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11. 転生したので頑張ります

ゆっくり目を開けると、金髪の女性が心配そうな顔をして覗き込んできた。


「起きたの?気分はどう?今ご飯を作って持ってくるわね」


そう言うと女性は去って行った。


「相変わらず心配性だな」と呟くと俺はベットから抜け出した。


「こらエバン、病み上がりなんだからもう少し寝てなさい」今度は黒髪の男性が部屋に入ってきた。


そうここは、俺の大好きだった小説「蘇った英雄」の物語の世界。


俺の名前はエバン・フェルノ。ロバート・フェルノ伯爵家の長男だ。


僕の伯父エバン・ガーディナーは氷魔獣と戦って亡くなった英雄で、あまりにそっくりな容姿で生まれてきた俺には伯父から名前をもらい、エバンと名付けられた。


まあ。。本人なんだけどね。


前世でアリシアの兄として生きていた時から、これが小説の世界とわかっていた。


あの奥手2人がくっつかないと俺は生まれないわけで、色々大変だったわ。ロバートがウジウジしている間に、他の男がアリシアに近づかない様にするのは大変だったんだぞ。


寮の部屋にアリシアの最高に可愛い姿絵を持ち込んで、ロバートの目のつく所に飾りまくったし。


ジト目でロバートを見ていると、


「どうした、お母様がいないからむくれてるのか?すぐに戻ってくるぞ」とロバートは言うが、そうじゃない。


最後にアリシアに飲ませる薬もわざわざ「錠剤」にして、キスさせてやったんだから。


そんな事を思っていると、アリシアがお粥を持ってやってきた。


「エバン、お腹すいた?」と優しく呼びかけられて俺は嬉しくなった。


「お母様、食べさせて!」と俺が言うと、ロバートは

「本当にお前はエバン伯父さんと同じだな、相当なシスコンだったからな」と苦笑いする。


「お父様、シスコンってなに?」


「エバン伯父さんはお母様が本当に大好きだったんだ」


それはあっている。でもエバンはシスコンではなかった。史上最大のシスコンでマザコンなんだ。そして嫁コンでもあった。


なんで2回も転生しなきゃいけないんだと思ったが、眞弓の夫であった時は、うまく大好きだと伝える事ができなかったから、神様が2回チャンスをくれたんだな。


ここから「蘇った英雄」のお話は始まる。


次に出てくる魔獣はこの前の比じゃない。頑張らなきゃな。

初めての投稿なので短編を書きたかったのですが、途中からエバンがメインの話になり、どんどん長くなってしまいました。


伏線を入れていたつもりなんですが、ちゃんと回収できているといいのですが。

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