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林檎の実と僕の後悔  作者: 穂先ロア
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つまんねぇ人生とつまんねぇ夢

もう…何もやる気が起きなかった。ネットサーフィンをする気も…寝る気も…生きる気も。あー僕は「つまらない人」にどうやらなってしまったようだ。

「良いですか?後三ヶ月か四ヶ月です。その間に…悔いの無い日々を送ってください」

そう…医師に言われた言葉だ。悔いの無い日々?そんなの送れるはずがない。僕は後悔だらけの人生だ。面白くも無い日々を、送っていた人にその言葉は重過ぎた。僕はまるで…やる気の無いようにため息を一息つきこう言った。

「つまんねぇ人生だったな」

そんな重く辛い言葉を吐き出した後に、ガラーッと引き戸が開けられる。

「よォ…倒れたって聞いたから見舞いに来たぜ」

懐かしい奴が来た。そいえば高校の時に、ドラムが得意な奴が居たな。相変わらず変わって無いようで…思わず失笑しながらジョーク混じりにこう言った。

「お前も…相変わらず変わって無いな…裕二」

そいつは、大声で笑いながら

「おめぇは…少し痩せたな!」

轟 裕二。僕と同じように、バンドを組みたいと言っていた奴だコイツは今…駅近くのライブハウスでドラマーとして活躍している。夢が若干叶った奴だ。こう昔良く帰り際に…はしゃぎあった友の一人が来るとはな…

「んで…」

裕二は、大声で笑った後に真剣な顔でこんな提案をしてきた。

「なぁ…バンド組まないか?」

あーあ…昔の僕だったら…心底喜んだだろう。だが今では「つまんねぇ夢」になってしまった。あんな事が起きるまでは

遠江 徊

轟 裕二

佐久間 恭太郎

石川 祐介

昔この四人でこんな話をしたことがある。

「いつか…パンクバンドやろうや」

僕と裕二の提案だった。恭太郎も祐介も、迷わず二つ返事で返してきた。

「やろう」

この言葉で…それからの行動は簡単だった。高校生だったから、バイトして楽器店行って…自分のやりたい楽器を買った。役割もすぐ決めてそれぞれ練習に励んでいた。ボーカルとギターは僕。裕二はドラム。恭太郎はエレキボード。祐介は…エレキベース。全て上手く行っていた祐介と僕は、小中と同じ学校とゆう事もあり、恭太郎や裕二が家に着く頃には2人だけで練習した日もあった。それでも、全体的に合ってはいたし長く続くだろうとメンバーが誰しも予想した。でも…ある日祐介が電話に出なかった…いや…出れなかったに等しいだろう。

ぽぽぽ…ポルポル…

「祐介…どうしたんだろ?遅くないか?」

僕はそう恭太郎や裕二に言うと二人は珍しい物でも、見つけたかのような表情をしてこう言った。

「さぁ…寝坊とか?」

その直後だった…

ぴぴぴっ…

僕の携帯電話が鳴り響く。通話のボタンをクリックして電話に出たら…相手は警察官だった。

「はい…はい…え?……」

僕は…この時電話に出なきゃ良かったと…後悔した。祐介が死んだ。死因は自殺だったそうだ。祐介の家は複雑で、親が年に一回毎回毎回変わっていく家庭だった。理由は分からなかったが、祐介は最期遺書を書きビルから飛び降りたそうだ。遺書にはこう書かれていた。

「生きるのに…疲れました。僕と関わっている皆さん…ごめんなさい」

何故死のうとなる前に、僕や頼れる奴に相談しなかったんだろうそう考えると僕は頭が痛くなった。僕らは恐らく信用されていなかった。そう思えてしまうようになった。いつの間にか皆バラバラになっていき…僕らの明るい青春は…消えていった。

思い出してしまうほど…僕は自分を憎んでしまう。何故祐介は、僕らを頼る事無く「死」に逃げてしまったのかを…想像するだけで自分が憎くなった。僕は病室でため息を吐きながら裕二に言った。

「考えさせてくれ」

裕二は少し戸惑った様子で…

「お…おう…答えが出たら言ってくれ」

そう言い裕二は、病室を後にした。僕はまたため息を出した後

「なんで壊れたものって直んないだろうな…笑えねぇよ」

そう言葉を吐き眠りについた。

裕二に…バンドを組まないかそう言われた一週間後僕は、退院した。理由はもう手の施しようがないなら…せめて家で過ごしたいその意見を、医師に言い許可を貰えたからだ。荷支度をして…病院を後にする…玄関に向かうと…裕二と恭太郎が待っていた。

「よっ!1週間ぶりだな」

そう言い手を振る裕二に僕は振り返しこう言った

「久しぶり感覚じゃないだろ?」

ツッコミを入れた後に恭太郎に

「久しぶり…元気にしてた?」

恭太郎と会うのは…三年ぶりだ。だからなのか話の始まり方がぎこちない。

「久しぶり…まぁ…うんしてたよ」

恭太郎も、昔と変わらなかった。それを目の当たりにすると少し安心する。とゆうか二人とも変わっていないんだよな

「二人とも…変わって無いな」

裕二と恭太郎は、馬鹿みたいに笑いながら僕に言った。

「お前もな」

そんな感じに会話を進めながら病院を出て恭太郎の車に、乗り込んだ。恭太郎が車のエンジンを掛けた十秒後に、カーオーディオから歌が聞こえる。僕も裕二も恭太郎も…いやあの時にいたメンバーならこの歌をよく口ずさんで帰路を歩いていた。

「メンソールの煙草持って。小さな荷物で楽園に行こう楽園に行こう。大きな船で」

僕は懐かしい気持ちと恭太郎のセンスに賞賛の思いを、持ちながら

「THE YELLOW MONKEYか…懐かしいな」

そうだな…この歌は良く祐介と恭太郎が歌ってたな。僕はこの歌の時だけはギターだけだった。瞼を閉じるとその時の、光景が目に浮かぶ。ふと…僕は静かに笑った。

「フッ…変わらないな」

そう言った後に恭太郎は、運転をしながら明るい表情で

「当たり前だろ?後…コレから居酒屋行くぞ」

渋い所にを選んだ恭太郎に僕は

「渋つ…」

そう言葉を吐いていた。

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