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林檎の実と僕の後悔  作者: 穂先ロア
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僕の決めた事とその覚悟

琴葉を旅行に誘った次の日。僕は、裕二のライブハウスにギターを持って来て一人で演奏していた。こういう時僕は何か考え事をしている時が殆どだ。

「よっ!何してーんだ?」

そう言い僕の目の前の椅子に座り込んだのは…このライブハウスのある雑居ビルの二階で暮らしている裕二だ。こういう時コイツは絶対話しかけてくる。それに僕は素っ気なく返すというのが定番だが…何故か今日は裕二がずっと…ずーっとニヤついて僕を見ていることに気付く。

「単なる考え事だ。そういうお前こそ…なんでそんなニヤついてるんだよ?僕はそれがなんか引っかかっるんだ。」

そう質問を投げかけると…裕二は歯切れの悪いような…何か誤魔化してるかのような素振りを、見せ僕を誤魔化すかのような言葉を口にする。

「い…いやぁ?別に…お前と琴葉ちゃんの関係が気になる…って位以外はなーんも?」

僕はそう良い天井を見て僕から目を逸らす裕二に対して…ため息のようなものを吐き出した後…恐らく裕二が、一番気にしているであろう話題を口にする。

「お前がくれた旅行券だが…期限が切れてたろ?それを僕が自腹切って…琴葉と一緒に旅行券の所と同じ場所に行くことにしたから。」

さてさて…この言葉を聞いた裕二はどんな反応をするのだろうか?まぁ…昔からの付き合いの友人であり…バンドのメンバーだ。あらかた想像はついている。

「へぇ〜自腹切って旅行券と同じ場所行く…かぁ〜へぇ〜………ってえぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

とやはりと言うべきか…アニメやドラマで見るような反応を僕に見せた後…機関銃のように裕二から質問が来る。まぁ…コイツは驚いて…疑問があったら質問しまくるヤツだからこういうのは慣れていたりする。

「お前お前お前お前ーっ!ついに言ったのか!?ついに!?あの…不器用だけど恥ずかしがり屋みたいな廻が…幼なじみである琴葉ちゃんを…旅行に誘ったぁぁぁぁぁぁっ!こりゃ宴じゃぁぁぁぁぁぁっ!…んで!?どう言ったんだよっ!?どこ行くんだよっ!?……」

…と…このように色々質問が機関銃から放たれた弾丸のように飛んでくる。まぁ…色々と答えたいが…まずは落ち着かせることを優先しないとこういうのは、話を聞かない。

「落ち着け。」

僕がそう良い裕二の口元に、人差し指を立てそうなだめた。

「おっと…わりぃ。いやぁ…でも俺は嬉しいぜ?琴葉ちゃんの事で悩んでた廻が…結論出して行動に出そうとしてるんだから。んで…どこ行くんだよ?」

裕二からそう謝罪のような声を聞きその直後…そんな質問が僕に届く。僕はそれにまるで何かを悟るかのように答えを言った。

「ああ…関東の地方都市…東京じゃない場所…って言った方が良いのかな?ちょうど…父さんがライブでそこ立ち寄ってるから。」

僕のその曖昧な答えに裕二は首を傾げながら予想し…もう一つ質問をしてきた。

「ほう…んで…廻…お前琴葉ちゃんに告るつもりなのか?」

その質問に僕は一つ間隔を開け…一瞬瞳を閉じる。そして自分の思ってる事を裕二に言った。

「…ああ。言うつもりだよ「君が好きなんだ。だからバンドメンバーとしてでは無く…恋人として…僕の傍にいて欲しい。」ってね。変わった告白の仕方なんだろうけど…告白するのは幼なじみである琴葉だ。だったら拘りたいんだよ。」

そう言った後裕二は指を顎にそえて…首を傾げながら僕に現実を見せつけるような事を質問してきた。いや…僕のこの話を聞いてコレを聞かないのはおかしな話か。

「ほほん…確かにお前らしいな。でもよ廻?お前…あの事は…持病の事は言うつもりなのか?恐らくだがよ…言っちっまったら…お互いに酷だぜ?」

恐らく裕二がそれの事を気にするのは…予想が出来ていた。二ヶ月前。僕は仕事に向かう道中に倒れ…病院に運ばれた。診察結果は良くないもので…ガンと診断され「持って後半年」と言われのだ。それを僕はまだ琴葉と小夏の二人には言っていない。いや…言う勇気が無いと言った方が正しいのかもしれない。特に琴葉には…言おうにも言えないでいる。だが…それが一番お互いのためなのだろう…そう思えてしまうものなのだ。

「…それは分かってる。だから僕は…言わないでおくよ。もし…その時が来て…「もう隠せないな」ってなったら…根性振り絞って言うからさ…言わずに逝ってしまいそうになったら…怒鳴ってくれないか?」

僕がそう言った後…裕二は大声で笑った。その直後…苦笑いをして僕にこんな事を言う。

「ぷっ…ぷっあはははははっ!いや〜…なんちゅうんだろうな〜…お前らしいや。分かったよ…だからよ…絶対何も言わずに逝くんじゃねえぞ?逝っちまったら…俺らがそっち逝ったらガチで説教すんかんな。」

裕二のその言葉に僕は微笑んでこう約束をした。男同士の…約束を…。それをこなすには…覚悟も必要だ。それを僕は知った上で…約束したのだ。

「ああ…分かったよ。んじゃ…そん時は頼むな。」

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