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林檎の実と僕の後悔  作者: 穂先ロア
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星座早見盤と夏の幼い思い出

午後の授業が終わり…私は市立図書館で本を読んでいた。昨日裕二さんから呼び出されることも無かった為目は冴えていた。しかし…練習が出来ないのはどこか寂しくも感じていて…心の中では練習がしたかったと言っていた。

「今日は…どうなんだろう…?」

そう言い私は本にしおりを挟み図書館を後にする。図書館の前には、プラネタリウムがある為そこの星座早見盤をよく見る癖が着いていた。しかし…星座早見盤と聞くと私は…小学生の頃を思い出してしまう。

「うぁ〜…懐かしいなぁ…夏休みの自由研究で…星の研究とかやってたな。」

今は秋の終わりなので夏の事とは関係が無いのだが…じゃどうして夏の事を思い出したかと言うと…

「三角形…」

そう呟いた私は当時の事を今でもよく覚えている。


人の性格は、変わりにくいと誰かが言った。だけど私は昔からこんな落ち着いた性格だった訳じゃない。どちらかというと…ワンパクだった。祐や廻とすごしていたからなのか…はたまた…元からだったのか…そんな詳しい所まで覚えてはいないが…小学生の中学年辺りの記憶は、今でも脳裏にはっきりと焼き付けられている。あれは夏休みの自由研究で「星座を調べる」という事を祐と廻でやっていた頃のことだ。

「ねぇ!祐!廻!今日は天体観測ってするの?」

そう無邪気に廻と祐に私は質問していた。二人は顔を合わせた後…私に優しく言った。今思うと…廻も祐も…昔と変わっていないような…そんな気がした。

「ああ!やるぞ!だから寝んなよ!特に琴葉!お前寝ると起きないんだから。」

そう言った祐に私は頬を膨らませ文句を言っていた。

「はぁ!?寝るわけないじゃん!私今日元気いっぱいなんですけどぉ!?」

そんな私達の喧嘩を廻が仲裁していたのが、何時もの事だった。その日も廻からの仲裁が当然の様に入っていた。

「はーい…喧嘩すんな。これ以上続く様なら…そうだな…望遠鏡見せてやんねぇぞ。」

本当は祐にもっと文句を言いたかったが…その時の私達は多分純粋だったのだろう。廻のその言葉に従っていた。そして…夜になった頃私は、廻の家に行った。インターホンを鳴らした直後すぐに廻のお母さんが出てきてくれた。

「あら〜琴葉ちゃん!廻と遊びに来たの?」

そう高いトーンの声が玄関に響いた後私は、ニコッと笑いながらその質問に答えを返した。

「はい!って事で…廻って今どこに居ます??」

そう言った後私は二階に居ると教えてもらった為…二階にある廻の部屋に直行した。そして…廻の部屋の扉をノックした。

「どうぞー!…って誰かは察してるけど。」

そう言われた後扉を開けると…望遠鏡を準備していた廻と祐を見つけた。

「あーっ!二人して抜け駆けとかずるっ!私も入れてよ!」

そう言った三人で、はしゃぎあって天体観測をしていた。あの夏の日だけは忘れられない。何故?そう言われても分からないが…


そんな思い出を、振り返りながら私は帰路に着いていた。そして三十分近く経った今現在…自宅に着いた頃だ。

「ただいまー。」

そう言って玄関のドアを開けた後すぐに自室へ向かった。最近全員でやる練習をしていない為…一人でも良いからできる所まで弾いておきたかったのだ。

「良し…アンプの電源も着いたし…やりますか。」

私がそう言った後…自室はエレキベースの音で支配された。一人きり静かな空間で、エレキベースを弾き始めてどれくらい経っただろうか。少し休憩を挟みたかった為私は、学生時代の時(今も学生なのだが…)から使っている勉強机の本棚から一冊の本を取り出した。しかし…それと同時にある物も私は、手に取っていたのだ。

「あ…星座早見盤だ…」

その時私の頭の中では思い出とあるバンドの曲がずっと流れていた。


天体観測を行った後日…また私達は夜空を眺めていた。しばらくして祐がこんな事を言っていた。

「なんだよ!夏の大三角形は七夕だけじゃないじゃん!」

愚痴と捉えられるような言葉を出した祐に対し…廻はそれを冷静に対処した。

「夏の…って言ってるんだから…当たり前だろ。」

そんな会話をしながら私と祐は廻の部屋に入ろうとする。そんな中外から歌声が聞こえた。それも近くで…しかし…どこか声だけは幼かった。

「星が見えますか?星が見えますか?あぁ…あぁ…あー星が…」

その歌声が聞こえる方へ目線をやるとそこには…廻がいた。その曲は何処かの音楽番組で聞いた事のある曲だった。私に気づいたのか廻は、私に振り向きながら私にある言葉を優しく投げかけた。

「星空も…夜景も…どっちも綺麗だよな。」

その言葉がどうしても頭から離れてくれなかった。だからなのか知らないが…中学年の時…祐と付き合ってたが…廻の事も気にかけていた。廻は私達が付き合ってから…よそよそしくなっていったのだから。


その手に取った星座早見盤を元の場所に、戻し私はベッドに座り込んだ。そして空を見上げなからこんな言葉を口にしていた。

「…どっちも……好きだったんだよ…。」

そうだ私は廻も祐も…どっちも好きだったんだ。でも二人の内どっち?そんな物で決めたくなかったから…「早い者勝ち」そんな方法でどうにかするしか無かった。祐が居なくなって…祐が廻に「私を頼む」そんな言葉を遺した今がチャンスかもしれない。だけど…仮に廻に胸の内を告げた所で、廻と一緒に居られる時間はもう僅かだ。

「ちゃんと…言えるかな…」

そんな弱音のような言葉が口から出ていた。幼い思い出の扉をまた開けたのは…偶然だったかもしれない。だけど…その偶然が私の心に迷いを生み出すきっかけにならない事を今は切に願った。

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