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勇者に封印された魔王なんだが、封印が解けて目覚めたら海面が上昇していて領土が小島しかなかった。これはもう海賊を狩るしか——ないのか!?  作者: 小椋正雪
第二部 第六章:伝説巨竜と灼熱の巨人

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第四〇七話:黄金の二竜


 麒竜(きりゅう)から金色の粒子が周囲に舞った途端、奇妙なことが起こった。

 魔力の流れが、綺麗に整頓されたのだ。

 理緒に説明したときと同じ話になるが、通常、魔力の流れというものは身体の中を血液の用意巡っているものだ。

 これを外に出すと、途端外部からの影響をうけてその方向がねじれたり、場合によっては打ち消されてしまう。

 だから、魔力を外に出す、流し込むときはかなり出力を強めに出さないといけないのだが……それが随分と楽になっていった。

 まるで麒竜を中心としたその場にある魔力の流れを、交通整理でもしたかのようである。

「これなら……」


 足下を見つめる。

 つまり餮竜(てつりゅう)の背びれから下に、巨大な魔力を貯め込む機関があるようにる感じられる。

 ここに魔力を流し込めば――。


「ヒナゲシ!」

『は、はい! なんでございましょう?』

「餮竜に魔力を送り込む。経路を開けてくれ」

『それでしたら、もう開けておりますわ! はじめてくださいませ!』

「了解した!」


 麒竜に触れる。

 すると一瞬、麒竜がこちらをみた。

 どうやら、竜公主(ドラゴンマスター)ではない俺でも公主(マスター)が認めた存在であれば信頼してくれるらしい。


「行くぞ、麒竜」


 俺の魔力を、さらに流し込む。

 これを燃料に、麒竜の直列六連魔力炉が唸りを上げ、さらに莫大な魔力を生み出す。

 もう間違いない。

 麒竜は竜公主(ドラゴンマスター)の魔力を増幅させている。

 前から、疑問に思っていたのだ。

 轟竜があの破壊的な光線を放つだけで竜公主(ドラゴンマスター)のユーリエはかなり消耗していたのに対し、ベ・スターは空間のゆがみによる斬撃を放っても、超高速で移動しても、たいして消耗していなかったのである。

 これはベ・スターがユーリエよりも魔力量が多い可能性もあったが、のちに轟竜の魔力消費量を測定すると、ベ・スターの魔力量が俺を一時的に越えている可能性がでてきた。

 さすがにそれはあり得ない事態なので(書記がその規模の魔力を操れるのであれば、生徒会長のア・シモフは俺を遙かに凌駕する魔力をもっていることになる)、前提を見直し、麒竜は魔力消費量が少ない竜であると仮定していたのであるが……。

 よもや逆に増幅させるとは。


「だから巨人も、その背後にいるモーリーも、麒竜を狙ったのか……」


 おそらくは、巨人の内部には麒竜から吸い上げた魔力により、麒竜と同じ構造が模倣されているはずである。そうであれば――。


『マリウスさまあああ!』


 ヒナゲシから、かなり切羽詰まった通信が届いた。


『そろそろ限界ですわぁ! 急いでくださいませええ!』

「安心しろ、いまやる! 受け取れ、餮竜!」


 俺の魔力が麒竜の直列六連魔力炉で増幅され、それが大きな渦を描くように、餮竜へと流れ込んでいく。

 今はヒナゲシを通して餮竜側の許可ももらったので餮竜の内部も手を取るようにわかるのだが、餮竜の内部にはとてつもなく巨大な魔力貯蔵庫が鎮座していた。

 あの、ハルモニアにあった爛竜(らんりゅう)を起動させるものとはひとまわりもふたまわりも違う、とんでもない規模の貯蔵庫である。

 ここに怒濤の勢いで麒竜から魔力が流れ込み――。


「マリウスさん!」


 俺のすぐそばにいたアリスが声を上げた。

 麒竜の周囲だけ光っていた金色の粒が、今度は餮竜から発せられるようになったからだ。


『ま、マリウスさま~!』


 再びヒナゲシから通信が入る。


『餮竜の出力がどんどん上がっていきますわ! これ、いいんですの? 大丈夫ですの?』

「安心しろ……といっていいのかどうかわからんが、少なくとも俺由来の、麒竜によって増幅された魔力だ。問題はない――はずだ」

『そこはかとなくふあんですわー! いままで餮竜の出力は五割を超えることがありませんでしたのに、今は余裕で八割を超えておりますわ!』

「なに?」

『不安な声を上げないでくださいませ!』


 それはつまり、餮竜はもともと、麒竜との連携を前提に造られているということになる。

 ということはだ。

 轟竜や、爛竜とも連携できる――いや、もっといえば全ての竜と連携できるようにできている……?


「まさか、四大竜とは――」


 そこで、傾斜が変わった。

 いままでほぼ直立していた餮竜が、前方斜めに体勢を移したのだ。

 それはつまり――。


『そ、そんなばかなー!』


 電熱巨人ギデオン――やつの言葉を借りるなら、真・電熱巨人とやら――が、わざわざ声を上げている。


『麒竜の魔力全てを吸収したこの私が、押されている!?』


 だが、いまは両者の間には決定打がない。

 こちらがじりじり押してはいるが、機転を利かせて撤退されては面倒なことになる。

 だが、ここに三騎めの竜が加わったらどうか。


「ユーリエ卿、聞こえるか!」

『こちら雷光号のユーリエです』


 すぐさまユーリエが通信に出てくれた。

 雷光号が気を利かせて、すぐに通信できるようにしたのだろう。


『どうされましたか、マリウス卿』

「轟竜を出してくれ! 座標は……餮竜のすぐ後方だ!」

「んん? 四大竜とは、ただ単に超強力な機動甲冑の進化版ではない?」

「タリオンくんが真面目な顔で計算してる……やるねぇ、未来の魔王達!」


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― 新着の感想 ―
そうか…2竜が合体するなら4竜が合体できてもおかしくない… チェンジ!ドラゴン!
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