスやティーナ、マオ等がこのランクに位置する。


Cランクは、取り敢えずキープ。そのうちに部下達に下賜しても構わないという女の子達。

この辺りは、最初のうちだけ犯したあと、放置していたりする。


Bランクは、AとCの中間辺りだと思って貰えればいい。

メイド隊の序列メンバーがこのランクに位置する。

なんだかんだと役に立つものは大体はBランクだ。


ちなみに、公にはしていないが、アリスとセシル、メルナと、ついでにミアは、Aランクの上のSランクだ。

俺にとって、公私ともに手放せない大事な女の子達だ…………もっとも相手がどう思っているかは別問題だけど。


そして、Dランクは、奴隷と同等の扱い。ただ俺の欲望を発散させるためだけに存在すると言っても過言ではない。


だからこそ、公私ともに利用価値があると思われるレイナ姫をDランク扱いするということに、メルナが疑問を感じたのだろう。

まぁ、俺にも色々考えがあるのだ。


俺は、メルナさんが部屋から出ていくのを見送ると、縛られている女性に向き直り猿ぐつわを外す。


「おま……」


 パシッ!


文句を言おうとしたのだろう、口を開きかけたところを、俺の平手が彼女の頬を打つ。


「勝手に喋るな。お前は喘ぎ声だけあげてればいい。」


「くっ、覚えて……ヒィッ……。」


ピシッ!


俺が手にした、細くてよくしなる棒が、彼女の胸を打つ。いわゆる指導鞭というやつだ。


「わからないのか?お前が口にしていいのは、喘ぎ声と、叩かれたときに『気持ちいいです』と答えることだけだ。」


ピシッ、ピシッ……


「アッ、うっ、あっ………」


「叩かれたときは『気持ちいいです』だろっ!」


ピシッ!ピシッ!


彼女の肌が赤く腫れあがっていくが、俺の手は止まらない。

彼女の調教は始まったばかりなのだ。


◇ ◇ ◇


「カリス……どうなってるかわかる?」


「ごめんなさい、姫様。」


カリスと呼ばれた少女は、申し訳無さそうに俯く。


「………そう。もう残っているのはカリスとマイだけ………。ミオナもミシェルも私を裏切るとは思わないけど………。」


レイナは顔をしかめる。


レイナの身辺の世話及び護衛についている、「親衛隊」と呼ばれるメンバーは、12人いる。


半数以上が父である公王が付けた者たちだが、これまでの期間で、それなり以上に信頼関係を築いて来たと自負している。


中でも、今側にいてくれるカリスとマイ、そして昨日までいたミシェルとミオナの4人は幼い頃から一緒で、私の側にいるため、と必死で努力し腕を磨いてきた、かけがえのない腹心だった。


そんな彼女たちが黙っていなくなる……ましてや裏切るなんてことは考えられないし、考えたくもなかった。


「ですが姫様、ココは裏切りの可能性も含めて考えるべきかと。」


マイがそう助言してくる。


マイ自身そう思っているわけではないが、それでもあらゆる事柄に対して対処する方策を考えるべきだ、と言っているのだ。


「………そうね。街に潜り込んだレッシィからの連絡もないのよね?」


レッシィは、親衛隊の一人で、以前は工作員として働いていたという。


その彼女が、内部の協力者を作り、混乱させるという案を出してきたのは数日前のことだった。


街攻めの具体的な案が定まっていなかった事と、彼女一人がいなくても大勢に影響が無い事から、その案を許可したのだが、レイナは一つ条件を付けた。


状況がどうあれ、3日後には一度戻ってくること、と。


3日後であれば、クレイドルの街が目と鼻の先に位置するところまで移動できる。


戦闘に入る前には戻ってきて報告を、という訳だった。


しかし、現実にはあれから5日が経っているがレッシィは戻ってこない。


それどころか、レッシィが出て行った翌日から、他の親衛隊のメンバーが、毎日姿を消している。


軍勢もいつでも戦争を仕掛けられる位置に陣を張り、現在はレイナの合図待ちの状況なので、親衛隊のことだけを考えている訳にはいかない。


「レイナ様、明日どのような状況であれ、出陣の合図をお願いします。」


マイはそう告げる。


この場所に陣を張って3日目……。変化のない日々に、兵たちの気が緩み始めている。


更には、親衛隊が裏切っている、という噂までもが流れはじめ、陣内には不穏な空気が漂い始めていた。


その噂を信じた数人の兵が、昨晩も脱走騒ぎを起こしている。このまま無為に日を過ごせば、不安と猜疑心が大きくなり、無用な騒ぎが起きるのは間違いない。


マイとしては、そんな下らないことで兵を減らすぐらいなら、城壁へ突っ込む肉壁として使いたかった。


「必ずですよ、……例え、私達の姿が、明朝見えなかったとしても………。」


「…………わかりましたわ。明日総攻撃を掛けます。皆にそう伝えてきて頂戴。」


レイナはそう告げながら目を伏せる。


親衛隊失踪事件………。


これについて、マイは一つの結論に辿り着こうとしていた。


当初は、レッシィによる裏切りも可能性として考えていたマイだったが、ミシェルとミオナが居なくなったことでその可能性を完全に破棄した。


ミシェルはともかく、ミオナはマイの妹であり、姉である自分でもドン引きするほどのレイナ信望者なのだ。


レイナのために公国を裏切ることがあっても、他のなにかのためにレイナを裏切ることは決してない。


レイナの命令であれば、姉である自分を刺し殺すことさえ躊躇わない、そんな妹が、自らの意思でレイナを裏切ることはありえない。


となれば、事故、もしくは何らかの罠で、ここではない何処かへ強制的に跳ばされたという可能性が高い。


例えば、超古代文明の遺物に転移装置というものがある。


中には現在も稼働していて、知らずにエリアに踏み込んだものが何処かへと跳ばされる、もしくは跳ばされてきた、という報告例が年に数件の割合であったりするのだ。


たまたまこの近くに、その装置があり、飛ばされてしまったのかもしれない。


もしくは、敵がそのことを知っていて、罠として利用しているという可能性もある。


罠の可動範囲の向こう側で、敢えて姿を見せる。不審に思ったものが近づこうとしてエリア内に足を踏み入れ跳ばされる。


事故を疑うより、こちらのほうが可能性が高い。


そう考えると、次に狙われるのは自分かカリス、もしくは両方だろう。


だから、マイはカリスに、レイナの傍にずっといるように伝え、自分は単独で敵をあぶり出すつもりだった。


マイは腰に粉をいっぱい詰め込んだ麻袋を下げ、その袋の端を小さく切り取っておく。


こうすればマイが通った場所には粉が残り、突然その粉が消えた場所が、罠のある場所だとわかるだろう。


マイは、カリスにそう伝え、陣内の様子を見回りに行くのだった。


………結果として、マイのこの行為は徒労に終わる。


せめて、ミオナが消える前にこの方策を思いついていればまた違った結果が出ていたのかもしれないが、今更だった。

全年齢版は、ここから新たに続きます。

基本18禁版準拠ですが、全年齢版故に代わっている場面もあります。

加筆もあります。

是縁策とも18禁版とも違う(……かもしれない)リメイク版をお楽しみください。

※ノクターンで連載中の『みんなが勇者で俺だけ魔王』が連載中で、そちらを優先にしていますので、こちらの更新は不定期になります。あしからずご容赦ください。


ご意見、ご感想等お待ちしております。

良ければブクマ、評価などしていただければ、モチベに繋がりますのでぜひお願いします。

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