↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/396

遺跡(2)

「……暗いな」


 遺跡の中は暗く、全くと言ってもいいほど中がどうなっているかわからなかった。


「これじゃあ探索はできないか、《ライト》」


 氷室が魔法で光球を作り出して、周囲を照らす。すると充分に明るくなり、俺たちの目に見えてきたのは、受付口のようなカウンターだった。

 そのカウンターは部屋の中央に存在し、なにやら検問所のような雰囲気である。


「これ、どういう施設なんだ?」

「さぁ……? 少なくとも、なにかしら重要な施設に見えるわね」


 かなり昔のものらしく土煙や埃ですごい事になっているが、警備が厳重であったことは俺にも見て取れた。


「あっ、階段があるね」

「続いているのは地下ですか……かなり不気味ですね」


 検問所を通ると、そこには地下へと続く階段があった。……いや、階段というかエスカレーターのように見えるが、どうにも動きそうにはない。

 エスカレーターはかなり下まで続いているようで、底は見ることができなかった。

 俺たちはそのエスカレーターを下りてみることにした。


「かなり深いな……。これ、酸素とか大丈夫だよな?」

「いちおう今は大丈夫みたいだけど、一番奥はどうなってるか怪しいね」


 カツカツとエスカレーターを下りる音が響く。響き具合的に、この建物にはかなりの広さがあるようだった。

 そしてエスカレーターを降りること十分ほど、やっとの思いで一番下まで降りることができた。


「いや、えー……なんだこれ」

「……これは、なにからつっこんだらいいんだろうね」


 エスカレーターを降りた先には広場があった。しかしいろいろとつっこみ所がありすぎて、俺たちは言葉に詰まる。

 広場にはいくつもテントが張ってあったのだが、そのどれもが破けていたり血まみれだったりと酷い有様だった。そして、広場の所々にはナニかによって食い殺された、人間の死体がいくつも転がっていた。


「……これ、明らかに魔物によって襲撃を受けていますね」

「単なる魔物なのか、それともアンデッドなのか。そのどっちだとしても、きな臭いのは変わらないわね」


 死体の肉は腐敗しきっておらず、無数の噛みちぎられた跡がついている。そして、骨には噛まれた後もついていた。

 なにがあったのか分からないが、一気にここが怪しくなったのは間違いない。


 俺たちはテント周辺の探索を始めた。

 テントは比較的最近のものらしく、埃をかぶっているというようなことはない。組織名などはどこにも書かれておらず、どういった組織だったのかは全くわからなかった。


「おっ、なんの紙だ?」


 一際大きなテントを探索していると、机の上に紙の束が置いてあるのを見つけた。

 その束を手に取ってなにが書いてあるのは見てみると、どうやらなにかの研究資料のようだった。


「……なんだこれ?」


 グラフや何かしらのことについての詳細な説明が書かれていたが、俺には理解することができなかった。


「ん? なにか見つけた?」

「あぁ、ほれ」


 俺は近づいてきた氷室に持っていた紙の束を渡した。


「――どうだ? なにか分かったか?」

「……いや、なにかの統計や説明が事細かに書かれていたけど、なんのことかはよくわからなかったね。ただ一つ言えることは、これは表に出したらいけないものみたいだ」

「そうなのか?」

「うん、『封印』といった単語が大真面目に書かれていたからね。たぶんだけど、このテントの持ち主は裏の組織じゃないかな。それも、こんな所までわざわざ来れるんだ、かなり力のある組織だと僕は思う」


 裏組織か……なにが目的でここまで来たのかはわからないが、このテントを見れば悲惨な運命を辿ったことは容易に想像できる。


「とりあえず、これは僕が保管しておくよ」

「あぁ、そうしてくれ」


 氷室は資料の束をアイテムボックスに収納した。


「ここにはもう目に付く物はないね、ほかの場所を探そうか」

「そうだな、じゃあ俺はあっちを見てくる」


 俺は氷室と別れ、探索を再開する。しかし、それ以降目新しい物は見つからなかった。


「――さ、ここの探索は切り上げて、ほかの場所に行ってみようか」

「通路はいくつかあるし、どうする? 手分けするか?」


 この広場からはいくつか通路が伸びていた。効率を重視するなら、手分けした方いいだろう。


「……いや、ここは安全を取って手分けはしないことにするよ。危険かもしれないしね、バラバラに行動するのはよそう」

「わかった。じゃあ、適当な方から探索するか」

「まぁそうだね、ここで迷っていても仕方がないか」


 俺たちは適当に探索する通路を選び、そこへと歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。